パンツラブレター
古川
一枚目
平井先生へ
先生こんばんは。これは、私から先生への気持ちをしたためた手紙です。突然のことで驚いているかもしれません。でもどうか、読んでください。
先生が生徒からの個人的な手紙をまったく受け取らない方針であることは重々承知しています。先生は女子生徒みんなの憧れであり、だからこそすべての生徒と分け隔てなく接さなければならないのですよね。私はそれをよく理解しているつもりです。
しかし、どうしても先生にこの気持ちを伝えたくて、このように文字にしてしまいました。ごめんなさい。
この所、毎日のように先生に進路相談に乗ってもらっていますね。先生は嫌な顔ひとつせず私の話を聞いてくれます。そして同じようなことばかり繰り返し、自分の選択に自信が持てず、未来を怖がってばかりいる私に、真正面から真剣に向き合い、力強い言葉で勇気を与えてくれます。
君にしか掴めないものを、君の手で掴め。君が届かないと決めたら、それは届かないものになる。しかし、届くと思えば、いつか必ず掴める。
先生が繰り返し私に言い続けてくれているこの言葉を、ようやく本当に理解できたような気がしています。今私はやっと、自分の信じる道を迷いなく突き進もうと思えるようになりました。先生のおかげです。本当に、感謝しています。
ところで私には大学生の姉がいるのですが、十日程前、ひとり暮らしをしていたアパートから実家に戻ってきました。理由は、ベランダに干してあったパンツが盗まれたからです。
二枚目に続きます→
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