484.飛翔篇:小説を書くコツってありますか

 今日は二本立てです。内容がリンクしているので、ストックを一つ余計に投稿することにしました。

「小説を書くコツ」は皆様の取り組み方ひとつです。

 できれば「トライ・アンド・エラー」を繰り返していただきたい。

 失敗しないことには、なにが間違えているのかわからないからです。





小説を書くコツってありますか


 小説を書くコツがあります。

 そういうと驚かれるかもしれませんね。

 但し書き付きですが、小説を書くコツは確かにあります。

 自分の頭に入りやすい学習法を知ることです。




小説を書くコツとは

 たとえば、ある小説を読んだだけで小説の文体が頭に入り、自分の言葉で文章を紡げる人がいます。

 そういう人は、あらゆるジャンルの小説も「手本」が一冊あれば書けてしまう能力があるのです。

 自分には合わない「手本」だと思えばためらいなく「手本」を変更してかまいません。

 適切な「手本」を選ぶのがこの手の人の「小説を書くコツ」になります。


「小説の書き方」が書いてある書物を読んで、それを実践しながら書き方を学んでいく人もいるでしょう。

 そういう人にとっては、適切な「小説の書き方」の書物を選び、それを忠実に実践していくことが「小説を書くコツ」になります。


 とりあえず何作も書いてみては投稿を繰り返し、批判された点を修正して地道に一歩ずつ学んでいく人もいるでしょう。

 そういう人は、臆することなく「自分が小説だと思うものを書いて投稿し、その批判を糧にして成長していく」ことが「小説を書くコツ」になります。


「小説を書くコツ」はだいたいこの三パターンに分けられるのです。

 区別するなら、上から順に「天才型」「秀才型」「凡才型」です。




天才型の学び方

「自分は『天才型』のはずだから、『手本』を一冊読みまくって小説の書き方をマスターしてやるぜ」などと自分の能力を過大評価しないでください。

「天才型」の人は、学校にひとりいればいいほうです。

 あなたが高校生なら、高校の中にひとりいるかどうかというほどの希少種になります。

「天才型」は「手本」からすべてを吸収し、良い点を選んで文章を書いていくのです。

 ですが「天才型」の人ほど「手本」を一冊に限定しません。

 必ず複数の「手本」を用意します。

 なぜなら「手本」が間違えている可能性、「手本」には載っていないテクニックがある、この「手本」ではわかりにくいがあの「手本」ならわかりやすく書いてあるという可能性があることを知っているからです。

「手本」が完璧ではないことを知っている点でも「天才型」と呼べる「小説を書くコツ」だと言えるでしょう。




秀才型の学び方

 たいていの方は「秀才型」です。

「小説の書き方」を学習して頭にインプットし、その知識を活かして書きたい小説をとりあえず書いて(アウトプットして)みる。

 出来あがった文章が小説たりえているか、時間をおいて自分で読んでみればわかるタイプの人が「秀才型」です。

 おそらく本コラムを読んでいる方で最も多いのが「秀才型」でしょう。

 自分で書いたものを客観的に分析し、悪かった点を次回に改善する努力を積み重ねることで「小説を書くコツ」がつかめてきます。

「秀才型」の方は、よい「小説の書き方」の情報を見つけてくることが課題です。

 参考にしている「小説の書き方」の情報が拙ければ、それに見合った程度にしか実力は伸びていきません。

 本コラムがよい「小説の書き方」の情報を有していることを願っていますが、その是非は今お読みになっている皆様の創作活動で確認できると思います。

 コラムだけではわかりにくいときは、限られた部分だけではありますが「添削」を受け付けております。

 ここはどう書けばいいのか迷ってしまったら、一度私が見ることでご指摘できる点があるかもしれません。




凡才型の学び方

 そしてときどき「凡才型」の方が小説を書いてみようと志します。

「凡才型」ですから「手本」や「小説の書き方」についてそれほど学習もせず、とりあえず自分が書きたいように書いてみる。

 前もって「小説の書き方」を学習していませんから、小説投稿サイトに掲載すると当然のごとく読み手から手厳しい批判が殺到します。

 それでも意に介さず、また新しい作品を書いては掲載しまた叩かれる。

 それを何度も繰り返していくうちに、「小説を書くコツ」が見えてくるのです。

「凡才型」の方は、とにかく量を書いては投稿し、読み手から叩かれることを目指してください。

 誰からも叩かれなくなったら、成長する余地がなくなってしまいます。

 そのため「凡才型」の方は、「短編小説」をたくさん書きましょう。

 連載しない「短編小説」であれば、読み手が暇つぶしに「読んでみようか」と思ってくれます。

「連載小説」の場合、連載している間はなかなか評価してもらえません。

「凡才型」の方は評価されて伸びていきますので、評価してもらえなければ才能を伸ばしていけないのです。

 だから「短編小説」をたくさん書くことが「小説を書くコツ」だといえます。




三つの型の特徴

「事前に準備」をしてから「学習」しているかどうかで三つの型に分けられます。

「手本」を読んだだけですぐにコツがつかめる人が「天才型」。

「学習」をして何度か試して初めてコツがつかめる人が「秀才型」。

「学習」もそこそこがむしゃらに努力を積み重ねるのが「凡才型」です。

 一見すると「天才型」が最もすぐれていて理想的に見えます。

 しかし「手本」にした書き手の劣化コピーになりやすいのも「天才型」の特徴です。

「手本」に縛られず「事前に準備」して「小説の書き方」を「学習」し、自分なりの「小説の書き方」を身につける「秀才型」の人が最も伸びていきます。

「凡才型」のように「小説の書き方」よりも自分の感性だけを信じて小説を書くのは、型破りな書き手にはなれますが、すぐには大成しないので挫折しやすいのです。

 だから「秀才型」を目指しましょう。





最後に

 今回は「小説を書くコツってありますか」について述べてみました。

「小説を書くコツ」は確実にあります。

 しかしあなたが小説にどういう態度で取り組んでいるかによって、三つのタイプに分けられるのです。

「手本」一冊あれば小説が書けてしまう「天才型」。

「小説の書き方」に関する情報を集めて、逐次実作に取り入れていくのが「秀才型」。

「学習」するよりもまずは自分なりに小説を書いてみて、批判されたら直していくのが「凡才型」です。

 私がオススメしているのは「秀才型」になります。

 本コラムで述べているテクニックや心構えなどを用いて、実作に取り入れてみてください。

 そうすれば、あるテクニックにはどういう効果があるのかが、わかりやすく反映されます。

 小説は「がむしゃらに書けばいい」というものではないのです。

 それではただの「凡才型」であり、その他大勢と大差ありません。



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