486.飛翔篇:連載を途切れさせない

 今回は「連載の継続」についてです。

 一定のペースで連載を続けるためには、余裕を持ちましょう。

 ストックを抱えておけば、突発事態が起きても対処できます。





連載を途切れさせない


 連載小説は、決められた日時に新作が投稿されなければなりません。

 投稿時間帯がバラバラだったり、決められた日の原稿を落としてしまったりすれば、読み手から愛想を尽かされるのです。

 ですが、どうしても筆が進まず原稿を落としてしまうことは、誰にでも起こりえます。

 連載を途切れさせないためには、どうすればよいのでしょうか。




余裕を持ったスケジュールを立てる

 小説を連載するのが初めての方は、毎日連載することの厳しさを知りません。

 知らずに毎日連載を始めてしまい、結果として余裕がなくなって原稿を落とすのです。

 連載を落としてしまえば、よほど作品に魅力がないかぎり読み手は離れていきます。

 読み手との約束はきっちりと果たす義務があるのです。

 そこで「余裕を持ったスケジュールを立てる」必要があります。

 毎日投稿ではなく「月・水・金」「土・日」など書けない日があることを想定して余裕のある連載スケジュールを立てておくのです。

 そうすれば、万一その日一日原稿を落としたとしても翌日頑張ればカバーできます。

 また執筆は毎日行ない、投稿は週三回にすることで「ストック」が溜まっていくのです。

「ストック」があれば「想定外」の状況に陥って執筆が継続できなくなっても、「ストック」を費やして連載を続けることができます。

 本コラムも「ストック」を作っておいたので、「引っ越し」でインターネットが使えずMacで執筆できなかった間でも、事前に「予約投稿」しておいて連載を継続することができました。

「ストック」を溜められるくらい「余裕を持ったスケジュールを立てる」ことが、無理のない連載を可能にします。

 連載小説だから「毎日書かないといけない」とは思わないことです。

 週に三回投稿したり、土日に投稿したりするのも、立派な連載小説。

 連載小説は「毎日連載するのが当たり前」というあなたの常識を、まず改めてみましょう。

 連載を落とすよりも「連載するペースを落とす」ほうが、読み手のことを考えています。週刊少年マンガ雑誌は、毎週決まった曜日に発売されるから読まれるのです。

「連載は原稿落とさずペースダウン」をモットーに連載をしていきましょう。




とにかく書いてみる

 余裕を持ったスケジュールで連載していても、どうしても小説を書けなくなるときもあります。

 そんなとき「スランプかな」と思うわけですが、「スランプ」なわけではありません。

「やる気が湧かない」だけです。

「やる気が湧く」脳内物質がありますが、自ら発することはできません。

 頭を使っているうちに脳の一部が刺激されて「やる気が湧く」脳内物質を放出してくれるようになります。

 なにかに「頭を使う」ことが重要です。

 だからといってゲームをプレイすると「ゲームをプレイするやる気が湧く」だけで、「執筆するやる気が湧く」わけではありません。

 休載することで有名なマンガ家の冨樫博之氏はゲームのCAPCOM『MONSTER HUNTER』の新作が出るたびに読み手から「また休載するのか」と言われてしまいます。

 因果関係はわかりませんが、そのような連想がされるくらい、ゲームプレイと原稿執筆の「やる気」が別物であることがわかるのではないでしょうか。

「ゲームをプレイするやる気」と「執筆するやる気」は別のもの。

 ではどうすればよいのでしょうか。


 厳しいことを言うようですが、「やる気が湧かなくても原稿用紙に向かい、一文でも一文字でもいいので書く」のです。

 PCで執筆しているのなら、PCで執筆ソフトを立ち上げて何文字か打っては消してまた打ってみる。

 スマートフォンで執筆しているのなら、スマートフォンでテキストエディタやメールアプリを立ち上げて何文字か打ってみる。

 途中で消してもかまいません。

「やる気が湧かない」のに執筆しろというのはかなりの無理筋に感じられますよね。

 ですが「執筆するやる気が湧く」ためには、「やる気がなくても執筆する」以外に点火する方法がないのです。

 だから厳しいことを承知で「一文でも一文字でもいいので書く」ことを推奨します。

 どのくらい頑張ればいいかは脳科学者によってバラつきがあるのですが、だいたい四分間頑張れば「執筆するやる気が湧いてくる」ようです。

 四分間頑張って「執筆するやる気が湧いてきた」ら、あとはペースを落として「やる気」をキープしてください。

 しゃかりきの四分間のペースで飛ばしていけば、すぐに燃え尽きてしまいます。

 そんな体験をしてしまうと、次に「やる気が湧かない」状態になったら、「とにかく書いてみる」ことがしにくくなるのです。

 だから「とにかく執筆してやる気を湧かせる」ことは四分間の勝負だと思って取り組んでください。

 四分経っても「やる気が湧かない」のであれば、いったん手を止めて別のことをしましょう。


 本コラムも、ここまで155万字ほど書いてきていますから、当然「執筆する気が湧かない」こともあったのです。

 それを「ストック」でカバーしたり、「とにかく執筆してやる気を湧かせ」たりして毎日連載を継続してきました。

『ピクシブ文芸』で十五カ月ほど毎日連載してこれたのは、「ストック」と「とにかく執筆してやる気を湧かせる」ことを続けてきたからです。





最後に

 今回は「連載を途切れさせない」ことについて述べてみました。

 連載と聞くと「毎日連載が当たり前」だと思ってしまいがちです。

 ですが「週三回投稿」でも「土日投稿」でも「連載小説」には変わりありません。

 もちろん「毎日連載」していれば、注目を集めやすくはなります。

 とくに「日間ランキング」の面からいえば、「毎日連載」をしないとランキングの浮き沈みが激しくなってしまうのです。

「週三回投稿」や「土日投稿」のときは「週間ランキング」を参考にしてください。

「週間ランキング」でポイントが高くなれば、「人気のある連載」だと読み手が注目してくれるようになります。

 連載の場合、「週間ランキング」をチェックするようにしましょう。

 短編なら「日間ランキング」で上位をとることがたいせつです。

 「日間ランキング」上位の短編は、翌日ランキングをチェックしてくれた読み手が読んでくれる率が高くなります。

 それによってさらに「総合評価ポイント」が高まって翌日の「日間ランキング」も上位になるのです。

 「日間ランキング」だけでいえば、連載よりも短編のほうが高くなる傾向があります。



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