600.明察篇:思い立ったが吉日
今回は「後悔しない」ためについてです。
いつか小説を書いて「小説賞・新人賞」を獲りたいな。
そう思っているだけでいっこうに書き始めない方が多いのです。
今日は明日よりも早い。今日始めれば「一日の長」があります。
思い立ったが吉日
小説を書き始めるのは早いほうがいい。
ですが「私は会社に入ってから『小説を書きたい』と思った。もう遅いんだ」とは思わないでください。
確かに「中学生の頃から小説を書いていた」人には後れているでしょう。
ですが、社会人になった今から始めるのも「早いほう」だと気づいていますか。
今日は明日よりも早い
とても当たり前のことです。しかしその真意がわかっていないのではないでしょうか。
明日小説を書き始めようとするよりも、今日小説を書き始めるほうが一日早いのです。
たった一日ですが、その差は大きい。
今日書き始めないで、一年後に書き始めようとするのでは実力に雲泥の差が生じます。
三六五日もの間、あなたはなにをしていたのですか。ただのほほんと眺めていただけですか。
なんにでも「後れている」からと諦めていたら、将来小説を書きたくなったとき、あなたは嘆くことになるでしょう。「なぜ一年前から始めなかったのだろうか」と。
やらなかったことを後悔するより、まずは始めてみることです。
始めた結果うまく書けないのであれば、「小説の書き方」を習えばいい。
七十歳だからもう小説は書けないと思っているうちは絶対に書けません。
やりたいことがあるのならいつでもやるべきです。やらずに後悔するよりも、やって後悔したほうが進歩できます。
やらない理由なんて考えないでください。
やらない理由が立ちはだかってもあきらめなかった人こそが才能のある人なのです。
後悔しないために
人生を過ごしていて、今まで一度は後悔したことがあるでしょう。
私だってたくさんの後悔を繰り返してきました。
私は貧家の生まれで、やりたいことがやれなかったから後悔ばかりしています。
富貴の家の生まれなら後悔なんてしないように思えるでしょう。
ですが、富貴なら富貴なりに後悔していることがあるようです。
後悔するのは当たり前ですが、それを他人にぶつけないのが節度ある人。
後悔して自罰する人も多いですが、まったく反省しない人もいます。
後悔しないためには、失敗しても面の皮が厚かったり心臓に毛が生えていたりすればいいのでしょうか。違いますよね。
「すごくやりたい」と思っていることがあったら、まずはやってみればいいのです。
そうすれば「あのときやらなくて後悔した」とは言いません。
「あのとき始めたことを後悔した」ということは起こりえます。
始めたことを後悔するのは、冷静でなかったからです。
もし始めるときに冷静に判断していれば、たとえ始めてもやらなくても後悔することはありません。
ですがとくに趣味やその延長については、「やらなくて後悔」することはあっても「始めたことを後悔」することがないと言われています。
しかし、私は例外があると思っています。
たとえばパチンコやスロットなどの
世の中にはパチプロを自称する方が何名もいらっしゃいますが、そうなれる人なんて宝くじに当たるような確率です。多くの方が「始めたことを後悔」するものの、射倖心を煽れて泥沼にハマっていきます。
宝くじも一種の趣味だと言えるでしょう。最高賞の金額に目がくらんで購入し、実際に当選することがほとんどありません。
「始めたことを後悔」するものの、今まで何十万円とつぎ込んできたから、元を取り返すまではやめられない。
このように趣味やその延長では「やらなくて後悔」することも「始めたことを後悔」することもあります。
では「小説を書く」という趣味とその延長はどうでしょうか。
「小説を書く」には原稿用紙と鉛筆と消しゴム、もしくはパソコンがあればいつでも始められます。先行投資としてパソコンが必要ですが、安いものは五万円もあれば手に入るのです。文才次第ですが「小説賞・新人賞」が獲れればその五万円もすぐ取り返せます。
「始めたことを後悔」することがほとんどない。
それが「小説を書く」という趣味なのです。
「やらないことを後悔」するだけなので、安心して始められます。
そうであれば、やらない理由を考えるのは時間の無駄です。
たった一日の早い遅いでも執筆スキルの上達スピードが変わってきます。
才能を伸ばすことはいくつになっても可能です。そう考えて努力を積み重ねれば、大きなことも成し遂げられます。
昔は「無理だ」と言われていたことも、人々は挑戦し続けてその壁を乗り越えてきたのです。
「無理だ」の壁を前にして挑戦をあきらめてしまったら、人類はその境地にたどり着けなかったでしょう。
「無理だ」の壁を前にして「やらない理由」を思い浮かべても、なおあきらめきれずに挑戦を続けた人だけが、奇跡を起こしてきました。
あなたが「小説賞・新人賞」を獲るという「壁」を前にして挑戦をあきらめないで努力し続けたなら、あなたが奇跡を起こすこともじゅうぶんにあるのです。
小説賞・新人賞の大賞は一席でも
ですが「小説賞・新人賞」を獲れるのはひとりしかいないじゃないか。そう思われるかもしれませんね。
確かに「小説賞・新人賞」の大賞は原則ひとりと決まっています。
ですが優秀賞・佳作を獲ったことでプロデビューしていく書き手が多いのも現状です。
もちろん「目指すは大賞」なのは言うまでもありません。
しかし優秀賞・佳作が獲れればプロデビューも夢ではないのですから、取り立てて高い山かと言われれば「結構低い山だった」ことに気づくかもしれません。
たとえば誰もが日本一だと思っている富士山は標高三七七六メートルあります。しかし日本の山では六百メートルほどの高尾山だけがミシュランガイドブックで三ツ星を獲得しています。日本では低い山でも、世界的には魅力あふれる山なのです。
小説でも同じこと。
なにがなんでも一番を目指す姿勢は持つべきです。しかし必ず一番にならなければプロになれないというものでもありません。
高尾山のような小説が書ければ、見ている人は見てくれます。今の作品が佳作なだけで、別の作品を書かせたり、編集さんの意見があれば大化けしたりしそうな書き手が求められています。
富士山を目指すのもよいですが、高尾山を目指すのも「あり」なのです。
高尾山がなぜ三ツ星を獲れたのか。それは東京からJR東日本の中央快速線一本でアクセスできる手軽さと、軽装でも登山できる程よい標高、そして四季折々で表情を変える木々にあります。
つまり旅をする人にとってとても程よい山なのです。
小説でも三ツ星を獲りたければ、小説投稿サイトの主要層である中高生が読むジャンルを投稿すること。あまり気取らずわかりやすく書くこと。喜怒哀楽の表情が豊かな作品にすることが求められます。
日本一の孤高な富士山を目指してもよいですし、親しみやすい三ツ星の高尾山を目指してもよいのです。
とにかく「小説賞・新人賞」という山に挑戦することから始めましょう。
最後に
今回は「思い立ったが吉日」について述べました。
始めるなら今から始めましょう。もう始めている方は「小説賞・新人賞」を目指してください。
始めることに「遅い」はありません。今すぐ始めましょう。
そうすれば、明日始めるよりもまさに「一日の長」があります。
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