221.描写篇:十人のつまらないより一人の面白い
今回は「たった一人の面白い」がたいせつだということを述べました。
十人のつまらないより一人の面白い
小説投稿サイトに投稿していると、評価されたりブックマークされたりするものです。中にはコメントまで送ってくださる方もいます。
そんなコメントの中には当然「つまらなかった」という意見もあるはずです。
書き手としては「つまらなかった」と言われると「どこを変えればいいんだろう」と思いますよね。
たとえば十人が十人とも「つまらなかった」とコメントしてきたら「これはマズいぞ」と思ってしまうものです。
ですが十一人目が「面白い」とコメントしてきたらどうでしょうか。
「十対一だからつまらなかったんだな」と感じますよね。
でも気を落とさないでください。たった一人に「面白い」と言わせられれば書き手の勝ちなのですから。
なぜつまらないと言われるのか
「つまらなかった」が十人もいるのになぜたった一人に「面白い」と言わせれば勝ちなのか。
「つまらなかった」と思った人が求めるのは人気ジャンルのテンプレートに沿った作品だったからです。
たとえば『小説家になろう』では少し前まで「異世界転生(ハイファンタジー)」が隆盛を極めていました。今でもその名残りはありますが、徐々に分散する傾向にあります。
だから当時は書き手もこぞって「異世界転生」ものを書いていたのです。つまり「異世界転生」のフォロワーが増えました。
しかしどんな作風つまりテンプレートの「異世界転生」が人気なのかまでリサーチしていない書き手も少なからずいたことでしょう。
だから人気のある「異世界転生」ものを書いたのに十人から「つまらなかった」という感想が送られてくるのです。
世間ウケとズレていることに書き手自身が気づかない。そんな状況です。
でもそれは書き手の敗北にはなりません。
ある意味で敗北であってもある意味では勝利なのです。
コメントを送ってきた十人は「世間ウケ」している作風つまりテンプレートだけを是としていました。つまり
だから
小説の内容よりも
だから
面白いと言う人もいると
しかし一人の読み手が「面白かった」という感想を送ってくると状況が違ってきます。
少なくとも一部の読み手には響く作品だったわけです。
十人がトレンドを追いかけていたのに対して、一人はオリジナリティーを評価してくれたことになります。
だから一人でも「面白かった」と評価してくれたのなら、書き手は胸を張るべきです。
投稿を削除しようとか内容を修正しようとか考える必要なんてありません。
今は
『小説家になろう』なら今は「異世界転生ファンタジー」がまだ
しかしその流れもいつかは変わリます。そのときあなたの作風が
とくに「面白かった」というコメントが増えてくるほど、
いつの間にかあなたが時代の先端にいる可能性があるのです。
たいていは名のある書き手の作品が
ですが
せいぜい「キーワード」「タグ」を「新たな
競争相手が多いと埋もれやすい
今の
『小説家になろう』で同じような作品がランキングに並ぶのもそのためでしょう。そうなるとせっかく苦労して書いた作品がすぐに検索画面から外れてしまいます。
Web検索は検索結果の三ページ以内に載っていないとクリックされる確率がぐんと下がると言われています。これは小説投稿サイトでも同じでしょう。
皆が同じ「ジャンル」で同じ「タグ」「キーワード」を使っていると、それだけで検索結果の三ページからすぐに外れていきます。
なんとかして読み手にピンポイントで検索してもらいたいところですよね。
「ジャンル」を途中から変えるのは難しい。であれば「キーワード」「タグ」で差をつけなければなりません。
「ハイファンタジー」で「恋愛」「ハッピーエンド」の「キーワード」「タグ」が付いていれば「恋愛でハッピーエンドを迎えるハイファンタジー」というピンポイントにアクセスできます。
だから「キーワード」「タグ」は付けられる数をすべて使い切るようにしましょう。
「言わなくてもわかるだろう」はインターネットの検索では通じません。
明確に書いてあるからこそ検索に引っかかるのです。
二次創作がメインの『pixiv小説』において「男子に人気」は依然渡航氏『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』がトップを張っています。
だから『俺ガイル』の二次創作を書けばランキングに載れる、はずですが先ほど言ったように
これではまず読んでもらえません。そこでたとえばカップリングに注目して「雪ノ下陽乃」「八陽」といったタグを付ければ、比企谷八幡と雪ノ下陽乃のカップリング二次創作が読みたい人へ検索結果がダイレクトに届きます。このように二次創作では推しキャラで検索することが多いのが特徴です。
せっかく苦労して書いたあなたの小説をできるだけ多くの人に読んでもらいたい。
そうお思いなら「キーワード」「タグ」を余らせるなんていう売れっ子書き手のマネをすることはありません。
名前を知られていないからこそ「キーワード」「タグ」を使い切りましょう。もしかするとたった一つの「キーワード」「タグ」によって検索結果の三ページ以内に残れる可能性が生まれくるのです。
検索結果の三ページ以内に残れたら、後は「タイトル」と「あらすじ」「キャプション」で読み手の興味を惹きつけましょう。ここでしっかりとアピールできなければ三ページ以内にとどまったとしても読んでくれる人が少なくなります。
多くの人に面白いと言ってもらうには
「面白かった」と言ってもらうには既存
かといって独自の作風で書かれた小説をわざわざ読みに来てくれる人も少ないのです。
どうすればいいのでしょうか。
「掛け算」してください。
つまり
既存のテンプレートに則っているので多くの読み手に読まれます。でも独自の作風で書いていますので他の書き手よりも格段に目立って関心を惹けるのです。
たとえば「異世界転移」もののテンプレートに従いつつ、異世界の住人が現実世界にやってくるという作風に仕立てます。
これで成功したのがアニメの広江礼威氏&あおきれい氏『Re:CREATORS』です。
空想上のキャラが現実世界にやってくるという「異世界転移」の逆を突きました。
これには「異世界転移」好きな人も興味深かったのではないでしょうか。
最後に
今回は「十人のつまらないより一人の面白い」について述べてみました。
たった一人の人からでも肯定的なコメントが得られれば、その小説にはなにがしかの魅力があるということです。
その他大勢は
だから十人が「つまらなかった」と言っても一人に「面白かった」と言ってもらえる作品を書くべきなのです。
そこにあなたの作風があります。
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