表現篇〜一歩先行く表現の磨き方
260.表現篇:高速ライティングへの道(1/2)
今回から「表現篇」に入ります。
まずは「高速ライティング」です。
コラムNo.168「文章を高速で書く」の延長線上のスキルになります。
これができるようになると、執筆速度が劇的に上がります。
高速ライティングへの道(1/2)
小説を書くとき、どうしても考えなければいないのが「どれだけのスピードで入力できるのか」です。
もし一時間に一〇〇〇字しか書けないのであれば、一〇万字を書くためには百時間を費やす必要があります。
これが毎時三〇〇〇字まで速めれば三分の一の三三時間二〇分で済みます。
一日二時間執筆するとして、毎時一〇〇〇字なら五〇日かかりますが、毎時三〇〇〇字なら十七日ほどで完成するのです。
タイピングを速める
小説を書くうえで最もスピードを左右するポイントがタイピング速度です。
もしタイピング速度が遅ければ、どんなに下準備をしていても、PCに入力していく時間がかかります。
毎分一〇〇字入力できれば一〇〇〇字を入力するのに一〇分しかかかりません。それがもし毎分五〇字しか入力できないのなら二〇分もかかります。
タイピング速度によって「企画書」「あらすじ」「箱書き」「プロット」創りにどれだけ余裕が生まれるのでしょうか。
物語の内容をどれだけ高められるかは「企画書」「あらすじ」「箱書き」「プロット」の水準をどこまで高めれるかにかかっています。
だからタイピングが遅い人は、タイピングをできるだけ速める努力をしましょう。
それによって時間を有効に使えるのです。
考えていることをラグ無しで入力できるか
またタイピングを速めるうえでたいせつなのは、頭の中(脳内)で考えていることをどれだけラグ無しに入力できるかも問題になります。
たとえば本コラムは頭で考えながらタイピングしていきますので、考えが浮かんだそばからタイピングを開始するのです。
私が最もタイピングの速かった時期なら毎分一八〇字打てましたが、今では一二〇字弱まで落ちているのです。それでも一般の方よりは速い方だとは思います。
ですが、コラムを書くときはつねに「ひとつの論旨」を頭の中でかき混ぜて、関連するアイデアを逐次汲み上げる作業が必要です。なので、どうしてもタイピングする時間以上に考えている時間が長くなります。
私が小説を書くときはあらかじめ「企画書」「あらすじ」「箱書き」「プロット」を経ていますので、「プロット」に書かれている情景を思い浮かべつつ、表現を気にしないでとにかく高速でタイピングしています。
かなり素朴なラフが出来ますので、そこから表現を重視して磨きをかけていくのです。
これが私にはベストな書き方なのですが、もちろん万人に当てはまるわけではありません。
スマートフォンで入力している方は
スマートフォンで執筆して小説投稿サイトへ掲載している方も大勢いらっしゃると思います。
そのような方はフリック入力などでできるだけ高速に打ち込めるようにすべきです。
しかし変換に手間取ってしまうので、PCと比べてどうしても入力は遅くなります。
もし小説投稿サイトで本格的に活動をしたいのであれば、どんなに低スペックでもいいのでキーボードを持つPCを購入するのがオススメです。
物によっては三万円弱のノートPCというものもあります。
またタブレット端末やスマートフォンにBluetooth接続できるワイヤレスキーボードも販売されていますので、是が非でもスマートフォンでまかないたいのならワイヤレスキーボードも選択肢に入れてみましょう。
とにかくキーボードのほうがタイピングは劇的に速くなります。
タイピングが速くなればそれだけ「プロット」をじっくりと練りあげられますし、ラフの変換にも時間を使えてさらには推敲にも余裕が生まれるのです。
タイムアタックしてみる
ぜひタイピング速度を高める努力をしてください。
できれば連載小説のいち投稿ぶんでタイピングにどれだけ時間がかかっているのか、毎回記録に残しておきましょう。
前回は五千字に二時間かかったから、今日は五千字に一時間五十分台を目指すという具合に、目標を持ってできるだけタイピングを速めていく意識を持つのです。
タイピングを速めるには、下準備をどれだけしっかりと行なっているかにかかっています。
実際に端末に打ち込む時間を減らすには、「プロット」が詳細であることが望ましいでしょう。
ローマ字入力とかな入力
PCのキーボードには「ローマ字入力」と「かな入力」があります。昔は「親指シフトキーボード」という、より日本語入力に特化したキーボードが販売されていましたが、今でも残っているのでしょうか。
昔の話はいいとして現在PCでは「ローマ字入力」と「かな入力」のどちらかを選ぶことになります。
キーボードに馴染みのない方はアルファベットの配列さえ憶えれば日本語入力もできる「ローマ字入力」がオススメです。
とくに、現在のPC市場はグローバル化しており、富士通やVAIOなどの日本メーカー以外に、AppleやhpやLenovoといった外国製のPCが日本でもよく販売されており、Apple以外はたいてい日本メーカーよりも安い価格で売られています。
それら海外メーカーにも「かな入力」ができるものも多いのですが、どちらかというと「ローマ字入力」に向いているキー配列になっています。
「かな」「英数」キーが無く、スペースバーが長いキーボードは原則「ローマ字入力」推奨です。
しかしUSB接続で「かな」「英数」キーのある「かな入力」に向いた外付けキーボードも販売されているので「かな入力」がまったくできないPCというものはまずないと思ってください。
ちなみに私は「かな入力」を使っています。
私が小学生時代に現実のキーボードと同寸の写真が載っている雑誌を買って、仮想タイピングで「かな入力」を憶えました。
「かな入力」の利点は「ローマ字入力」よりもキーボードを打つ回数が減ることです。
打つ回数が減れば単純にそれだけ入力時間が削れるということです。
私が全盛期に毎分一八〇字入力できたのも「かな入力」だったから。
この頃はCDを聴きながらその歌詞を入力するという離れ業もこなしていました。
「ローマ字入力」で「お正月」という単語を入力しようとすると「oshougatu」と九回打たなければなりません。
これが「かな入力」では「おしょうか゛つ」の七回打てば入力できるのです。
これは単語での話ですが、文章ともなればその差はますます大きくなります。
「ローマ字入力」でどれだけ高速タイピングができても、「かな入力」の効率を知ると「かな入力」に移行したくなるかもしれません。
ただし「ローマ字入力」で毎分一二〇字打てる人が、「かな入力」で同じ文字数打てるようになるのには相当な時間が必要となります。
その時間を考えれば「ローマ字入力」の入力スピードをできるかぎり高速化する努力をしたほうが建設的かもしれません。
現在「ローマ字入力もできない」とおっしゃるのであれば最初から「かな入力」を練習すべきでしょう。
ただし「かな入力」は現在では少数派となっています。
事務職などで他人のPCを借りて作業をする必要があるとき、たいていのPCは「ローマ字入力」に設定されているものです。
なので一時的に「かな入力」に設定し直して使わせてもらい、終わったら「ローマ字入力」に戻すという手間が必要になります。
まぁ「かな入力」ができる人は多少時間こそかかりますが、「ローマ字入力」もできるはずです。
他人のPCを使わせてもらうときは、ちょっと効率が悪くなりますけれど「ローマ字入力」のままで入力してもいいでしょう。
最後に
今回は「高速ライティングへの道」の第一弾を書きました。
高速ライティングするには、まず高速タイピングできるようになるべきです。
どんなに「企画書」「あらすじ」「箱書き」「プロット」に時間をかけていても、高速タイピングができなければ、文書として保存するのに時間がかかります。
それでは「高速ライティング」には程遠いのです。
だから、まずは高速タイピングを目指してみましょう。
ちなみに本コラムは三千字前後ですが、一時間ジャストで構想から書きあげまで行ないました。
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