240.意欲篇:なにをすべきかを意識する

 今日は「理由を考えず、なにをすべきかを意識する」ことについて述べました。

 皆様はやるべきことをやれていますか。





なにをすべきかを意識する


 あなたが小説を書くのはなにがしかの目標があるからでしょう。

「紙の書籍化」したい、小説投稿サイトに投稿して皆に楽しんでもらいたい、日記の代わりに書きたい、日頃のストレスを文章にぶつけたい、などさまざまなことが考えられます。




理由を考えない

 人が行動するには「なぜこんなことをしなければならないのか」つまり「理由」を考えてしまいがちです。「大義名分」とも言えますね。

 しかし「理由」について考え始めてしまうと、実行に移そうとする意欲が鈍ってしまうのです。

 小説に限らず「文章を書く」のは脳を酷使しますから、たいていの人は「できればやりたくない」と思います。

 にもかかわらず「文章を書かなければならない」状態に追い込まれると「なぜこんなことをしなければならないのか」と「理由」を探し始めるのです。

 それですんなりと自分を納得させられればそれでいいのですが、おおかた「理由」が見つからずに腰を上げようとはしません。

 つまり「文章を書かなければならない」状態なのに理屈をこねて、いつまでも「できればやりたくない」という状況に陥ってしまうのです。


 だから「文章を書く」必要に迫られたら「なぜ書かなければならないのか」と「理由」を探さないでください。




なにをすべきか

 では「文章を書く」必要に迫られたら、どうすればよいのでしょうか。

「文章を書くためにはなにをすべきか」を意識します。

 小説に限って言えば「小説を書くためには」となり「テーマを決め・企画書を立て・あらすじを創って・箱書きを書き・じゅうぶんなプロットを練る」こと、「執筆時間を確保する」こと、「佳境クライマックスから結末エンディングまでを先に書いてしまい」ましょう。


「テーマ」はコラムNo.43・145で述べています。要は読み手にどんな影響を与えたいのか。家族愛のたいせつさを伝えたいのか感動させたいのか推理してもらいたいのか、ワクワクさせたいのかハラハラ・ドキドキさせたいのか。それを決めることです。


「企画書」はコラムNo.144・No.180で述べています。要は「誰がなにをする話」か、「主人公がどうなりたい」から「主人公がどうなった」までを決めることです。


「あらすじ」はコラムNo.17・23・40・130・187〜189・194などで書き方や重要性を述べています。要はどれだけの「エピソード」を読み手に読ませたいのかを決めることです。


「箱書き」はコラムNo.46・73・182で述べています。要はエピソードを何場面シーンに分けて読ませていくのか、それはいつ・どこで・誰々が・何をするシーンなのかを決めることです。


「プロット」はNo.コラム18・70・73・130で述べています。要は「箱書き」で作ったシーンの情報を粗い書き方でかまわないので、一本のストーリーに仕立てることです。


「佳境から結末へ」はコラムNo.11・14・175で述べています。要は「読み手にとくに読ませたい展開を先に書いてしまおう」ということです。


「小説を書くためには」にはこれだけのことをする必要があります。

「なぜ書かなければならないのか」と「理由」を考える余裕なんてありません。

「理由」を考える時間があるのなら、「企画書・あらすじ・箱書き・プロット」をできるだけ完璧なものにしてください。

 これらが完璧であれば、筆はスラスラと進みます。書き悩むことなんていっさいありません。

 それでもまだあなたは「なぜ書かなければならないのか」と「理由」を探しますか?




それでも書けないというのなら

 それでも「書けない」方もいらっしゃると思います。

 そのときは他人の小説やマンガを読んだりアニメやドラマや映画を観たりしてください。その感想を「ネタ帳」に書いていきます。


「ネタ帳」はコラムNo.68で書いたように「ニュース」と「イメージ」の二冊作りましょう。そして今回の感想はすべて「イメージ」の「ネタ帳」に書くのです。


 そうやってネタを溜めておけば、いつか「そろそろ小説を書いてみようか」と重い腰が上がったときに「どんな物語にしようか」という「企画書」に詰まることがなくなります。

 書こうと思っていてこれまで「書けなかった」方も、これならきっと書き始めることができるはずです。




いっそ書こうとは思わない

 これだけやっても「書けない」方はいっそもう「書こう」とは思わないでください。

「読み専」に徹してひたすら小説を読むだけにしましょう。

「小説投稿サイトにアカウントを持った」からといって必ず小説を書いて投稿しなければならないという規約はありません。

『小説家になろう』なら、ランキングに載っている人気作を読みたいだけ読むことができます。

 また新着の作品を片っ端から読むこともできるので、そうして目を通した作品に評価やブックマークをしていきましょう。そうすればポイントが付いて書き手が喜びますし、やる気も生まれてくるのです。

 結果として評価された書き手が奮起して、よりよい小説を書こうと努力します。次にあなたがその書き手の作品を読んだときに、よりよい作品が読めるのです。まさに好循環ですよね。


 そうやって小説投稿サイトで小説に親しんでいけば、そのうち「書いてみようかな」なんてこともまた思い浮かぶようになります。

 書くか書かないかはそのときに改めて決めればよいでしょう。




 

最後に

 今回は「なにをすべきかを意識する」ことについて述べました。

 あなたが「小説を書きたいんだけど」という気持ちがあるのに「安定した現状を変えたくはないな」と思っているとします。

 あなたの親友が「小説を書きたいんだけど」という気持ちを抱えていることを知ったらどうするでしょうか。

 おそらく親友に「後悔しないために、小説を書いてみなよ」と伝えますよね。

 自分のことは安定志向なんだけど、他人のことは後悔しない生き方を勧めるのです。


 ではあなたが「あなたの親友」だったとして。

 今のあなたに対して「安定した現状は変えないほうがいいよ」と言いますか。「後悔しないために、小説を書いてみなよ」と言いますか。

 他人の目線から自分はどう見えるのでしょうか。

 そこを勘案してください。



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