524.飛翔篇:小説を書く目標
今回は「小説を書く目標」についてです。
小説投稿サイトでランク入りを目指すのか、「小説賞・新人賞」を授かって金銭を得るのか、さらに進んで「プロの書き手」を目指すのか。
すべてを満たす鍵は「小説賞・新人賞」です。
小説を書く目標
小説を書くにはかなりの時間と手間がかかります。
イラストのように一瞬で判断できるものではないため、読み手側も慎重に作品を選んでいますし、読み始めて少しでも気に入らなければWebブラウザの「戻る」をクリック(タップ)して別の作品を読みに行きます。
苦労が多い割に報われない「小説を書く」という作業。
あなたはなにを達成したくて「小説を書く」のでしょうか。
評価を高めてランク入りを目指す
小説投稿サイトには投稿した作品をブックマークしたり評価したりすることで、ランキングポイント(『小説家になろう』では総合評価ポイント)を高めてランク入りを目指すことができます。
しかしアカウントを取得したばかりの書き手はいくら良い小説を書いてもランク入りすることはまずありません。
攻略法はふたつあります。
ひとつは短編を書き続けて名前を覚えてもらう(名前を売る)ことです。それには良い短編小説を書き続けなければなりません。そうして地道に短編小説を書いていれば、じょじょにですが名前が売れてきて、あなたの新作短編が読まれるようになります。
短編小説でランク入りできたら、折を見て連載小説に切り替えていきましょう。この切り替えのタイミングが難しいのです。
理想としては、短編を書いている空き時間に連載小説用の「企画書」「あらすじ」「箱書き」「プロット」を順に仕上げていきます。本編を執筆してストックがある程度溜まったら切り替えるとよいでしょう。
しかしここまでくるのにかなり時間が食われる割にランキングポイントがそれほど高まらないため、いつまでも短編小説から抜け出せなくなる書き手が多いのです。
よほど時間を持て余している人には向いていますが、人生には限りがあります。
もうひとつの攻略法を選びましょう。
もうひとつは小説投稿サイトで開催されている「小説賞・新人賞」に応募することです。これは何度も書いていますが、ほぼ唯一の攻略法になります。
小説投稿サイトに登録したら、開催されている「小説賞・新人賞」にはもれなく参加するくらいの意気込みを持ちましょう。
「小説賞・新人賞」にはジャンルの指定、文字数制限、応募期限があります。
自分が書けるジャンルに応募しましょう。ろくに書けもしないジャンルを書いて酷評されるより、書けるジャンルを書いて高評価されたほうがはるかにマシです。
自分が書ける文字数たとえば一作品原稿用紙五十枚しか書けないようなら短編賞に絞る工夫をしましょう。十二万字以内の指定なのに、連載していたら十三万字を超えても終われないようなら分量無制限の小説賞に絞りましょう。ですが短編しか書けない、無制限の連載しか書けないようでは評価はすぐに上がりません。
まぁ短編賞はたいていどこかの小説投稿サイトで開催されていますから、ランキングポイントを稼ぐことはできます。しかし他の小説投稿サイトを横断するような仕組みではないのです。たとえば『カクヨム』で短編賞を獲得したけど、『小説家になろう』の総合評価ポイントが伸びるという相関関係はありません。
なによりも「小説賞・新人賞」へ応募すると、それだけで閲覧数(PV)が爆発的に増えます。あとはあなたの小説の出来次第です。
「面白そうだ」と思ってくれる方がいらっしゃればブックマークが増えます。
「これは面白い」と確定した方は文章評価とストーリー評価を入れてくれるのです。
つまりランキングポイント(総合評価ポイント)が高まってランク入りします。
するとランキングページから新たに人が流れてきますから、長期間ランキングに乗ることもできます。
初めてランク入りしてからが本当の勝負です。
毎回「
ランク入りを目指すなら、最初は毎回なにがしかの「
つまり小説投稿サイトで企画されている「小説賞・新人賞」へ応募することと、連載小説を投稿するときは連載四回以内にエピソードの「
このふたつをクリアできればランク入りも夢ではありません。
あとはあなたの小説の真価が問われます。
逆に言えば「小説賞・新人賞」に応募しなければ、あなたの真価は問われないのです。
小説投稿サイトは「小説賞・新人賞」を中心にまわっています。
プロの書き手を目指す
小説投稿サイトの中には『小説家になろう』のように「小説家」を標榜するところもあります。
小説投稿サイトで連載していると、出版社の編集さんから声をかけられてプロデビューしたという話も伝え聞くのです。
「プロデビュー」するために小説投稿サイトを利用しているのであれば、以前から言い募っていますが「小説賞・新人賞」に応募してください。
「小説賞・新人賞」に応募もしないで小説投稿サイトへ掲載しても、出版社の編集さんの目には届きません。
たとえ協賛でない出版社であっても、受賞しなかった作品に可能性を感じて「紙の書籍」化を打診してくることもあります。
現在、小説業界は衰退の一途をたどっています。
その中でライトノベルだけが売上を伸ばしているのです。
その理由は「ゆとり世代」が小説を読まないこと。
少子高齢化が進んで、小説を読む人数自体が減っていること。
なによりSNS主流の現在「楽しくない小説は読むだけムダ」という考え方が蔓延しています。
「この○○っていう小説面白かった!」というツイートひとつで売上が左右されることもあるのです。
純文学(文学小説)は読んでも「面白くない」から読まれなくなった。
面白さを期待してお笑い芸人・ピースの又吉直樹氏『火花』を読んだけど、やっぱり純文学(文学小説)は面白くない。
こう思われてしまったので、純文学(文学小説)はとんと売れなくなりました。
今は大衆小説(エンターテインメント小説)が淘汰の時代を迎えています。
固定の読み手が大勢いる「恋愛」「
しかし面白さが伝わりづらい「ホラー」や「宇宙」、また核家族化とニート増加により「ヒューマンドラマ」がみるみる縮小してきています。
『小説家になろう』ではさらに「アクション」が「ハイファンタジー」に乗っ取られてきているので、消滅の危機かもしれません。
「ファンタジー」が今ではライトノベルの代名詞となっているのです。
ライトノベルは「ハイファンタジー」が主流ですが、ローファンタジーや異世界恋愛や現実世界恋愛も手厚く、固定ファンがいることがわかります。
今最短でプロの書き手になりたければ、「
このふたつは相当知識がないと書けません。
「
だからこそこのふたつがプロデビューの狙い目なのです。
「空想科学(SF)」は技術に矛盾がないかの検証が求められます。
知識を必要としない小説としては「恋愛」「ファンタジー」「ホラー」「アクション」「コメディー」といったあたりですね。
この中で「紙の書籍」化されたのはほとんどが「恋愛」「ファンタジー」です。
「コメディー」はただの「コメディー」ではなく「ラブコメディー(ラブコメ)」が好まれます。「ラブコメ」は「恋愛」に類する作品です。
「異世界」の「ファンタジー」と「恋愛」は、世界観を自分で作れますから、知識はいっさい不要。その代わり矛盾だけは起こさないように、一度設定したものは設定資料集のようなノートに書き込んでおきましょう。まるでマンガ・大場つぐみ氏&小畑健氏『DEATH NOTE』の「デスノート」のレクチャーのようですね。
プロの書き手を目指すなら、小説投稿サイトで企画されている「小説賞・新人賞」に応募すること。腕に覚えがあるのなら出版社の編集さんの目に留まります。
小説賞・新人賞への応募
つまりランク入りを目指すためにも、プロデビューを目指すためにも、小説投稿サイトで企画されている「小説賞・新人賞」に応募するのが最も近道なのです。
ひと続きになっていると理解したほうがいいかもしれませんね。
「小説賞・新人賞」に応募すれば、多くの読み手に読んでもらえるので閲覧数(PV)が増える。
その中から「面白そうだ」と思ってくれた方がブックマークに入れてくれる。
ブックマークから継続して読んでみたら「面白かった」ので文章評価とストーリー評価を付けてくれる。
すると総合評価ポイントが高まるのでランク入りする。
一度ランク入りすると継続して新規の読み手が読んでくれるので、さらに総合評価ポイントが高まる。
「小説賞・新人賞」に受かれば賞金や「紙の書籍」化してプロデビュー。
逃しても総合評価ポイントが高いので他の出版社からオファーがあるかもしれない。
もしオファーがなくても次の「小説賞・新人賞」に応募すれば、前の作品よりも食いつきがよくなる。
すぐに総合評価ポイントが高くなって高ランク入りすることもできる。
前作よりも確実に有利になる。
できれば毎回の投稿時に「総合評価ポイントを何ポイント獲りたい」と明確にしましょう。
基準は前回の「総合評価ポイント」です。
それよりも何割、何%上を目指します。
そうでなければいっさい進歩できません。
この繰り返しで文章力やストーリー構成力が磨かれ、良作が書けるようになるのです。
あなたが書けるジャンルと分量の「小説賞・新人賞」が開かれていて、応募期限までに書きあげられるのであれば、ぜひ参加してください。
そこからあなたの小説書き人生が始まると言ってもよいでしょう。
今まで書いたものは初期作品集として価値があります。シリーズ分けしておくべきです。
最後に
今回は「小説を書く目標」についてです。
多くの人に読んでもらいたい、ランク入りできればいいな、どうせならプロの書き手になりたいな。
すべてを満たす最適解が「小説賞・新人賞」に応募することです。
たったそれだけで、すべての努力が報われます。
もちろん自己鍛錬は必要です。
しかし自己鍛錬しかしない人は、いつまで経っても願望が満たされることはありません。
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