238.意欲篇:メリットを考えよう
本日二本目の投稿です。(『ピクシブ文芸』掲載時)。
「見返り」を求めて書くことをオススメしませんが、「メリット」ならあってもいいかなと思います。
英単語にしただけです。でもちょっとだけニュアンスが異なります。
メリットを考えよう
あなたはただ漠然と「小説を書かなければ」と必死になっていませんか。
そんなあなたは「小説を書く」ことでどんな「メリット」を享受しているのでしょう。
小説を書くメリットは
あなたは「小説を書く」ことで最終的にどうなりたいのでしょうか。
小説投稿サイトに「小説を書く」ことでどんな「メリット」を享受していますか。
改めて問われるとすぐに思いつかないと思います。
「他人から自分という存在を認められたいから」だと自己承認欲求ですよね。(毎度のことですが。心理学用語では単に「承認欲求」と言いますが、字面でのわかりやすさを重視してあえて「自己」を付けています)。
コラムNo.220「描写篇:書くことを好きになる」で述べたように、自己承認欲求を満たすために小説を書くのはあまり勧められません。困難が多いからです。
コラムNo.220では「見返り」を求めないことも書きました。最初から「見返り」を求めても、実がなるのはずいぶん先の話です。桃栗三年柿八年と言います。
最初から自己承認欲求を満たすために小説を書くのは意味がないのです。
「他人から高い評価や多くのブックマークを得られて楽しいから」もやはり「評価されたい」という自己承認欲求に近いものがあります。でも中期的な目標にはなるでしょう。
投稿を始めた当初から評価やブックマークが得られるなどとは思わないでください。
小説投稿サイトに投稿を始めた当初は「閲覧数(PV)を増やしたい」くらいがちょうどよい「見返り」でしょう。
「小説をたくさん書いていたら文章力が向上して、提案書がすんなり通るようになった」となれば、それは「メリット」を享受しています。
せっかく時間をかけて書いた小説が誰にも読まれなかった、というのがいちばん残念な末路です。
たとえ評価されなくても「誰かが読んでくれた」ことを心から喜べる。
そうであれば小説を書いた意義があります。
評価やブックマークは内容に対する「結果」でしかありません。
その内容をより多くの人から判断してもらうためにも、最初に閲覧数(PV)を稼がなければ始まらないのです。
どうすれば閲覧数を増やせるか
小説投稿サイトに投稿したのなら、まずは閲覧数(PV)を稼がなければなりません。
そのために必要な事項は、コラムNo.200「再考篇:タイトルの付け方」、コラムNo.203「再考篇:誰も反応してくれない」、コラムNo.201「再考篇:キャッチコピーとあらすじ」に書いてあります。
つまり興味を惹く「タイトル」と、検索結果で上位に載るための「キーワード」「タグ」、検索結果で興味を掻き立てられる「キャッチコピーとあらすじ」を付けることです。
これを押さえてさえいれば、閲覧数が少ないという状況は脱せられます。
それでも閲覧数が伸びないのであれば、とにかく「タイトル」「キーワード」「タグ」「キャッチコピーとあらすじ」をいくらでも書き換えてください。
とにかく閲覧数を稼ぐためにはどこをどうすべきなのか。これを手探りで調査します。
調査もせずに「この小説では読み手はつかないのか」と判断するのは早計です。
手を替え品を替え、閲覧数が稼げるのはどんな「タイトル」「キーワード」「タグ」「キャッチコピーとあらすじ」なのかを探りましょう。
この中でとくに重要なのが「キーワード」「タグ」です。
読み手はジャンル検索をした後で「キーワード」「タグ」を使ってさらに絞り込んで読みたい小説を探しています。
つまり「キーワード」「タグ」を使えるだけ使い切って、より多くの要素があると見せて読み手の検索に引っかかるようにするのです。引っかからない「キーワード」「タグ」をつけても誰にも気づかれません。
あなたの書いた小説と同じジャンルの作品で、似たような作品がランキングに載っているのであれば、そこにつけられている「キーワード」「タグ」を拝借しましょう。
「キーワード」「タグ」に著作権はありません。
たくさんの読み手がいる小説についている「キーワード」「タグ」を使える作品なのであれば、積極的に取り入れるべきです。
改めてメリットを考える
当面の目安だった「閲覧数(PV)を稼ぐ」ことに成功したとします。
ここからは本文の内容によって評価やブックマークがついてくるのです。
パイが小さければ評価やブックマークが低くても当たり前。
でも「閲覧数(PV)を稼ぐ」ことでパイは大きくなりました。
そこから評価とブックマークが「メリット」として浮かんできます。
『小説家になろう』では評価とブックマークによってポイントが計算されるのです。
それによって「自分の書いた小説の客観的な評価」を数値化して見せてくれます。
これが大きな「メリット」なのです。
自分の書いた小説がどのように評価されたのだろうか。
どれだけの人に「続きが読みたい」と思わせることができたのだろうか。
そこに「メリット」を見出だすべきです。
あなたは「小説を書く」ことで最終的にどうなりたいのでしょうか。
書き続ける意欲も基本的には「最終的にどうなりたい」のかから生まれます。
「ネット小説賞に応募して賞金を手に入れたい」のかもしれません。
「あわよくば紙の書籍化して書店に並ぶといいな」なのかもしれません。
「さらにアニメ化もして人気作家の仲間入りをしたい」のかもしれません。
さらに欲張って「日本一の小説家になりたい」のかもしれません。
地味に「小説投稿サイトで評価を50点集めたい」でも「ブックマークを10人集めたい」でもいいでしょう。
なんにしても「小説を書い」て小説投稿サイトに投稿するのは、なにがしかの「メリット」を求めてのことだと思います。
己の実力を磨くための目標を指し示してくれる「メリット」です。
私がいくら「初めのうちから見返りを求めてはいけない」と語っても、やはりなにがしかの「見返り」を求めてしまうからこそ、小説投稿サイトに作品を投稿するのでしょう。
そういう方を否定しません。
ただ「見返り」を求めるのならば、それに見合うだけの内容が欲しいのです。
「見返り」ではなく「メリット」を見つけていきましょう。
最終目標はできるだけ高いほうがいい
「メリット」によってどんなお得なことが待ち受けているのでしょうか。
心の充足につながる。懐が温かくなる。名前が売れる。などさまざまな「メリット」が考えられます。
書店に本が並ぶ。アニメになる。などは「見返り」の分野ですが、「メリット」の延長線上にあります。
あなたが想定していた「メリット」をじゅうぶんに享受しているのでしょうか。
もし足りていないのであれば、どのようにすれば「メリット」をじゅうぶんに享受できるのでしょうか。
それを考えておくことで、どのような意気込みで小説を書けばいいのかが決まります。
書き始めたときは「閲覧数(PV)を増やしたい」でかまいません。
そこから「評価やブックマークを増やしたい」になり、いずれは「ランキングに載りたい」というところまで行くはずです。
そしてランキングで目立っていれば出版社から「紙の書籍化」を提案してくるかもしれません。でもそこをゴールにしないでください。
どうせ「紙の書籍化」するのであれば、連載をして長く続くシリーズにすべきです。
書籍の売上次第ではアニメ化・マンガ化・ドラマ化・映画化・ソーシャルゲーム化などのメディアミックス戦略に乗せることも想定されます。
そのレベルまでゴールを高く設定してあれば、「閲覧数を増やす」という壁くらいで怯むこともないでしょう。
「評価やブックマークを増やす」ことだって、メディアミックス戦略の前では通過点にすぎません。
そのくらいの大きな視野を持って、今からでもできることをコツコツと続けていくのです。
目の前の壁を手探りで登りながら、少しずつ成長していくことを目指しましょう。
書き手として少しずつ成長していくのが、小説を書く最大のメリットです。
最後に
今回は「メリットを考えよう」ということを述べました。
処女作からビッグヒットさせて「紙の書籍化」を目指そうとしないでください。
最終的に「紙の書籍化」を目指すのであれば、まず取りかからなければならないのは「閲覧数(PV)を増やす」こと。小説は読まれてナンボ。
そこをクリアしたら表現力をつけて「評価とブックマークを増やす」ことを目指すのです。
この二つを通過することによって「ランキングに載る」こともできますし、それによって最終的に「小説賞・新人賞」「紙の書籍化」が見えてきます。
だから最初に目指すべきメリットは「閲覧数(PV)を増やす」ことで、興味を惹ける「タイトル」「キャッチコピーとあらすじ」が作れる能力が身につくことなのです。
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