250.意欲篇:読みたい小説はあなたが書くべき
今回でキリ番の250回となりました。2017年4月17日から毎日投稿を始めてそろそろ8か月となります。(『ピクシブ文芸』コラムNo.1投稿日です)。
そんな今回は「あなたが読みたいと思っている小説は、あなたが書くべき」という提案です。
小説投稿サイトを渡り歩いて検索を駆使し、自分にぴったり合うしっくりくる小説が一本もない。
そんな方が実際にいるはずです。
誰かが書いてくれるのを待つとして、どれだけ待てばいいのか、なんの基準もありませんよね。
「一か月待てば必ず投稿されます」と保証されているわけでもないのです。
読みたい小説はあなたが書くべき
小説投稿サイトで読みたい小説を探すとします。
検索機能を用いて「ジャンル」と「キーワード」「タグ」で絞り込んでいくのです。
めぼしい小説が見つかった場合はそれを読めばいいでしょう。
でも見つからなかったり、読んでみたけど期待外れだったりした場合はどうしますか。
「読みたい作品を誰かが投稿してくれるまで待つ」という選択肢もあります。
ですが、それはいつ投稿されるのでしょうか。
「一か月待てば必ず投稿される」「いつか誰かが必ず書いてくれる」という保証はどこにもありません。
誰かをあてにしない
あなたが読みたいと思っている小説が、その小説投稿サイトには存在しません。
であれば他の小説投稿サイトを漁ることになるでしょう。
それで見つかればいいのですが、たいていは徒労に終わります。
なぜなら「あなたが読みたい小説」とまったく同じものを書いてくれる、まさにドラえもんが持っているひみつ道具のような書き手はまず存在しないからです。
それでもあなたは「読みたい小説」を「誰かが投稿してくれるのを待つ」のですか。
なければ自分で書けばいい
あなたが読みたいと思っている小説は、この世のどこにも存在しません。
「誰かが投稿してくれるのを待つ」という消極策では、いつまで経ってもあなたの希望は叶えられないでしょう。
それなのに、なぜ他人を頼ろうとするのでしょうか。
読みたい小説が存在しない。
ならば、あなた自身が書けばいいのです。
あなたが小説を書いてはならないなどという不文律もなければ明文もありません。
あなたの頭の中にある物語を紡げるのは、今のところあなた以外にいないのですから。
将来的に「脳波を解析してあなたがイメージしている物語」をコンピュータが執筆する時代が来る可能性はあるでしょう。
実際にコンピュータに小説を書かせようとする研究が急ピッチで進められています。
でも「脳波からあなたがイメージしている物語」を抽出する技術はすぐには開発されないと思いますよ。
せいぜい「脳のどの位置にγ波が出ている」程度のことしかわからないのです。
近い将来、脳波からコンピュータが感情を読み取れるようになる可能性はあります。
でもなにをイメージしているかがわかるようになるのは、現在先進国で開発競争となっている「量子コンピュータ」による「ディープラーニング」が相当進まなければまず不可能でしょう。
腹をくくってください。
あなたが「自分の頭の中にある物語」を小説として書いて、小説投稿サイトへ投稿するのです。
他の人も読みたかった小説
あなたが読みたいと思っている小説を執筆して、小説投稿サイトへ投稿してください。
すると意外な結果が得られます。
多くの人が閲覧し、評価され、ブックマークが付くのです。
なぜだと思いますか。
あなたが思ったように、他の人たちも「こんな小説があったら読みたいな」と思っていたからです。
でも誰も「自分で書こう」とは思わなかった。
だからあなたが投稿するだけで大きな反響を呼ぶことができたのです。
今『小説家になろう』では「異世界転生ファンタジー」と「異世界転移ファンタジー」が一大ジャンルを築いています。
それらにも当然先駆者がいたはずです。
誰も書かなかった物語を、先駆者が書いたから評判を呼びました。
そして「自分もこんな小説が読みたかったんだ」という人たちがフォロワーとして続々と「異世界転生」もの「異世界転移」ものを投稿していったのです。
誰も書かないのなら自分で書く
ですから、誰も書いてくれない物語があるのなら、自分で書きましょう。
意外なところに需要があるかもしれません。
MMORPGものだと日本では2001年に川原礫氏『ソードアート・オンライン』、2002年にバンダイナムコグループを中心とするゲーム『.hack』シリーズが先鞭をつけたと思います。
インターネットが普及期に入り、MMORPGは1997年にエレクトロニック・アーツ『ウルティマオンライン』、1998年にNCSOFT『リネージュ』がサービスを開始します。
そして2002年にグラビティ『ラグナロクオンライン』がサービスを開始したのです。ちょうど『ソードアート・オンライン』と『.hack』シリーズが生まれる前後になりますね。
このように読み手は「MMORPGを題材にした小説はないかな」とGoogleやgooやYahoo!などで都度検索して、それぞれのWebページやブログに出向いて小説を読んでいたのです。
小説投稿サイトの成立と発展
でも読みたい小説を探すためにいちいちGoogleなどの検索サイトを利用するのでは面倒くさいことこのうえありません。
そもそもどんなキーワードを入力すれば、読みたい小説が書かれているWebサイトやブログにたどり着くのかを知っている人自体が稀だったのです。
そこで小説投稿サイトが立ち上がりました。
小説投稿サイトの初期は『Arcadia』掲示板でのショートショートの提供でしょうか。その後『魔法のiらんど』などの「ケータイ小説」投稿閲覧サービスが生まれ、その流れから2004年にPCでも読める『小説家になろう』が誕生します。
『小説家になろう』は投稿のしやすさと検索のしやすさを日々研鑽していましたから、急速に発展することになりました。現在では日本一の小説投稿サイトへと成り上がったのです。
最大手となった『小説家になろう』ですが、現在でも投稿されていない「テーマ」の作品が数多く残っています。
先ほども申しましたが、とくに『小説家になろう』では誰かが起爆剤を投下してフォロワーが一気に膨れ上がる傾向にあるからです。
つまり「テーマ」の開拓ではなく「テンプレート」の応用に重きが置かれてきました。
新たな起爆剤となる小説はたいてい名の通った書き手が投下するでしょう。
実力未知数の駆け出しが投稿しても「あのトンチキな作品は誰が書いたんだよ」ということになります。
でも名が通っていれば「こんな小説も面白いですね」ということになってフォロワーが増えるのです。このあたりは理不尽このうえありません。
最後に
今回は「読みたい小説はあなたが書くべき」ということについて述べてみました。
小説投稿サイトにはあなたの読みたい小説がない。これはよくあります。
では誰かが投稿してくれるのを待ちますか。
時間がいくら過ぎてもおそらく誰も書いてくれませんよ。
だから「あなたが読みたい小説はあなたが書くべき」なのです。
コンピュータが小説を書く時代がまもなく訪れます。
でもあなたが頭の中でイメージしている小説を書いてくれるようになるのは当分先のことです。
それこそ「量子コンピュータ」の「ディープラーニング」が発展しない限りはまず実現不可能。
ならばあなたが書きましょう。
もしかしたらあなたと同じような小説が読みたかったという人が現れるかもしれません。
予想外に評価やブックマークが付く可能性が高くなります。
あなたが小説を書いてはいけないという規約はありません。
ぜひ書いて投稿してみてください。
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