485.飛翔篇:投稿する時間帯を考慮する

 今回は「投稿時間帯」についてです。

 想定される読み手層にうまく届けるには、どの時間帯を狙えばいいのでしょうか。

 ここでは心理的に読みたくなるものを選び出しましたが、もちろん「このジャンルしか読まない」と決めている読み手さんもいらっしゃいます。

 ですので今回はあくまで参考程度にしてくださいませ。





投稿する時間帯を考慮する


 書き手はいつ執筆してもいいし、いつ投稿してもかまいません。

 ですが読み手は小説を読む時間帯が限られているものです。

 たとえば中高生なら朝八時から午後五時までは学校に通っているでしょうし、午後六時から午後八時までは学習塾に通っているかもしれません。

 そうなると中高生を主要層にした小説は、朝八時より一時間は前、昼食時より前、午後五時から午後六時までの間、午後八時より前に投稿されているべきです。

 それ以外の時間に中高生がスマートフォンを使って小説を読むことはできません。

 社会人になれば九時始業、午後六時終業が多いですから、朝九時より一時間は前、昼食時より前、午後六時より前に投稿されているべきです。

 夕食時やバスタイムなども考慮すれば、さらに細かく時間帯を想定することができます。




朝にはハッピーになれる小説を

 朝早く起きて小説を読む。そんな方もいらっしゃるでしょう。

 また学校や会社に行くまでの間に小説を読む人も多いのです。

 あなたは朝にどんな小説を読みたいですか。

 朝は一日をスタートさせる時間帯ですから、その日のテンションを決めてしまいます。

 たとえば登場人物がどんどん死んでいくミステリー小説を読みたいのかも知れません。

 ですが朝から人が死んでいく小説を読みたい人は全体から見てとても少ないはずです。

 やはり一日を気持ちよくスタートさせるためには、「ハッピー」になれる小説が求められます。

 キーワードやタグで「ハッピーエンド」が付けられた作品がよく伸びる時間帯が朝なのです。

 いち投稿ぶんでほんわかと心温まるような小説であれば、毎日追いかけてくれる読み手(常連さん)を増やすこともできます。

 朝は「幸福ハッピー」な気分になれる小説を投稿しましょう。

 たとえば恋愛ものやコメディーもの、青春ものなどですね。




昼どきにはアクションものを

 ではお昼ごはんを食べる昼どきはどうでしょうか。

 お昼ごはんは「午後にもうひと踏ん張り」するための燃料補給です。

 となればお昼に読む小説も「午後にもうひと踏ん張り」できるような物語がよいと思います。

 たとえばアクションものやヒロイック・ファンタジーといった読んでいるだけでワクワクしてくるような物語です。

 マンガでいえば鳥山明氏『DRAGON BALL』や尾田栄一郎氏『ONE PIECE』といったバトルものや冒険ものもよいですね。

 スポーツもの、たとえば古舘春一氏『ハイキュー!!』や許斐剛氏『テニスの王子様』、満田拓也氏『MAJOR』や草場道輝氏『ファンタジスタ』、森川ジョージ氏『はじめの一歩』といったものも、闘争心を高めて午後の勉強や仕事を精力的にこなせるようになるのでオススメ。

 しかし小説でスポーツものを扱うのはとても難しい。

 プレイヤーの心理面を描写しなればならないので、ある程度高いレベルで経験したスポーツでなければ底が浅くなってしまうからです。

 マンガの井上雄彦氏『SLAM DUNK』は著者が、無類のバスケットボール好きでテレビ中継の解説も務めるほど詳しいことで成り立っています。

 しかし小説の書き手が井上雄彦氏並みのバスケットボール知識を有しているということはあまりありません。

 部活動でバスケットボール部に入っていたことのある人なら、バスケットボールを題材にした小説を書くことができます。

 当然トッププレイヤーの心理がわかるはずもありませんが、「バスケットボール部に入部したてのプレイヤー」の心理ならわかるはずです。

 やはり小説でスポーツものを書くのは難しいと思います。

 マンガの場合は、絵の力で心理面をねじ伏せることが可能なので、スポーツものが流行りやすいのです。

 高橋陽一氏『キャプテン翼』なんて「絵の力」で強めのシュートをド派手に演出していますよね。

 そこでアクションもの、冒険もの、ヒロイック・ファンタジー、バトルものをお昼前に投稿しましょう。

 読み手のテンションが上がって、午後の課題を充実してこなせるようになるのでオススメです。




夕方はライトノベルを

 学生の学校から学習塾までの間、会社員の職場から帰宅までの間は、比較的長文を読むだけの時間が確保できます。

 日中の疲れをほぐして学習塾に行くまでや、明日の仕事の下準備を始めるまでは、なにを読んでもかまいません。

 ですが疲れを癒やす目的がありますので、あまり肩肘張ったバトルものや冒険ものは避け、「剣と魔法のファンタジー」やとくに軽いノリの「ライトノベル」などがオススメです。

 中にはこの時間帯にあえてバトルものや冒険ものを読んでテンションを上げる人もいます。

 とくに学生が学習塾へ向かう前などは昼間に次いでもうひと踏ん張りしたいところですので、バトルものや冒険ものなど昼どきにオススメしたジャンルが読ませられるのです。

『週刊少年ジャンプ』が発行部数600万部を誇っていた頃は、とにかくバトルものが多かった。

 誰かが学校に『ジャンプ』を持ってきて友達でまわし読みをしたり、ある作品の話題を友達と語り合ったものです。




寝る前には心温まる作品を

 寝る前の時間帯は心温まる「ハートウォーミング」な作品が向いています。

 とくにオススメしたいのが恋愛ものと家族ものと青春ものです。

 恋愛ものを読むと、満たされホルモンが分泌されて快適に眠れるようになります。

 もちろん悲恋もありますが、たとえ悲恋であろうとも寝る前に恋愛ものを読むことで、脳内がリラックスするのです。

 もしこの時間帯に推理ものを読んでしまうと、結末が気になって眠れなくなります。

 推理ものを読ませたいのなら、夕方がオススメです。





最後に

 今回は「投稿する時間帯を考慮する」ことについてです。

 あなたは時間帯による投稿の最適化をしていますか。

 せっかく時間をかけて書いた小説です。

 最も需要のある時間帯を狙って投稿してみてはいかがでしょうか。

 なお今回は小説投稿サイト全般について分析したものであり、特定の小説投稿サイトに言及したものではありません。

 たとえば『エブリスタ』『ピクシブ文芸』はどの時間帯でも女性向け恋愛小説が最もウケます。

 特定の小説投稿サイトの傾向について知りたい場合は、皆様ご自身が分析してみてください。

 分析力も書き手の才能のひとつですよ。



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