245.意欲篇:たくさんの好奇心を持つ

 今回は「好奇心」についてです。

「知識」を増やすには「好奇心」が必要です。

 また「知識」が増えると「他人と仲良くなるチャンス」が訪れます。





たくさんの好奇心を持つ


 あなたには「好奇心」がどのくらいあるのでしょうか。

「あんなことを知りたい」「こんなことを知りたい」「いや、いっそ知れる限りのことを知りたい」

 そのくらい強い「好奇心」がありますか。




好奇心がないと

 もしあなたに「好奇心がない」とまったく成長できません。

 しかし世界はつねに先に進んでいるのです。

「好奇心がない」と相対的に退化していきます。

 そんな状況で小説を書いているとすぐにネタが尽きます。

 あなたの頭の中にある「知識」をすべて出しきってしまい、もうなにも残らないのです。

 まさに「真っ白に燃え尽きた灰」のようになります。


「燃え尽き症候群」という言葉をご存知ですか。

 これまで関心を示していたことに全力を注ぎ込んでいたとします。

 その結果なにも得られず徒労感や欲求不満を催して、意欲をなくし社会的に機能しなくなる症状です。

 受験社会である日本では大学受験に向けて高校時代に猛勉強し、大学受験ですべてを出しきった結果燃え尽きてしまう人が多くいます。

 仮に大学に受かっていたとしても「自堕落に遊び耽る」以外の選択肢がなくなってしまうのも広義での「燃え尽き症候群」です。

 そんな方は人生に一本の小説を書くのが精いっぱいでしょう。

 一作書いたらもう満足して別のことを始めるべきです。

 別のことをしているとたまに小ネタつまり「知識」がちょこちょこと溜まっていきます。

 そしてある程度溜まったら、改めてまた小説を書けばいいのです。


「好奇心」がない人は継続して小説を書くことに向いていません。

 少しずつでもいいので、なにかに「好奇心」を持ってみましょう。

 そこからなにかが見えてくる可能性もあります。




好奇心が弱いと

 もしあなたの「好奇心が弱い」とどうなるでしょうか。

 とりあえずあなたの「知識」の範囲内で小説を書くのですが、こちらも早晩ネタが尽きます。

 しかし「好奇心」がないわけではないので、とりあえずわからないところをインターネットで探したり書籍を読んだりしてネタを拾っては書いていくようなスタイルになるのです。

 なんとか細々と連載を続けていくことができます。


 しかしそんな状態で書いた小説には躍動感がありません。

 子供用で底の浅いプールで大人がバタフライを泳ぐようなものです。いつ体が底に付くかわからず気が気でなくなります。

 そうであればもう少し「好奇心を強く」したほうがよいでしょう。

 そうすればプールの底が深くなり、安心してバタフライの練習ができます。

「好奇心を強く」するには、強制的になにかを始めてみて、関連書籍を買い集めて情報を収集しましょう。

 たとえば最近小学校からコンピュータの「プログラミング」を学ぶことが決まりました。

「大人の私たちには関係ないから」といってスルーすることもできますが、それでは「好奇心が弱い」ままです。

 積極的に「プログラミングの勉強をしよう」と決意して、小学校の新教科書や関連書籍などを集めて、どんなプログラミング言語を用いるのか、どんな分野のプログラムを作るのか。そういった「生きた情報」を集めるのです。

 そうやって「プログラミング」を憶えたら「知識」になってあなたの小説で誤りなく用いることができるようになります。つまりネタになるということです。

 このように積極的に「物事を知ろう」と思ってください。




好奇心が強いと

「好奇心が強い」つまり「好奇心が旺盛」な方であれば、つねに世の中にアンテナを立てて、知らないことが出てきたら都度調べすにはいられなくなります。

 その結果正しい情報が「知識」としてどんどん蓄えられていくのです。

 十メートルの高飛び込みができるほどプールの底がとても深くなります。

 この状態で小説を書くわけですから、ネタに尽きることがありません。

 ネタが尽きそうに見えても、いつでもネタを仕入れていますから、ほぼ無尽蔵にネタは生まれます。

「好奇心が旺盛」な方は源泉かけ流しの温泉のようなものです。浴槽からいくらお湯を汲んでもすぐに補充されていきます。


 長期連載ができる書き手というのはすべからく「好奇心が旺盛」です。

 現実社会のネタを「異世界ファンタジー」へ持ち込むことができるのも「好奇心が旺盛」な書き手の特徴になります。


「小説を書く」のであれば「好奇心を強く」し「好奇心が旺盛」なレベルにまで高めてください。

 ただし犯罪性のある「好奇心」は抑制しましょう。

 あらゆるものへ「好奇心」を持つのではなく、作品に活かすために「好奇心」を持ってネタを集めるのです。

「好奇心」を満たすためだという理由をつけて犯罪行為に手を染めないでください。




他人と仲良くなれるチャンスを作る

 あなたは自分の「好奇心」が赴くままに、しきりに他人へアピールしていませんか。

 それでは他人と仲良くなることはないでしょう。

 正しい「好奇心」とは「他人がどんなことに関心を持っているのか」について関心を示し、相手の「知識」を引き出して自分の「知識」にしていくことです。

 このような形で他人から「知識」を分けてもらうと、価値観が一致していきますので、その人と仲良くなるチャンスが生じます。

 こちらは相手の心の中に「好奇心」を持ちますが、当然話し相手もあなたの心の中に「好奇心」を持っているのです。

 だから、できるだけ相手の「知識」を引き出すことがたいせつで、引き出したからにはその「知識」を必ず身につけましょう。

 同じことを何度も繰り返し聞いてしまうと、相手は「私の言うことをちゃんと聞いていないのか」と判断して途端に冷めてしまいます。

 相手がなにげなく発した言葉に「好奇心」を持ち、話題にしていくことで仲良くなる機会が巡ってくるのです。





最後に

 今回は「たくさんの好奇心を持つ」ことについて述べてみました。

 小説を書くには「好奇心が強い」「好奇心が旺盛」なほどたくさんの「好奇心」が必要です。 

 「好奇心」がなければ小説を書き始めてもすぐにネタが尽きます。

 そうなるとその原稿をほっぽり出して別のことを始めてしまうのです。

 それで小説が書きあがったり連載を落とさないというのならそれでもいいでしょう。

 ですがほとんどの方は小説を書きあげられず、連載を落とします。

 それでどうやって小説を書いて人々に読んでもらえるのでしょうか。

 今一度原点に帰るべきです。



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