134.応用篇:評価の低い小説こそ至宝
小説投稿サイトに作品をアップしたのに評価がいっこうに高まらない。
いわゆる「失敗作」です。
それは将来に繋がる道しるべにもなっています。
評価の低い小説こそ至宝
小説投稿サイトに投稿したのだけど、いっこうに評価もブックマークも上がらない。
そんな小説がたくさんあると思います。
失敗した小説がまったくない人には縁のない話かもしれませんので、そういう方はここで読み終わってもかまいません。
失敗した原因とは
まずあなたの小説は何が原因で失敗したのでしょうか。この分析から始めます。
書き手から見ると失敗した原因はすぐにはわからないかもしれません。
読み手が圧倒的に多い最大手の小説投稿サイト『小説家になろう』は批判的なコメントを容赦なく投稿してくれます。
オリジナル小説(一次創作)であれば、どこかの小説投稿サイトで失敗したら、規約やガイドラインを調べて可能であればすぐに『小説家になろう』へ二重投稿してみてください。
きっと「ここが悪かった」という指摘をたくさんいただけますよ。
失敗した原因を精査する
批判的なコメントをもらったら、普通の書き手ならかるくキレます。
キレて当たり前なので素直にキレてください。
小説を書いているときや物語にのめり込んでいるときは「批判された部分を冷静に読み返すことができなくなる」ものです。
だから批判的なコメントを読むと憤慨してキレます。
ごく自然な流れです。なので素直にキレたほうが精神的にいいでしょう。
キレた後に気持ちを落ち着かせて、では実際どこの部分で失敗して批判されたのかを精査します。
このあたりも『小説家になろう』ではどこが悪かったのか詳しい批判が飛んできます。
その部分を読み返すだけでなく、前後の流れも含めて読み返してみてください。
すると「確かにここは言われたとおりだな」と納得できるのなら素直に納得して受け入れましょう。
どうにも納得しかねる批判であれば、取るべき方法は二つです。
「批判を真摯に受け止めて次回からとりあえず指示されたとおりに書いてみる」か「自分の感じ方・感性を信じて批判など無視して次回を書いてみる」か。
批判を無視して書いたら、たいてい次回も批判が来るか、批判はされないけど評価が下がることは間違いないでしょう。
誰も書き手の「戯言」(書き手にとっては「小説」でも)に付き合っていられませんから、閲覧数自体も激減していきます。
そうなってから立て直そうとしてももう遅いのです。
だから私としては「批判を真摯に受け止めて次回からとりあえず指示されたとおりに書いてみる」ほうをオススメします。
失敗を繰り返さない
失敗した原因がわかれば、その失敗を繰り返さないことです。
繰り返してしまうようでは向上心があるとはいえません。
新しい投稿ぶんは、つねに失敗した原因を意識して書きましょう。
失敗したことを繰り返すなんて猿でもしません。
キャラの描写がルーズだと指摘されたら、細かく
そうすれば批判の声は少なくなるでしょう。
さらに追及していけば賞賛の声が聞こえてくるかもしれません。
いっときマイナス評価は受けたけど、書き続けてプラス評価を得るためには、批判を聞いて失敗した原因を明らかにし、その失敗を繰り返さないことです。
批判の声と向き合うことのできる書き手だけが成長し、キレてふて腐れるだけなら成長などできません。
過去投稿ぶんは直さないこと
「批判を真摯に受け止めて次回からとりあえず指示されたとおりに書いてみる」とわざわざ書いたのは、過去投稿ぶんを書き改めさせないためです。
批判されたからその投稿ぶんを書き改めていったら、その投稿ぶんに付けられた批判のコメントが的を射ていないものになってしまいます。
つまり批判した人がバカにされたような状態です。
こんなことをされて批判してくれた人があなたの小説を読み続けてくれようと思うでしょうか。
あなたが批判する側になって考えてください。
まず読み続けようと思わなくなるでしょう。
過去の投稿ぶんで失敗したものは、失敗したまま置いておくべきです。
これは先ほど述べたように批判のコメントが的を射ている状態のままにしておくことになります。
そして書き手は「過去にこんな失敗をしてしまった」と反省する材料にできるのです。
反省材料にすることで、書き手は「次からはこんな失敗はするまい」と心に誓えます。
過去の投稿ぶんは「書き手の成長の証」でもあるのです。
最初は文章が拙くて批判が絶えなかったけど、徐々に批判の数も減ってきて、いつしか批判は止みます。
そこから少しずつ好評を得ていき、フォロワーさんが増えてくるのです。
その成長の歩みが小説投稿サイトに残ります。
書き手自身は「この状態からよくここまで上れたな」と感慨深いでしょうし、次世代の書き手が読んで「こうすれば好評を博するようになるのか」という手本を見られるのです。
最後に
今回は「評価の低い小説こそ至宝」ということで述べました。
「評価が低い」ことは書き手にとって創作意欲を削ぐものです。
だから消してしまいたい。そう思ってしまいますよね。
でも消したり手直ししたりせずに批判を受け入れて次回を書くときに改めればいいのです。
小説を書き始めた頃は獣道もない藪の中を歩くようなものです。
批判を受け入れて意識を改めます。
すると次回は獣道がある藪に変わっていくでしょう。そこで受けた批判を糧にさらに意識を改めるのです。
これを繰り返すことで藪は人が通れるようになり、馬が通れるようになり、馬車が通れるようになるのです。
最終的に街道になれば一人前の書き手となっています。
だからこそ「評価の低い小説こそ至宝」なのです。
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