247.意欲篇:失敗も成功に続く途上

 失敗するとへこみますよね。でもその失敗は成功に続く途上なのです。

 そう考えて前向きに取り組んでください。





失敗も成功に続く途上


 あなたが書いた作品を小説投稿サイトへ投稿したとします。

 そのとき評価は低いしブックマークも付かない、のみならずひどいコメントまで届いてしまった。

 人はこぞって「駄作」だ「失敗作」だと言います。

 皆がそう言うので、書いた本人も「ここまでこき下ろされるとは思わなかった」と失意のどん底に沈むのです。

 果たして、この作品は本当に「失敗」なのでしょうか。




失敗してもあきらめないで

 あなたがもしこの作品を書いて投稿しなければ、こんな手ひどい仕打ちを受けることはなかったのは確かです。

 そういう意味では世間から見たら「失敗」なのでしょう。

 ですがそれを単に「失敗作」だと決めつけるのはよくありません。

「失敗作」から学べることがひじょうに多いからです。


 確かにひどいコメントが届いたら「もう二度と小説投稿サイトに投稿したくない」と思ってしまいますよね。人間なら当然のリスク管理です。

 まったくの見ず知らずの方々から「なんでこんな展開にしたんですか? もっと勉強してから投稿してください」とか「このキャラは存在が死んでますね。必要ないので出さなくてもよかったのでは」とか言われてしまいます。精神的にキツいですよね。

 だから、もうそんなことを言われないようにしよう。そしてそのまま小説投稿サイトからフェードアウトしたくなります。

 ですが、それによってあなたの望む未来はやってきますか。




悔しさを発散させる

 あなたはなぜこの小説を書いたのでしょうか。

 おそらく「この物語を多くの人に読んでもらいたい」だったり「多くの人に楽しんでもらいたい」だったりだと思います。

 あなたが思いついた「物語」をできるだけ多くの人に知ってもらって楽しんでくれたら、それだけで私は幸せな気分になれる。そう考えていたはずです。

 それなのに、投稿したらボロカスに言われてしまいました。

 あなたにとっては肝いりの自信作だったはずです。それが徹底的に貶められました。

 これで「平常な精神でいろ」というのが無理な話なのです。平常でいられるのはお釈迦様か修行を積んだ禅僧くらい。

 ただの人間であれば、まずは悔しい気持ちをなにかにぶつけてください。

 近くにボール遊びのできる公園があればサッカーボールを力いっぱい蹴ってもいいですし、カラオケ屋があるのなら腹の底から大声を出して力いっぱい歌ってもいいです。

 とにかく心の中にある悔しさを体外へ発散させましょう。

 悔しさを爆発できるだけ爆発させれば、ひとまず落ち着いて「平常な精神」に戻ることができます。

「平常な精神」に戻ったら、まず「反省会」から始めましょう。




反省会で原点を思い返す

 ここから反省会を始めます。

 まずあなたの作った「物語」は、読み手になにを伝えたかったのでしょうか。その原点を思い返してみてください。

 この「物語」を読ませることでなにを成し遂げたかったのか。これを小説投稿サイトに投稿する前から明確にしておくべきです。

 そうしておけば、仮に世にいう「失敗作」も「成し遂げたかった」ことへ続く一里塚マイルストーンとなります。

 つまり「失敗作」を書いたことにより、今の実力とあなたにとっての「成功作」への高低差を見つけ出すのです。高低差を見つけ出すことで、できるだけ高みへ近づけるように努力することができるのです。


 もし「成功作」以外書かない・載せないと決めてしまうとどうなると思いますか。

 どの作品が「成功作」で「失敗作」なのか。誰が判断するのでしょう。あなたの独断で決めてしまえるほど、あなたは小説について詳しいのですか。

 プロの書く小説は、「企画書」こそ書き手と編集さんとの共同作業になりますが、執筆は書き手ひとりで書きます。そして書きあがったら編集さんや校正さんがチェックして問題点を指摘してくれるのです。

 プロでも他人の指摘がなければ誤ちに気づかないのに、アマチュアの書き手があなたの独断で作品の良し悪しを判別できるはずもありません。

 アマチュアの書き手は、誰かが指摘してくれなければ間違いに気づきません。

 あなたの作品をチェックして問題点を指摘してくれる親族・友人・知人・仲間はいますか。

 小説を読む時間があり良し悪しを判断できるほどの人です。

 いるのならその方々にチェックしてもらい、指摘されたところを手直ししてから小説投稿サイトへ投稿すればいいでしょう。

 でもそんな都合のいい人があなたの周りにいるとは限りません。

 とくに小説は書いているところを他人に見せたくない人が殊のほか多いのです。

 であれば誰に読んでもらえばよいのでしょうか。


 ここで一周回ったことに気づきましたか。

 そうです。小説の良し悪しを判断できるほど小説を読み慣れている人がいる「小説投稿サイト」に投稿することでしか作品の良し悪しは判断できません。

 その結果として「ここがダメ」「そこもダメ」という「失敗作」が生まれるのです。

「失敗作」を最初から書かないのではなく、今回は「失敗作」になってしまったから次回は今回よりももっとよくしよう、と発想を変えましょう。

 前回とまったく同じ内容の「物語」を書いて投稿し続けてもよいのです。

 毎回違う小説を書かなければならないという小説投稿サイトはありません。

 あなたが作った「物語」をいくらでも書き直して、何度でも挑戦してください。

 とくにその「物語」が「成功作」であると結果が出るまで、次の「物語」を書きたくない書き手も存在します。

 そんな書き手がたった一回「失敗作」になっただけであきらめるのですか。

 そんなことでは「あなたの望む未来」はやってきません。

 次々と「物語」を作れる人はいろんな「物語」で挑戦しましょう。

 しかしとにかく最初の一作を「成功作」にするまで努力してみるのも一つの手です。

 泥臭くてもいい。一本の「成功作」が生まれるまで、徹底的に努力しましょう。





最後に

 今回は「失敗も成功に続く途上」というテーマで述べました。

 小説投稿サイトへ投稿したけど「駄作」「失敗作」の烙印を押される。

 とくに小説投稿サイトを利用し始めた人に多く見られる現象です。

 ですがそこであきらめてはなりません。

 是が非でも一本の「成功作」を掴み取るまで、何度でも挑戦してください。

 一本の「成功作」を創り出すために、たくさんの「失敗作」を積み重ねることを厭わないで続けましょう。

 その先にしか、あなたの望む未来は存在しません。



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