135.応用篇:嫌いだと思うことに学べるものがある
今回は私の過去の一部を振り返って「嫌いだと思うことから学べるものが確かにあるんだ」ということをお伝えしようと思いました。
要はたまの箸休めです。
おそらく本コラム始まって初めて「エッセイ」を書いたと思います。
嫌いだと思うことに学べるものがある
人間なにごとにも好き嫌いがあります。
そして人は自分の好きなことを進んでするものです。嫌いなことには近寄りもしません。
だから人間には長所と欠点が存在するのです。
好きなことをやり続けるからそれが長所になり、嫌いなことを避け続けるからそれが欠点になります。
嫌いなことから世界は広がる
好きなことは放っておいても取り組みます。
では嫌いなことはそのまま放っておいてよいのでしょうか。
私の経験からすれば「嫌いだと思うことをへこたれずに行ない続ければ世界が大きく開けてくる」ものです。
これまでは嫌いなことには近寄らなかった。
しかしどんなに嫌でも取り組んでみてください。
知らなかったことにまで興味が及び、たとえ大成しなくてもその努力や踏ん張りは強固な意志となってあなたの武器になります。
私の昔話
私はパソコン黎明期世代の人間です。当時ゲームは絵も音楽も物語もゲームシステムもプログラミングもすべて一人でするのが当たり前でした。パソコンマニアだった私も当然それらに挑戦しました。
まずプログラミングです。これは子供の頃からBASICというプログラム言語を独学していましたのでお手の物でした。のちにC言語やアセンブラも習得しています。またプログラムを頭の中で走らせてデバッグできるくらいのスキルがありました。
次に音楽です。最初は何がなんだかわからなかったのですが『楽典』を買ってひたすら読み込むことで自力で音楽理論を憶えました。当然学校の音楽の成績も最高評価がとれたのです。
その次は物語を作る勉強をしようと思い立ちました。書店で「文章読本」の類いを買い込んでは読みまくったのです。おかげで文章力は独学なのでかなり怪しいものでしたが漢字には強くなっていき、学校の国語の成績もずいぶんとよくなりました。
となれば次は絵ですよね。当時のCGは方眼紙に絵を描いて座標を拾ってBASICにてLINE文で線を引き、PAINT文で色を流し込むというものでした。今のCGとはあまりにもかけ離れていますよね。
少し時代が進むとラップにマジックで絵を描いて、CRTディスプレイに貼り付けてマウスで線をトレースするという面倒くさいことをしていたのです。
この頃にはイメージスキャナが市販されていましたが高嶺の花でした。なので「ラップにマジック」戦法で描くしかありません。さすがにこれには難渋して学校の美術の点は五段評価で四がいいところでした。
私は絵が苦手だったんですね。
でもゲームを作るためには絵が描けないことには話になりません。
「苦手だ」などと愚痴をこぼしていたら肝心の「ゲームを作る」という目標は達成できません。
どんなに嫌でも何度でも絵を描きました。
そうしてある程度苦手を克服することに成功したのです。
そして絵と音楽と文章における共通点や長所と欠点もそれぞれ見えてきました。
そしてなによりゲームという総合芸術に踏み出せるようになったことが大きかったのです。
嫌いだと思うことから学べることは多い
このように「嫌いだと思うことから学べることは多い」のです。
「小説を書くのが好きだから、私は小説を書くんだ」という動機でもかまいません。
でも小説だけを書くよりも音楽とか絵とか演劇とかいった他の芸術を学ぶことでさらに小説が深化していきます。
小説を書くのに絵も音楽も要らない。そうお思いでしたらかなり損をしています。
他の芸術に触れることで、自身の中にある芸術性も進化してくるものです。相互作用によってお互いを高められます。
たとえば片岡鶴太郎氏やジミー大西氏のように芸人をしながら書や絵画の才能が花開く人もいます。
お笑い芸人ピースの又吉直樹氏も漫才の傍ら小説を執筆していますよね。
ひとつを極めようとする姿勢は愚直でそれはそれで人の生きる道です。
でもレオナルド・ダ・ヴィンチ氏のようになんでもこなせる芸術家はそれだけで賞賛されます。
しかも彼はそれぞれの分野で当時の最高峰を極めていたのです。
人物画を極めるために遺体解剖に何度も立ち会ってスケッチしたという逸話も残っています。
私の最終目標がレオナルド・ダ・ヴィンチ氏のような多能な人物であるため、絵も音楽も文章もそれぞれ伸ばしていく必要を感じているのです。
そして学んだことを皆様に還元していきたい。
だから絵では「デッサン室」というタグを自作してまとめておき、現在文章面の「小説の書き方コラム」を始めているのです。
皆様に還元していくためにも、これまで費やしてきた数々の努力はムダではなかったと思っています。
皆様にもそのくらいの覚悟を持っていただきたい。
小説を書いて文壇デビューしたいと思っていたとしても、それだけにとどまらないこと。
音楽でも絵でも演劇でもはたまたスポーツでもかまいません。
他のジャンルにも小説のネタになることは数多くあります。
とにかく小説以外の表現方法に数多く触れていただきたいのです。
アニメが好きならとことんアニメを観まくりましょう。
でもたまにはドキュメンタリーなどを観て知識を深くしていくことも忘れないでくださいね。
「どこか笑える」小説を書こうと思ったら『笑点』『LIFE』などのお笑い番組を観てもいいですし、寄席に行ってもいいです。
とにかく数多く触れることで、あなたの表現力は格段に上昇するでしょう。
最後に
今回は「嫌いだと思うことに学べるものがある」ということについて述べてみました。
嫌いだ苦手だとして遠ざけていたことには、意外な気づきが含まれていることが多いのです。
だから嫌いなこと苦手なことにも積極的にチャレンジしてみてください。
わからなかったことがわかるようになる、知らなかったことを知る。
そこに小説のネタになるものが転がっていることも多いのです。
だから先入観を持たずに、勇気を振り絞って第一歩を踏み出して挑戦してみましょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます