『あやかし』モノをきちんと文字で映像化させ、5000字で収めた桜色の物語。短編アニメーションのようにサクサクと進み呑み込みやすく、爽やかな一作でした。夜桜が初々しい桜花ちゃんを染めており、こちらのこころにも桜のかおりが吹き匂うようでした。また、ヘラヘラと適当そうな菫道さんのガラリと変わる『お仕事モード』!あらあらあら……これはこれは、と、ニヤニヤしますね。令和最初にふさわしい、春色のちょっと不思議な物語。
平成が終わり、令和が始まる夜。祖父から小さな神社を受け継いだ少女・桜花は、『時代わり』の儀式を行う。一人きりで準備を進める少女の前に現れたのは、つかみどころのない不思議な青年・菫道(きんどう)。果たして二人は無事に『時代わり』の儀式を行えるのか――?流麗な文章で紡がれる綺麗にまとまった短編です。特に菫道さんのキャラがいい感じです(*´▽`*)きっと、最後まで読まれた方は叫ぶことでしょう。続きは⁉ ええぇっ⁉ ないんですか⁉Σ( ゚Д゚)――と。