628.活動篇:プロデビューに向けて
今回は「プロデビュー」についてです。
小説投稿サイトに投稿し続けてオファーが来るのを待ち続けるのか。
「小説賞・新人賞」に応募して秀でた成績を収めて「紙の書籍」化に漕ぎ着けるか。
共同出版の話が来るか。
この中でオススメなのは「小説賞・新人賞」、オススメできないのが「共同出版」です。
プロデビューに向けて
小説投稿サイトをお使いの方は、将来的にプロの書き手になりたいなと思っているのではないでしょうか。
ではプロデビューするためにはなにをすればいいのか。わかっている方はいらっしゃいますか。
あなたの周りでプロデビューした人がいなければ、どのようにしてプロデビューするのかを知っている人はいません。
私自身も私の周りでもプロデビューした人はいないので、偉そうなことは言えないのです。
しかし『小説作法』関連の本を読んでいると、多くの書き手がプロデビューされている手順が見えてきます。
小説投稿サイトでお声がかりを待つ
実際に小説投稿サイトに作品を掲載したり連載したりしたことで、出版社の編集さんから声がかかった方は実際にいらっしゃいます。
パターンは二つあるようです。
一つめは、すでに「プロの書き手」になった人がたまたま小説投稿サイトであなたの作品を読んで「面白かった小説」として担当編集さんに勧めるパターン。
これは「実力」も必要ですが、はっきり言って「運」任せです。
「プロの書き手」がわざわざ小説投稿サイトに寄って、面白そうな作品を物色する。
ではどうやって物色するのでしょうか。
キーワード検索・タグ検索を利用することが多いようですが、連載十回を超えているにもかかわらず総合評価ポイントが0ptの作品を読もうと思いますか。
思いませんよね。
だからニッチな需要を満たすような作品なら競合が少なくて総合評価ポイントも上がりやすいので、プロの書き手の目にとまりやすくなるのです。
二つめは、小説投稿サイトでランク上位に入り続けているパターン。
こちらは「実力」が物を言います。「運」ではなく「実力」でランク上位に居続けることはかなり難しいのです。それを継続できているということは、読み手が続きを読みたがっている作品だと判断できます。
だから出版社の編集さんが小説投稿サイトから新人を発掘しようとすれば、それぞれの小説投稿サイトでランキングを確認し、上位に入っている作品から読み始めるのです。
それで編集さんが「面白い」と判断したら、書き手に「プロの書き手を目指さないか」と尋ねてきます。
どちらの場合も参考にするのはランキングです。
ランク上位にいるからこそ、プロの書き手も読みますし、出版社の編集さんも読みに来ます。
しかし連載十回程度でランク上位に入るような作品を書くのは、よほどネームバリューが高くなければ不可能です。
前作が好評で、新作が待ち遠しい。ようやく連載が開始された新作を「待ってました」とばかりにブックマークされていくことで連載十回程度でもランク上位に躍り出ることができるのです。
つまり小説投稿サイトで何年もかけて、継続的に連載小説を投稿し続ける必要があります。
しかも必ずプロデビューの打診が来るとは限りません。
そのあたりは「運」の要素が強くなります。
小説投稿サイトに投稿するのが楽しくて、プロデビューはついででいいや、という方がとる戦略です。
小説賞・新人賞を狙う
小説投稿サイトで何年も連載小説を投稿し続け、「運」でプロデビューを果たすのではあまりに確率が低いのです。
しかし確率をより高めるよい方法があります。
それが「小説賞・新人賞」に応募することです。
長編小説をたった一本書くだけで、大賞・優秀賞・佳作といった順位付けをされます。
基本的に大賞は「紙の書籍」化されることが多いので、プロデビューへの道は約束されたようなものです。
ただ漫然と小説投稿サイトで連載を続けるよりも、プロデビューの確率は飛躍的に高まります。
また小説投稿サイトで企画されている「小説賞・新人賞」への応募作には特定の「キーワード」が付ける必要がありますから、読み手も
だから小説投稿サイトに作品を投稿するのなら、企画されている「小説賞・新人賞」の募集要項を確認して、積極的に
そのほうがより多くの方に読んでいただけますし、ブックマークや文章評価・ストーリー評価が付いて総合評価ポイントが高まるのです。
総合評価ポイントが高まれば、ランク上位に躍り出ることができます。
つまり先ほどの「小説投稿サイトでお声がかりを待つ」という「運」の要素も高めることができるのです。
小説投稿サイトからプロデビューを望むなら、「小説賞・新人賞」を積極的に狙いにいってください。
「小説賞・新人賞」は賞によっては一万人以上の中から大賞・優秀賞・佳作などが選ばれることになり、「狭き門」です。
ですが「小説投稿サイトでお声がかりを待つ」よりもはるかにプロデビューがしやすい。
そもそもランク上位を獲るには作品が面白くなければなりません。
作品が面白ければそれだけ「小説賞・新人賞」受賞にも近づきます。
であれば「小説賞・新人賞」を狙いにいかない理由がありませんよね。
共同出版の打診は受けない
あなたの小説を見て「この小説を共同出版しましょう」と言ってくる出版社とは契約しないでください。
共同出版とは、書き手つまりあなたが出版費用と全国の提携書店の棚確保代を全額持たなければなりません。つまり出版社はまったく懐を痛めることなく利益だけを享受できるのです。
同人誌を出版社に「委託」して販売するのと大差ありません。売れ残ったら在庫が返品されてきます。さらに増刷されても印税が入ってこないのです。
だから「出版社からプロデビューの話が来た!」とすぐに舞い上がってはなりません。契約条件をしっかりと確認し、共同出版になっていない出版社とだけ契約しましょう。
名のある通常の出版社なら、出版費用は全額出版社持ちです。原稿料は原稿用紙一枚に付きいくらと決められています。売れたら印税が一冊に付き売価の何パーセントかも事前に決められているのです。
つまり通常の出版社は「書き手の利益」もしっかりと考えてくれています。
「この小説を共同出版しましょう」と言ってくる出版社とは契約しないようにしましょう。それが損をしないための最善の防衛策です。
最後に
今回は「プロデビューに向けて」について述べました。
小説投稿サイトを有意義に利用するには、ただ漫然と投稿するのではなく、企画されている「小説賞・新人賞」に応募することを最優先にしてください。
今連載している作品がある場合でも、読み手に断りを入れて中断し、「小説賞・新人賞」の原稿を掲載していきましょう。
あなたが「プロの書き手になりたい」と思っていることを知っている読み手なら、きちんと断りを入れるだけで納得してくれるものです。
また打診が来ても、共同出版の話にはけっして乗らないでください。
書き手であるあなたがリスクを負ってまで出版社を儲けさせる義務はないのです。
それではピンハネされる同人誌となんら変わりません。
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