604.明察篇:すべての人に才能はある

 今回は「すべての人に才能はある」ことについてです。

 結果が見えないから不安になります。

 結果が目に見えるようになれば、正しい努力ができて成長していけるのです。





すべての人に才能はある


 この標題について疑問を持つ方がいらっしゃると思います。

 私は小説を書こうとしているのに、一文も書けずにいる。だから私には小説を書く才能はないんだと決めつける。

 そう、「決めつけ」なのです。

 小説の書き方なんてなにも知らなかった当時と、本コラムを読み進めてきた今とを比べれば、確実に才能は向上しています。

 ただそれに気づいていないだけです。




結果が見えないから不安になる

 皆様には「小説の書き方」について本コラムを読むだけでなく、実際に小説を書いて小説投稿サイトへ掲載していただきたい。

 そのうえで「この表現で読み手に伝わるだろうか」を考えましょう。

 結果を見なければ今の自分にはどれだけの才能があるのだろうかと不安に駆られます。不安が募るとみるみるやる気を失ってドロップアウトしてしまうのです。それではあまりにももったいない。

 あなたにしか書けない小説というものが必ずあります。私はそんな小説を多くの読み手に読んでもらいたいのです。

 小説投稿サイトへ掲載すれば、不特定の人たちに読んでもらえます。より読んでもらいたければ、本コラムが推奨しているように、拙くても「小説賞・新人賞」に応募してください。応募しないで投稿するよりも多くの反響を得られます。

 反響がわかれば今の力量を把握できるから、努力の継続もできるでしょう。

 しかし努力の継続にはそれを支えてくれる人の存在が不可欠です。

 「無理だ」「できるはずがない」と頭ごなしに否定してくる人は、才能の芽を摘む害悪でしかありません。

 あなたのことを信じて温かく見守ってくれる方こそが、才能を伸ばすパートナーとなるのです。

「小説を書けない」ことを自分の才能だけで考えず、周りのサポートがしっかりしているかを確認してみましょう。「書けない人」ほど、周りがあなたの才能を潰しにきているものです。




小説を書く勉強をする

「小説を書く」という行為は、義務教育とかけ離れています。

 義務教育では「小説を書く」時間など設けられていません。

 つまり「小説の書き方」を教えられないまま、私たちは「小説を書か」なければならないのです。これほど理不尽なことがあるでしょうか。

 なぜ義務教育で「小説を書く」ことを教えてくれないのか。

 答えは単純明快で「教師が採点できない」からです。

 「小説を読むことが趣味」な教師もいるでしょうが、ほんの一部。ほとんどの教師は「小説を読む時間」なんてありません。だから「採点する」レベルまで読解力のある教師はまずいないのです。教師になるには大学に通って教員免許を取らなければなりません。だから試験のための読解力はあるでしょう。しかし「この小説のここがよい」「ここが悪い」と指摘できるほどの教師はまずいません。

 そんな教師に「小説を書く」ことが指導できますか。読めもしないのに書くことを指導するのは無理ですよね。

 だから私たちは誰にも教えられずに「小説を書く」ことを強いられています。

 本コラムが皆様の一助になれば幸いです。


「小説を書く」勉強は、まずテレビニュースを録画して「5W1H」が揃ったニュースを文字に書き起こすことから始めてください。

 それと並行して、あなたの「命題」を見つけるのです。

 書ける小説は、あなたの「命題」から離れることができません。あなたが幼い頃にどんな物語を好きで読んでいたのか。それを思い出しましょう。小説であるほうがベストです。でも、とくにこだわらずよく読んでいたマンガ、よく観たアニメやドラマや映画など、とにかくどんな物語が好きだったのか。それを思い出すのです。

 私は『アーサー王伝説』『孫子』『ロードス島戦記』の順で触れてきましたから、「成長」「戦争」「中世ヨーロッパ風」という「命題」を持っています。実際に私は異世界ファンタジーを書くことが多いのです。「命題」の拘束力はここまで及びます。

 とくに「命題」を意識しないで小説を書くこともできますが、知らず知らずのうちに「命題」が内包されてしまうものなのです。であれば、最初から「命題」を明らかにして物語を考えたほうが早いと思います。

 たとえば『シンデレラ』『白雪姫』『眠り姫』なら「恋愛」「玉の輿」「邪魔者(意地悪)」といったものが「命題」です。




他人の成功体験はあなたには合わない

 他人の成功体験を聞いて、あなたもそのとおりにやってみる。

 すると十中八九失敗します。

 なぜかと言うと「他人の成功体験は、その人だから達成できた成功」だからです。

 つまりあなたに合った「成功体験」とは限りません。

「成功体験」はあなたが自ら作り上げるほかないのです。

 そのためには小説投稿サイトをじゅうぶんに活用してください。

『ピクシブ文芸』の他、『小説家になろう』『カクヨム』『エブリスタ』『アルファポリス』といったメジャーなところだけでなく、あなたの「命題」が最も読まれて評価されるだろう小説投稿サイトを選ぶのです。『マグネット』『ノベルアップ+』『セルバンテス』などがあります。あくまでも「あなたが書きやすい」はずの「命題」が人気な小説投稿サイトを選びましょう。

「この小説投稿サイトは『紙の書籍』化された作品が多いから、ここで書けばプロの書き手になれる」という「他人の成功体験」はまったく役に立たないのです。

 開催されている「小説賞・新人賞」にあなたの「命題」が含まれるものがある小説投稿サイトを選ぶようにしてください。それがあなたに最も有利な環境です。

 投稿先を決めたら、その小説投稿サイトで人気があり、かつあなたの「命題」を表した作品を企画・開催されている「小説賞・新人賞」へ応募するために書きます。

 現在ほとんどの小説投稿サイトが出版社と提携して「紙の書籍」化を推し進めていますので、あなたに合う小説投稿サイトを選んでもじゅうぶん「プロの書き手」になれるでしょう。

 他人の成功体験はあくまでも「他人の成功」であり、「あなたの成功」には結びつかないのです。

 あなたに合う小説投稿サイトを見つけて企画・開催されている「小説賞・新人賞」に応募する。これが最善手です。





最後に

 今回は「すべての人に才能はある」ことについて述べました。

 才能はすべての人にあります。ただ結果が見えないので不安が募るだけです。

 小説を書く勉強をして、自分に合う小説投稿サイトで「小説賞・新人賞」に応募してください。

 これを繰り返していれば、必ず「小説を書く才能」は高まります。

 たとえ「小説賞・新人賞」を獲れなくても、応募しただけで読み手が増えるさまは見ていて気持ちのよいものです。



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