137.応用篇:目標は高く持つ
小説を書くときのモチベーションを高めるために「目標を高く掲げる」ことを推奨しています。
だからといって必ず達成できるわけではありません。
ただ目標の高いほうが執筆時の気配りがうまくできるからです。
目標は高く持つ
「小説投稿サイトで評価が高くなるといいな」くらいの気持ちで小説を書く人は多いです。
しかしそれだけで書き手は満足するのでしょうか。しませんよね。
せっかく時間をかけて書いたからには、閲覧数を増やしたいし、高評価を得たいし、ランキングに載りたいはずです。
あわよくば「紙の書籍化」して印税が入ってきたり、アニメ化・マンガ化・ドラマ化までしてくれたりしたら言うことなし。
これが書き手の本音ではないでしょうか。
目標は高く掲げる
自分の書いた小説がどのレベルまで達したら満足しますか。
それが「目標」です。
当初の「目標」は小説投稿サイトで閲覧数を増やしたい、できれば高評価を得たいというところではないでしょうか。
たくさんの人が読んでくれて、その人たちが高評価をしてくれたらそれだけで嬉しい。多くの書き手はそのくらいの気構えで小説を書くのです。
ですがそれだと「目標」が足を引っ張ります。「目標」が低いために、執筆と推敲を妥協してしまうからです。
とりあえず読んでくれる人を増やしたい。
読んでくれたら高評価をしてくれる。
そのためだけの執筆と推敲になってしまうのです。
だから小説投稿サイトに投稿するなら「ランキングに載せる」つもりで取り組んでください。
高い「目標」だからこそ、執筆と推敲を高レベルにする必要があります。
それが必然です。
「今のままではランキングに載れない」と認識しているのなら「どうすればランキングに載れるのか」を考える機会になります。
あなたが今読んでいる拙著「小説の書き方」コラムを参考にしていただいてかまいません。
「テーマ」を設定して「あらすじ」を作り、「プロット」を作るために「箱書き」を書く。
これで「テーマ」がしっかりした話の筋は作れます。
それを元にして「説明」「描写」「会話」「心の声」を的確に用いることで作品の質を高めるのです。
執筆が終わったら徹底的な推敲を行なってください。
推敲をするには作品を寝かせて記憶を薄れさせる時間が必要になります。
そのため、五回ぶんか一週間ぶんくらい前もって執筆してストックしておくとよいでしょう。
ストックがあれば推敲対象の投稿ぶんを冷静に見つめることができるようになります。
「ストック推敲」は連載小説で必須の心構えだと言えるでしょう。
プロットも作らず、ストックもせずに行き当たりばったりの連載を続けている間はランキングには載らないと思います。
それでランキングに載った人は文才がありますから、もっと真剣に小説を書いてみましょう。
今よりも高い満足が得られるかもしれませんよ。
ランキングを上りつめるには
多くの書き手がランキングを意識しつつも「目標」にしていなかったと思います。
ですがそれでは筆力が向上することはありません。
小説を書いて小説投稿サイトに上げる以上、ランキングを狙ってみませんか。
最大手の『小説家になろう』では長期連載陣がランキングを席巻しているため、これから執筆をしてもランキングに載るのはまず不可能だと思います。
ですが短編小説を何本も投稿してフォロワーさんが集まってから連載小説を始めれば、短編小説のフォロワーさんが連載小説を読んでくれるようになるでしょう。短編専門で読む方も多いのです。
また人気のないジャンルを狙い撃ちして投稿する手もあります。
競争相手が少ないため、ファンタジー小説よりはランキングに入りやすいはずです。
『小説家になろう』では現状この攻略方法しかありません。
それが『小説家になろう』の難しさであり、だからこそ高ランクに入れば「紙の書籍化」されることが多い理由でもあります。
『エブリスタ』『アルファポリス』は女子向け恋愛小説が最も受けてランキングの上位を占めています。
その他のジャンルでのランキング入りはかなり厳しいです。
『カクヨム』は「現代ファンタジー」と「異世界ファンタジー」の二ジャンルがとくに強いです。『小説家になろう』で人気のある「異世界転生ファンタジー」「異世界転移ファンタジー」「異世界ファンタジー」「現代ファンタジー」がそのまま上位に入ってきています。
これは運営に参画している出版社KADOKAWAが有するレーベルを見てもわかるのではないでしょうか。
だから「現代ファンタジー」と「異世界ファンタジー」(異世界転生・異世界転移を含む)を書いたら『小説家になろう』と『カクヨム』への二重投稿をしておくべきです。もちろん他のジャンルでも二重投稿しておくと『小説家になろう』と『カクヨム』の読み手層の細かな違いが見えてくると思います。
紙の書籍化を目指す
オリジナル小説(一次創作)がランキングに載るようになったら、次は「紙の書籍化」を目指しましょう。
「紙の書籍化」をするには、ランキング上位でかつ評価が高くブックマークが多い作品である必要があります。
高評価を得るには「着想力」「構想力」「描写力」を高め、ひいては作品の完成度を高める必要があるのです。
そして「キャラが立っている」ことが求められます。
キャラの弱い小説は「紙の書籍化」しても評価を得にくいのです。
だから出版社も
また「紙の書籍化」を見越した書き方をしているのかも問題になってくるのです。
小説投稿サイトでは一文改行や頻繁に空行を挟む、文頭一字下げをしないなど、基本的な「紙の書籍」ルールに従っていない小説が本当に数多くあります。
小説投稿サイトでしか小説を読まない人たちにとってはそれが小説のスタンダードだと思いがちなのです。
しかし「紙の書籍」をよく読む人はその違いに違和感を覚えます。
出版社としても、小説投稿サイトからそのまま文章を持ってきて、すぐに印刷できるほうがいいのです。
小説投稿サイト特有のルールで書かれてある小説は書き手に「紙の書籍」ルールへの改稿を求めてきます。
この壁が意外と高いのです。
できれば「紙の書籍」ルールに従って投稿するほうが出版社のウケがよくなります。
アニメ化・マンガ化・ドラマ化を目指す
ここまで踏まえてくれば「紙の書籍化」までは可能かもしれません。
その先アニメ化やマンガ化やドラマ化を目指すにはどうすればよいのでしょうか。
過去のアニメ化作品を検証してみた結果、前回説明した「面白い小説」「楽しい小説」が選ばれやすいと思います。
「重厚な小説」がアニメ化するケースもありますが、「面白い小説」「楽しい小説」と比べて数が少ないのです。
「紙の書籍」からアニメ化された作品の中で、あなたが好きな小説はどうでしょうか。
おそらく「重厚な小説」はアニメ化が少ないことに気づくはずです。
やはり「面白い小説」「楽しい小説」には敵いません。
アニメに強いメッセージ性を持たせた「重厚な小説」は文学に任せておけばいいのです。
そういった作品は舞台がファンタジーであっても、ジャンル分けは文学にも設定しておくべきです。
ファンタジーに求められるのは「面白い小説」「楽しい小説」ですから、ファンタジーにカテゴライズしたいなら「面白い小説」「楽しい小説」を書きましょう。
最後に
今回は「目標は高く持つ」ことについて述べました。
小説投稿サイトで目標もなく小説を投稿したところで、書き手の自己満足や独りよがりで終わってしまいます。
せっかく時間と手間をかけて小説を書くのです。
できれば多くの人に読んでもらい、高い評価を得たいし、ブックマークも増やしたい。
そうすればランキングに載るようになって話題になりますし、オリジナル小説(一次創作)なら「紙の書籍化」の話がくるかもしれません。
「目標を高く持つ」ことであなたの書き手人生は大きく変わってくる可能性があるのです。
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