三枚目
私はただ、真実は暴かれるべきだという考えの元で動いたのです。それは、犯人を罰したいとか、正義のためであるとか、そういうことではありません。真実が隠されたままであることが、ただただ気持ち悪いのです。汚いものを見て汚いと思う、そういう単純な思考です。この世の汚れを、穢れを、少しでも綺麗にしたいのです。
潔癖症の一種であると、私は捉えています。この症状のせいで苦しい思いもたくさんしてきました。人はみんな、嘘をつくのが上手なのです。どうやらその嘘のおかげで、いくらか世界は円滑に回ってさえいるようです。
この話はやめます。もう何度も先生にしてきた話です。先生はいつも言ってくれました。君にとっての正解が、誰かにとっての間違いであるかもしれない。それでも君を貫くべきだと。それが、君が君として生まれてきた理由だと。
だから私は私を貫くことにしたのです。私は、真実を暴くことにしたのです。
それは怖いことでした。でも、この世を汚す一因としてのその犯罪行為から、目を逸らすことができなかったのです。
両親が止めるのも聞かず、私はまたアパートへ向かいました。そして一枚、犯人のどストライクパンツをベランダに吊るし、暗くした部屋のカーテンの隙間から、一晩中パンツの行方を見守ることにしたのです。
そして、犯人はやって来ました。
四枚目に続きます→
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