第11話 ゴーストちゃんの出会い その2

 俺が中学に入学した頃、この学校には開かずの扉の噂が流れていた。夜な夜な、泣いている声や物音がするとか。


 その噂を確かめようと誰も近づかない扉の前に来ていた。


「ここが、開かずの扉か。入った事がバレたら怒られるかな? まぁいいけど」


 俺は扉をスライドして中を確認すると、一人の女子生徒が立っていた。

 年は俺と同じか一つ上ぐらいだろうか?


 彼女を見てから胸の鼓動が止まらない。一目惚れだ。何故だか、彼女の事が好きになってしまった。


 それにしても、なぜ開かずの扉にいるのだろうか。俺みたいに、噂の真相を確かめに来たのか? 疑問が湧いてきた。


「あの、なんで開かずの扉にいるんですか。もしかして、噂を確認しに来たとか?」


 声をかけたら彼女は、まじまじとこちらを見て来た。俺の鼓動は更に早くなる。


「あの……。私の姿が見えるんですか……」


「見えますけど?」


 その言葉を聞いた彼女は泣き出した。こらえつつもこらえきれない感じに。


「くうっ くっくっ ううっ うっうっ

 あっあっ・・・」


 その姿を見て、泣かしてはいけない。俺が守ってやりたいと思い、口を開く。


「俺は君が好きです。さっき会ったばっかだし名前も知らない、それでも君にそんな悲しそうな顔をして欲しくないから、俺と付き合ってくれませんか?」


 俺は今日生まれて初めて告白した。



 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ゴーストちゃんは追い出したい シノマ @Mokubosi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る