二枚目



 なにやらベランダに靴の跡があったというのです。

 翌日、私はその足跡を確認しに姉のアパートに一人で向かいました。確かにそこには足跡がありました。確実に誰かがベランダ内に侵入し、パンツを盗んだのです。


 私は試してみたいと思い、ベランダの角ハンガーにパンツを吊るしておくことにしました。姉が盗まれたのが、ごくさり気なくレースの付いたスタンダードな白のパンツとのことだったので、同じようなものを一枚吊るしておきました。すると翌日、なくなっていたのです。


 さらに検証する必要があったので、今度は似た形の、違う色のものを吊るしてみました。赤、黒、水色、ピンク、白。この五色を試してみたところ、取られたのは白だけでした。

 次は様々な布面積と形状のものを吊るしてみました。スタンダード、ローライズ、ビキニ、総レース、ほぼ紐状のもの。バラエティに富んだ形の中、取られたのは最もシンプルな形のものだけでした。

 この結果から、犯人が好むパンツが判明しました。姉が吊るしていたのが、犯人にとってまさにどストライクのパンツであったのだと、そのことが確認できました。


 こうした私の一連の捜査、探偵の真似事を、両親は良く思ってはいませんでした。両親との考え方の違いは、先生にはもう何度も相談していますよね。

 私にも、ばかばかしいことをしているとの自覚はありました。しかし私の真意はそこにはなかったのです。


 三枚目に続きます→


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