481.飛翔篇:他人と競争しない
今回は「他人と競争しない」ことについてです。
ランキングや総合評価ポイントが低いことでモチベーションが下がるのであれば、そこを気にしないほうがよいでしょう。
コラムNo.418「深化篇:勝手にライバル」は切磋琢磨する相手を見つけるためのものです。
競争に明け暮れるのは、スキルの向上にはつながりません。
他人と競争しない
小説投稿サイトに投稿したら、ランキングが気になるかもしれません。
しかし他人と競争してしまうと、負けたときにモチベーションが下がって続きを書く意欲が薄れることが往々にしてあります。
小説投稿サイトで気にすべきは「自分の作品のブックマーク数」です。
過去作との比較や、昨日と今日の比較といった具合に、競争するなら「過去の自分」とにしましょう。
他人と競争しても上達しない
コラムNo..418「深化篇:勝手にライバル」で自己を高めるために「勝手にライバル」が必要な旨説明いたしました。
これはあくまで「目標」を設定して切磋琢磨する「意欲」を高めるためであって、「勝手にライバル」との勝ち負けに満足するためではないのです。
そもそも他人とランキングや総合評価ポイントを競っても、小説が上達することは絶対にありません。
ですが「ライバルに負けてたまるか」という気概が生まれ、向上心に火がついて切磋琢磨し、何作書いてもまた連載していても「次の投稿で取り返してみせる」「近づいてみせる」「追い抜いてみせる」と前向きにとらえることができるようになります。
「負けてしまった」とへこんでいる暇はないのです。
切磋琢磨して「次で追い抜いてみせる」という気概があれば、つねに向上心を保つことができます。
「勝手にライバル」を設定する最大の理由は、相手の文体や展開に気を配れるようになるからです。
つまり「勝手にライバル」の小説を読むことでさまざまな「気づき」が得られます。
「気づき」を得たうえで「勝手にライバル」の上を行くことが求められるのです。
もし「勝手にライバル」がこちらの手が届かない書き手である場合、得られるものはなにもありません。
あくまでも同じジャンルを書く、自分より少し上くらいの「ネームバリュー」を持つ書き手が、切磋琢磨する「勝手にライバル」にはふさわしいのです。
負けてもへこむな
「勝手にライバル」との仮想戦をするうえで重要なのは、「負けてもへこんではならない」ということです。
同じジャンルを書く、自分より少し上くらいの「ネームバリュー」を持つ書き手を切磋琢磨すべき「勝手にライバル」に設定したのですから、負けて当たり前。
自分との差を埋めるための「目標」となるのが「勝手にライバル」なのです。
足りないものに「気づき」、改善していく努力をしましょう。
また現在トップを走っている書き手を「師匠」として、ひとつひとつの技術を細かく拾い上げていくこともたいせつです。
トップを走っている書き手の作品は、レベルが相当に高い。
当然得られるものも「勝手にライバル」より多いのですが、あまりにも技術に差がありすぎて「どこがどうスゴイのか」がいまいちわかりづらいと思います。
だからあえて「自分より少し上くらいの」書き手を「勝手にライバル」に設定するのです。
「負けて当たり前」でも乗り越えようとする壁が明確であれば、正しく努力することができます。
だから負けてもへこまず、自分に足りなかったものを精査したうえで次作に反映させればよいのです。
ブックマーク数で勝負
勝負すべきは自分の歴代作品のブックマーク数です。
短編小説は単純に「総合評価ポイント」で判断できます。
しかし連載小説では文章評価・ストーリー評価のポイントがどのタイミングで入るかわかりづらいので、ブックマーク数で競うほうがより正確に勝ち負けを判断できるのです。
そして競うべき相手は「過去の自分」にしましょう。
「勝手にライバル」とブックマーク数を競うこともできますが、「負けるとへこむ」人も多いので「過去の自分」がよいと思います。
いつ投稿した回でブックマーク数が増えたのかを知ることで、「読み手が欲していた展開」を見極められるのです。
この点では『小説家になろう』はよく読まれた投稿回をチェックできるので、どこがよかったのかを知ることができます。
『ピクシブ文芸』は『pixiv小説』で管理されているため、一回の投稿ずつにバラけて保存されているので、人気のある部分はどこなのかがすぐにわかるのです。
ただし『ピクシブ文芸』は読んでいる方があまりに少ないので、統計の誤差が際立ってしまう欠点があります。
読み手の多い『小説家になろう』や『エブリスタ』『カクヨム』との重複投稿を検討してください。
『カクヨム』は投稿話ごとに応援コメントがもらえるので、その数でも計ることができます。
前回の自分と競う
競う相手として最も適しているのが「前回の自分」です。
前回投稿した作品の評価と、今回投稿した作品の評価は、どの小説投稿サイトでもすぐに把握できるようになっています。
だから前回よりも良い評価が得られるよう工夫と努力を重ねるのです。
前回投稿は「前作」でもありますし、「前日」でもあります。
いずれにしても「前より良い評価」を得られるよう考えて執筆し、投稿してください。
さまざまなテクニックを試して、その反応によってテクニックを正しく用いることができたのかを判断します。
本コラムもさまざまなテクニックを紹介していますが、読んでいるだけでは身につきません。
ぜひ実践で試してみましょう。
テニスやゴルフなどでもそうですが、実践しなければテクニックは身につきません。
水泳だって、知識だけがあっても泳げるようにはならないのです。
そして斬新なテクニックをあなた自身が編み出すかもしれません。
そのためには既存のテクニックをすべて身につけるつもりで実践で試してください。
最後に
今回は「他人と競争しない」ことについて述べてみました。
他人と競えば負けたときの敗北感で挫折することがあります。
だから切磋琢磨する「勝手にライバル」を設定するわけです。
「勝手にライバル」は自分よりもレベルが若干高い書き手にしています。
負けたとしても次で挽回しようと努力するのです。
だから「負ける」ことで意欲を出そうとするなら「勝手にライバル」は設定しておきましょう。
日々の競争相手は短期的なやる気のためには必要です。
そこで「前回の自分」と競いましょう。
前作の自分、前日の自分との競争です。
相手が自分であるため、負けたとしても「もっと頑張らなくちゃ」と前向きに執筆に取り組めるようになります。
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