第四章 モチーフを繋げて、縁取る(1)

 柘植南は、ずっと考えていた。

 自分の心残りは何だろう。

 どうして今でもここに留まっているのだろう。

 何が気にかかるのだろう。

 牟礼隼人にプレゼントしたくて編んでいたマフラー?

 山根夏子のホワイト・ピコ?

 妹の遥が自分と同じ進路を選んだこと?

 ぎくしゃくしたままの家族のこと?

 南の事故の加害者の娘が、遥の友人になったこと?

 それとも――。

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