二枚目
なにやらベランダに靴の跡があったというのです。
翌日、私はその足跡を確認しに姉のアパートに一人で向かいました。確かにそこには足跡がありました。確実に誰かがベランダ内に侵入し、パンツを盗んだのです。
私は試してみたいと思い、ベランダの角ハンガーにパンツを吊るしておくことにしました。姉が盗まれたのが、ごくさり気なくレースの付いたスタンダードな白のパンツとのことだったので、同じようなものを一枚吊るしておきました。すると翌日、なくなっていたのです。
さらに検証する必要があったので、今度は似た形の、違う色のものを吊るしてみました。赤、黒、水色、ピンク、白。この五色を試してみたところ、取られたのは白だけでした。
次は様々な布面積と形状のものを吊るしてみました。スタンダード、ローライズ、ビキニ、総レース、ほぼ紐状のもの。バラエティに富んだ形の中、取られたのは最もシンプルな形のものだけでした。
この結果から、犯人が好むパンツが判明しました。姉が吊るしていたのが、犯人にとってまさにどストライクのパンツであったのだと、そのことが確認できました。
こうした私の一連の捜査、探偵の真似事を、両親は良く思ってはいませんでした。両親との考え方の違いは、先生にはもう何度も相談していますよね。
私にも、ばかばかしいことをしているとの自覚はありました。しかし私の真意はそこにはなかったのです。
三枚目に続きます→
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます