応援コメント

エピローグ「そして俺は行く」(転生者『俺』の独白)」への応援コメント

  • はじめまして。
    この度は自主企画にご参加頂き、ありがとうございました。
    最後まで、とても楽しく読ませて頂きました。

    最初は「転生」というワードに目を引かれて「特殊設定かな?」と読み始めたのですが、そこから展開されるのが旧家の遺産相続を巡る連続殺人という「これぞ!」な王道ミステリだったので、はたして転生者である「俺」がどのような形で物語に関わってくるのか非常に興味深く読み進めることができました。
    解決編では見事に騙されました。
    まさかの「信頼できない語り手」モノだったのですね!
    事件の描写の大半が「きいちろうさんの手記」によるものであったことが、最後の最後で活きてくる構成がお見事でした。怒涛の伏線回収により謎が一気に氷解するこの感覚。まさにミステリでしか味わえない醍醐味です。
    「当事者でありながら第三者でもある」という特権的な立場を与えられた「俺」の物語が、犯人としての役割を終えて『名探偵の誕生譚』に着地するという結末。とても独創的で、爽やかな読後感でした。

    素敵なお話を読ませて頂き、誠にありがとうございました!

    作者からの返信

     戸村井 美夜様、コメントありがとうございます。
     自主企画の企画内容を読んだときにも感じたのですが、今回いただいた応援コメントからも、例えば『「信頼できない語り手」モノ』とか「『名探偵の誕生譚』に着地」とかの表現などから「この人はは本当にミステリー小説が好きで、読み慣れているお方なのだろう」と伝わってきました。
     そんなかたから、
    
>事件の描写の大半が「きいちろうさんの手記」によるものであったことが、最後の最後で活きてくる構成がお見事

    >怒涛の伏線回収により謎が一気に氷解するこの感覚。まさにミステリでしか味わえない醍醐味

     と言っていただけて、本当に嬉しいです。

     自主企画の企画内容でも書かれていた通り、カクヨムにおいてはマイナージャンルかもしれないミステリー小説。それでも、そんなミステリー小説が大好きで、特に本格ミステリを楽しめる方々もおられる、と改めて実感できました!

  • 読了しました。

    なにより読み応えがありました!面白かったです。
    探偵役が犯人というのは驚きました。どんでん返し、いいですね!

    この作品はどこか賞に応募されたのでしょうか?
    されていなければ勿体無いと感じるほどに完成度の高い作品と感じました。

    一方で、完成度が高すぎるゆえに浮きあがったものもあります。
    ・転生について
     普通の異世界転生もの(これは異世界ではありませんが)だと、どうして転生するのか、とかは考えなくてもいいと思うんです。ただ、この作品は綺麗に謎が回収されていくからこそ、最後に「なぜこの主人公は死に、この時代に飛ばされることになったのか」が明らかにされると期待してしまいました。
     結局そのあたりが宙ぶらりんになったまま終わり、読後感が少し濁ってしまいました。多分、ミステリとして完璧だったからこその疑問点だと思います笑

    ・珠美について
     10人も殺されて、あとは自分だけという状況で、真相にも気付き、しかし誰に連絡することもなく一郎の看病をする。そして彼が自白するのを待った……珠美も好意をもっていましたから、かすかな期待をもっていたのかもしれませんが、ちょっと冷静すぎるような気も……。
     器の大きい女性ととってもいいですが、最後の「連続殺人事件を途中で止める」もあり、むしろ本当の黒幕みたいに見えました(連続殺人事件ってそういくつも起きるものじゃありませんから)笑
     と、まあ簡単に言えば、珠美のキャラがどうしても動かされている感があった、という点です。他のキャラがしっかりと自分の考えのもと動いていたからこそ、少しだけ目立ったんだと思います。

     以上、気になったところがどうしても長文になってしまいましたが、総評としては大満足でした。言った通り、賞に通っていないのが不思議に思えるくらいに、です。
     素晴らしい作品をありがとうございました!

    作者からの返信

     野原 駈様、コメントありがとうございます。
     探偵役が犯人というだけならば推理小説の古典的な定番パターンの一つに過ぎないのでしょうが、そこに転生を絡めたのが少しは新しいのかな、と自分では思っています。
     WEB小説として発表した作品ですが、WEB発表済みでも応募できるようなコンテストには、色々と応募しています。最終的には落選ばかりですが、3回応募して3回とも一次選考だけ通過したコンテストもありますし、それとは別に、三次選考まで通過したコンテストも一つありました。

     探偵役が過去の人間に憑依してその時代の謎を解く、という歴史ミステリは商業作品でも読んだことがあるのですが、それらの作品ではその作品内で元の時代へ戻ってくるパターンばかりでした。この作品はWEB小説というのを意識して『転生』という言葉を使いましたし、この作品内では転生システムの詳細は曖昧なままにしてしまいました。
     WEB小説ならば続編を書くのも簡単でしょうし、珠美のキャラクラー像を深掘りしていくためにも、シリーズとして続けていくべきなのだろう、と思っています。「旅の途中で連続殺人事件を見つけ出し、事件を途中で止めることで、十人以上の命を救う」というのが遂行された時点で『転生』の件はどうなるのか、私自身も興味あるところです。
     残念ながら、まだ続編は1作品しか発表できていません。こういう推理小説は執筆以前に構想も時間かかるので、本当にシリーズ最終作まで書けるのか、ちょっと自分でも自信がないくらいです。

    編集済
  • 全て拝読させていただきました。
    少々拙い表現にはなりますが、感想を述べさせていただきます。
    ミステリーは好きですが、あまり知識豊富とは言えませんので検討違いであれば申し訳ございません。

    まず、探偵役が作中で推理小説を読み解いているように推理している、という点がまず新鮮でした。主人公=犯人である点も、地の文章に嘘は書かないと言うルールに則っていればいるほど読者を騙すのが難しくなる所ですが、そこを上手く設定を活かしてカバーされたのだなと感じました。
    読み応えがあり、非常に面白く拝読させていただきました。

    続編も書かれているとのことで、今度はそちらも拝読させていただこうと思っております。
    それでは、素敵な物語をありがとうございました。

    作者からの返信

     寺音様、コメントありがとうございます。
     語り手が犯人というのも、探偵役が犯人というのも、いくつか有名な作品で思いつくものがあるので、おそらく一つの確立されたパターンなのだと思います。どちらも謎解き役としては別人が必要なので「語り手とは異なる探偵役」「最初の探偵役とは異なるもう一人の探偵役」が導入されるの普通でしょうが、この作品の場合、そこで「第二の探偵役」を「第一の探偵役」と同一人物にするための裏技が転生設定だったのでしょうね。いただいたコメントから考えさせられて、改めて自己分析できました。
     この設定ゆえに「探偵役が作中で推理小説を読み解いているように推理している」という形になりましたが……。具体的な作品名まではすぐに思いつかないものの、歴史ミステリならば似たようなパターンはあるだろうと思います。過去の事件の記録を現代の人間が読む形式で推理していく、みたいな。
     そもそもこの作品の転生設定も、実は転生というより、それこそ古典的な歴史ミステリにあった「現代の人間がいつのまにか過去の人間になってしまって、その時代の謎を解く」というパターンとして見ることも出来ますから、案外ありがちな手法なのかもしれません。
     結局、おおまかなパターンやトリックなどは、もう出尽くしているでしょうから、それをどうアレンジしたり組み合わせたりしていくか、というのが本格ミステリを書く上では大切なのだろう、と感じます。

  • 読ませていただきました\(^-^)/

    びっくりな展開でした\(^-^)/


    思わず叫んでしまった。

    だから、ただの謎解きサスペンスではなく、転生した設定が加わったのかなあと思いました。

    作者からの返信

     野林緑里様、コメントありがとうございます。レビューもありがとうございました。
     確かに、転生設定は真相と密接に関わる部分ですね。元々は転生云々がない状態で考えていたのですが、それではありきたりな推理小説の劣化版になってしまう。転生要素を加えたことで作品の特徴ができた、と自分でも思っています。

  •  頂きましたぁ!
    どん•でん•返し!!
     解答編でどうなるのかヒヤヒヤしてたんです、終盤『目を離せない』がまさにそれでした。

     本当に面白かったです。
    素晴らしい時間を提供頂き、本当に有難うございました!

    作者からの返信

     なかと様、コメントありがとうございます。
     途中のレス返しでも書いてきましたが、何度も「なるほど、そういう考え方もあるのか!」と、読者視点がどれほど作者の予想と違うのか(どれほど看破されたのか、も含めて)勉強になりました。
     こちらこそ、感想に楽しませていただきました。本当にありがとうございます!

  • 婭麟でございます。
    面白かったです(≧∀≦)
    犯人の一人が探偵だったとは…それも転生した先(*⁰▿⁰*)
    吃驚ポンでした。
    そして巡礼の旅…それも殺人を止める……
    続きがありそうな…(≧∀≦)
    面白いお話しをありがとうございましたm(__)m

    作者からの返信

     婭麟様、コメントありがとうございます。
     犯人に驚いていただけたのは、まず嬉しい点です。犯人の意外性で勝負しよう、とは思っていませんでしたが、それでも推理小説ですからね、これ。
     巡礼の旅に関しては、シリーズ化を匂わせるような、思わせぶりな書き方になっていますが……。とりあえず一つ、旅先で出会う事件を投稿しています(あらすじ欄の最後にURLも記しておきました)。興味がありましたら、そちらもよろしくお願いします。

  • 初めまして、和泉ユウキと申します。
    この度は、「我こそは~」の自主企画に参加して下さりありがとうございました!
    遅くなりましたが、読ませて頂きました!

    最初から読んだ順に感想を書いています。


    転生もので、ミステリーというのがとても興味深かったです。
    ミステリーの応募はなかなか無いので、楽しみにしておりました!

    しかし、この元の体の人は、随分と細かく日々のことを記していたのですね。
    もうこれこそ、一種の小説ですよ!
    というか、小説家なのだから、これが普通なのでしょうか(笑)。

    かなりどろっどろとした事件の予感が、ひしひしと迫ってくるこの感じ。ぞわぞわします。
    一義さんは殺されるだろうなと思っていたら、本当に殺され、朝子さんが事件のカギを握っていそうだなと思ったら飛び降り、と。
    木田巡査が最初と違って、徐々に協力的になってきたり、やる気を見せたり。
    少しずつ事態が動いていきそうなのに、なかなかもどかしい感じです。

    ですが、どんどん人が殺されていきますね……。
    どこかで歯止めがかかるかなと思ったのですが、そんなことはなく。
    出来ることなら、もう少し犠牲者が少なかったらと思わずにはいられません。


    写真で、みんなが指し示していたのとは逆の赤ん坊が本当の規輝さんというのは予想通りでしたが……。
    じゃあ、本当に取り違えがあったということですか?
    それとも、死んだ?
    というか、朝子さんの子供?


    って、解決編で衝撃です。
    まさかの、共犯者……!
    まさかの、共犯者!(二回目)

    確かに、「?」となることが多い手記ではありましたが……。小説書く割にへっぽこ過ぎないか?とは思いましたが……。
    共犯者なのに、手記に書き残すんかい!と思ってしまったのは、内緒です。
    これは、売れなくても小説家としての性なのでしょうか……。しかし、かなり危ういと思います。共犯者には不向きですね。

    事件が終わった後、あまりもう捜査はしない方がとかぶつぶつ言っていましたが、なるほどな!唸らされました。
    しかし、それをこの転生した主人公に暴露されるとは……悪いことは出来ませんね。
    でも、転生した先が、まさかの極悪犯人で、憐れというか何というか……。

    だからこそ、この転生者にとっては一番最良の結末だったと思います(とんだとばっちりな気もしますが)。
    そして、実を言うとずっと疑っていた珠美さんが一番の大物だということに……。
    しかも、夫は元々、ちょっといけない金融業者という……。
    色々な世界を見てきたからこそ、出せた結論なのかもしれませんね。


    途中からは、もう早く先が読みたくて、ろくに感想を書けていませんでした。
    転生の理由や謎が知りたいですが、この辺りは謎のまま終わるのですね。
    あと、顔を潰された方とか、行方不明の方とか……。
    この辺りは、何か提示されていたら申し訳ないです。読み取れなかった……。

    この後、二人がどうなったのか。
    二人の巡礼は何とか成功したのか。
    色々と想像の余地を残した最後でした。

    余韻が残る終わり方でした。
    被害者が多すぎたので、後味の悪さは相殺されませんでしたが……少なくとも、転生者が理不尽に殺されなかったことだけは良かったです。
    というか、珠美さんも別人だって気付いているのでは?(笑)
    二人の行く末が気になる終わり方でした。


    ここからは、ご要望のあったコメントを。

    良かった点は、手記のミスリードの多さですね。
    騙された部分もあれば、やっぱり違うのかと思ったり。
    色々推測が出来て楽しかったです。
    描写も丁寧ですし、分かりやすかったです。
    導入部分で、不穏な感じがじわじわと這い上ってくる様で、その先が楽しみになりました。
    後は、転生者が変に処罰されなくて良かったです!これ、本当に良かった……。
    それから、珠美さんの泰然とした感じが好きです。疑っていてすみませんでした(笑)。

    気になった点は、仰る通り最初は動きが鈍く感じました。
    その分丁寧な描写で分かりやすかったのですが、ネットの性質だと最初の方で読むのをやめてしまう方もいるかもしれないとも思いました。
    後は、上記に書いた通り、謎が謎のまま一部残っているところでしょうか。読み落としなら申し訳ないですが、匂わせる様な暗示は欲しかったかなあ、と。

    人が死に過ぎたのも、結構辛かったです。
    いや、ミステリーって死にますけどね……(笑)。
    ですが、転生者にとっては、彼らが亡くなっていないと、珠美さんの英断が実行出来なかったと思うので、その点は仕方がないのかなとも感じました。

    それから、時代って結局いつ頃なんでしょう?
    転生者よりも前なんだろうなとしか分からなくて、それっぽい村を想像することしか出来ませんでした……(笑)。


    一気に読ませて頂きました!
    楽しい時間をありがとうございました!

    作者からの返信

     和泉ユウキ様、コメントありがとうございます。
     まずは最後まで読んでいただけたことに感謝です! 企画内容には『最低五話、多くて十話までは通読致します』とありましたし、私の書き込みでも「できれば第十四章まで、せめて第十章まで」となっていたので、途中で投げ出されなかったことが、まずは嬉しいです。
     感想も『最初から読んだ順に感想を書いています』ということなので「どこで何を感じていただけたのか」が具体的で、とてもありがたいです。


     以下、総括的な感想に対してです。

    >転生の理由や謎が知りたいですが、この辺りは謎のまま終わるのですね。

     これに関しては、特に描写することなく流すつもりでしたが……。なるほど、これをシリーズ物として続けるのであれば、シリーズ最終作で何らかの謎解きが必要になってくるのでしょうね。
     巡礼の旅で連続殺人事件を見つけ出して十人以上の命を救う、と明言した以上、例えば毎回一人ずつ救って十作書いたらそこでシリーズ終わりになりそうですし。


    >顔を潰された方とか、行方不明の方とか……。

     どちらもミスリードとして入れた要素でしたが、それでも放置してはいけない、と思い知らされました。特に後者に関しては完全放置だったので、反省しています。
     前者は一応、第九章「急転直下の告白」において「顔のない死体のトリックは成り立たない」という会話を入れておいたので、あれで済ませたつもりでしたが……。考えてみたら、あの段階では「二転三転する推理の中の一つ」ということで流されてしまうから、解決編の中で、もう一度きちんと触れておくべきでしたね。第二十四章「幽霊の正体」で『直次生存説』という言葉が出てきているので、あの辺りで少し書き足そうと思います。
     ミスリードに関しては、

    >良かった点は、手記のミスリードの多さですね。

     というお言葉もあるので、諸刃の剣だと感じました。確実に武器になるけれど、うまく扱わないといけないのでしょう。

     同様に、諸刃の剣っぽいと思ったのが、

    >かなりどろっどろとした事件の予感が、ひしひしと迫ってくるこの感じ。ぞわぞわします。

    >気になった点は、仰る通り最初は動きが鈍く感じました。

     序盤の「話が動かない」部分も、雰囲気作りには役立っているのだろう、と少しは肯定的に見れるようになりました。「動かない、動かない、どうしよう」と思ってきましたが、ここを改善する場合には『雰囲気』を壊さないようなバランスも考慮すべきなのでしょう。


    >それから、時代って結局いつ頃なんでしょう?

     カクヨムでは他に「1985年に転生した」というミステリ作品も書いていますが、そちらで『1985年』と明記したのは、その時代の文化や世相なども作中で描写するためでした。
     一方、この作品に関しては、具体的な『昔』の記述はする予定がなかったので、曖昧に「昭和の田舎村」としておきましたが……。
     その点、以前に『昭和のいつ時代なのか全く推察できない世界観がもったいない』という指摘をいただいて、プロローグに書き足したのが、

    > テレビは白黒ではなくカラーだが、まだ家庭用ビデオデッキもない時代。

     という一文でした。今回、これでもまだ足りない(あるいは、こんなサラッとした一文では読者の印象に残りにくい)ということを気付かされたので、ここも改善ポイントですね。例えば「実際にテレビをつけてみて驚いた」みたいな場面があれば、もう少し読者の印象も変わるのかも、と考えています。


     この作品、「小説家になろう」に投稿した際には一切感想はなかったのですが、カクヨムでは自主企画のおかげで、いくつか感想をいただけています。その中で、

    >珠美さんの泰然とした感じ

    >珠美さんも別人だって気付いているのでは?(笑)

     という和泉ユウキ様の感想は、他の方々のコメントとも重なっている感じです。複数の感想をいただくことで「なるほど、読者の方々の珠美像はそうなるのか」と、とても勉強になりました。自分の中で複数のイメージがあった中の一つに固まっていく感じであり、これは続編を書く上で凄く参考になりそうです。大感謝です。

     以上、返信が長くなりましたが、本当にありがとうございました!

  • 古風な本格ミステリーかなと思って読み始めると、主人公が転生(タイムリープ?)している…これはどういう展開の物語になるのか。
    先ずは設定の斬新さに驚きつつ、手記の内容に入ると、予想以上の人数が殺害されてゆく中で、どこか心ここに在らずな雰囲気の「きいちろう」は怪しいといえば怪しいのですが、殺人鬼に転生してしまったのなら真の主人公があまりにも不幸ではないかと、一体どんなラストが待っているのだろう…寧ろ、そこが気になって一気に読了しました。
    ミステリーとしては古典的なトリックでもあり、薄々犯人には気づいていても、意外性がいくつも出てくる面白さに引き込まれました。横溝風と見せてクリスティに近い感触でしょうか。
    終盤は、怒涛の伏線回収が見事ですね。
    それと「きいちろう」の想いを知った「珠美」の大物感、大海を見てきた経験値なのか、なんて心が寛く賢い女性なんだろうと思いました。続編が楽しみです。
    おそらく転生のことも理解される日が近いのでは?

    作者からの返信

     青い向日葵様、コメントありがとうございます。
     この作品は「犯人やメイントリックは、推理小説を読み慣れた人なら簡単に察してしまうだろう。ならば『あれも伏線だったのか』みたいに、他の意外性を作るしかない」という想定で書いていたので、

    >薄々犯人には気づいていても、意外性がいくつも出てくる面白さ

    >終盤は、怒涛の伏線回収が見事

     と言っていただけると、「狙い通りに成功した」と思えて嬉しかったです。
     また、横溝作品は私自身好きで、その雰囲気の影響も出ているのでしょうが「実は横溝作品の魅力はカーやクイーンのような推理パズル的な部分ではなく、クリスティのような小説的面白さ・登場人物の心情に深く根付いた構成なのではないか。ならば、自分には絶対に真似できない」とも思っていたので、

    >横溝風と見せてクリスティに近い感触

     というお言葉に対しては、「狙い通り」ではなく「出来ないと思っていたことが出来たかもしれない」という喜びがありました。

    >「きいちろう」の想いを知った「珠美」の大物感、大海を見てきた経験値

     この辺りも「狙い通り」というより、むしろ「書いていて偶然そうなってくれた」という副産物的な部分です。村の外を経験した、というのは遺産相続のルールや『夫』との関わりのために作った設定でしたが、それがこんな部分にも上手く活かされてくれました。ある意味「キャラクターが勝手に動いてくれた」の一例なのかもしれません(構成がガチガチのはずの推理小説で勝手に動かれたら、普通は困りそうなものですが)。
     特に、この珠美に関するコメントは、続編を書く上でも参考になりそうな(意識できそうな)点であり、その意味でも感謝しています。
     本当に、どうもありがとうございました!

  • 解決編、とても読みごたえがありました。珠美の提案はきいちろうが転生者だとすでに悟っていそうな感じさえしますね! 希望を感じさせるラスト、とても好きです。昭和や平成の有名な殺人事件の場所と日付さえ覚えていれば、10人の殺人を阻止するのもそれほど難しくなさそう……と、続編を期待してしまいました。

    素敵なミステリをありがとうございます。

    作者からの返信

     橋本圭以様、コメントありがとうございます。
     やはり『読みごたえ』と言っていただけると、とても嬉しいです。また、最後は暗くならないようにしたつもりだったので(かといって能天気なハッピーエンドにもしたくなかったので)『希望を感じさせるラスト』も嬉しいお言葉でした。

    >昭和や平成の有名な殺人事件の場所と日付さえ覚えていれば、10人の殺人を阻止するのもそれほど難しくなさそう

     これは考えたこともなかったので、続編を書くときに少し意識するべきかもしれない、と思いました。
     有意義な感想、本当にありがとうございました!


  • 編集済

    最初に申し上げたいのは率直に面白かったこと。
    これは特に情景として、或いは画像、映像としても楽しめるのが良いと感じました。そして、味わいある過去の風景を現代書くに当たっての工夫があるのも、成る程と思いました。

    推理部分については、余り重要ではない展開なのかしら、と思った面もあります。かなりヒントを出しながら書かれている印象。
    正直に申しますと、コメントでクリスティを出しましたのは、あの辺りで叙述トリックとほぼ定めていた為でした。内容も事実ですし、あれ位ならば他の方の推理をお邪魔しないかと思って…(問題でしたら削除致します)
    しかし、それでも読んでいて迷わされました。これが推理小説では大事と存じます。珠美の立ち位置は最後まで迷いましたし、人物設定、或いは人生設定が活きたと存じます。この辺りも私にとっては横溝風の味わいでもありました。

    それと、私の場合、主人公の立場を早めに予想しただけに「え?転生どうするの、それ?」が気になってならなかったのです。
    ミステリーとファンタジーの混ぜ合いは好き嫌い分かれるところでしょうが、これに関しては、効いていて、あって良かったパターンではないかと考えました。
    それ故に推理でも惑わされる読者もある筈。相互作用で効いています。

    トリック的に気になったのは返り血の問題でしょうか。
    尚、叙述トリックと捉えた一番の決め手は、共犯の考察が不自然になされなかったことです。家族内なだけに共謀が疑われ易いのに何故?と。
    ミステリーでは作者から疑惑を提示された方が犯人から外し易い心理が働きますよね。私も医師共犯をほぼ排除したのは、気にかかる記述があった時点でです。
    それを逆手に取り、敢えて容疑が深まらない程度の共犯の可能性を彼が話していたなら、もう少し迷ったと存じます。
    ですが、予想しても、全部で誰が関係しているかを読めない時点でミステリーでは作者様上手の展開。
    だからこそ、面白かったです。

    作者からの返信

     小余綾香様、コメントありがとうございます。
     まずは『最初に申し上げたいのは率直に面白かったこと』というお言葉に感謝します。

    >推理部分については、余り重要ではない展開なのかしら、と思った面もあります。かなりヒントを出しながら書かれている印象。

     これに関しては、元々この作品を考えていた頃(まだ転生要素は入れていませんでしたが、基本的なトリックやプロットを考えて原稿用紙80枚程度の短編小説として書いてみたのは、高校三年生だか予備校生だかの頃でした)、推理小説を読んでいて「一応『手がかり』は示されていても、でも他の人間が真犯人だとしても物語が成立してしまうような作品、結構多いんだなあ」と感じていたのが、大きな理由だと思います。
     だから自分が書く時は、できる限り「犯人はこいつ以外ありえない!」となるくらいたくさんの手がかりを……。しかしそうなると、解決編で読者は「当たり前じゃないか」とシラけるかもしれない。ならば、犯人はわかっても「あれも伏線だったのか」と、そちらで驚いてもらえるくらいに、たくさんの伏線を……。そんな考えから、ますますヒント(伏線)が多くなっていった次第です。
     また「手がかり豊富で犯人がわかりやすい以上、途中で『あれっ、違うんじゃないか?』となるように、推理の迷走は必要」と思って書いていた部分もあったので(その意味では、真相よりも途中の推理の方が印象に残るとも言われるコリン・デクスターのモース警部シリーズが目標でした)、それとは違うのだとしても結果的に、

    >それでも読んでいて迷わされました。これが推理小説では大事と存じます。

     と言っていただけたのは、とても嬉しく思います。
     他の方々への返信でも記したのですが、転生要素は、最近になって投稿用に書き直した段階で加味したものだったので、

    >ミステリーとファンタジーの混ぜ合いは好き嫌い分かれるところでしょうが、これに関しては、効いていて、あって良かったパターンではないかと考えました。

     これはとても嬉しい感想です。(この作品の原型を考えた)昔の自分ではなく、今の自分を評価してもらえた、という気持ちになりました。

    >正直に申しますと、コメントでクリスティを出しましたのは、あの辺りで叙述トリックとほぼ定めていた為でした。

     私自身「ミステリを読み慣れた方々ならば、第一の密室殺人の時点で真相を察するだろう」と思っていたので「ああ、やっぱり」という感じです。推理小説に限らず、伏線豊富な作品では「読者がどこで伏線に気づいたか」は作者としては興味あるところでしょうから(少なくとも私はそうです)、特に『あの辺りで』という言葉が嬉しかったです(『ほぼ定めていた』という書き方ですから、最初に疑惑を感じたのはもっと前なのでしょうが)。
     しかも、それを「同じく気づいた者でなければわからない」という、まさに伏線的な巧みな書き方で「伏線に気づきました」と記していただけたのですから(作者である私は、あの感想を見た段階ではその意味に気づきませんでした)、削除なんてとんでもないです。むしろ大変感謝しております。

    >トリック的に気になったのは返り血の問題でしょうか。

     これは「あっ、しまった」と思います。指摘されるまで気づきませんでした。完全に私の考えが足りなかった部分。今からでも何か書き足そう、と思うくらいです。
     パッと思いつくのは、第一の密室殺人ならば血文字の存在と絡めて、第二の密室殺人ならばナイフが刺さったままであることに(もしも引き抜けばドバッと血が出る的な話に)絡めて、それぞれ「意外と出血が少ない」という記述を書き足せるのではないか、ということ。「これだと、犯人は返り血を浴びていないくらいかも」的な会話を入れることも出来そうですが、それは少しわざとらしいかな、とも思うので、よく考えてみます。
     とにかく、改修ポイントを指摘していただき、本当にありがとうございます!

    >尚、叙述トリックと捉えた一番の決め手は、共犯の考察が不自然になされなかったことです。家族内なだけに共謀が疑われ易いのに何故?と。

     これも、全く考えていなかった点でした。別のミステリ作品の方では、共犯説を否定する理由まで明記していたのですが……。この作品に関しては、結局は共犯ですからね。「遺産相続がらみで家族を殺すのだとしたら、同じ家族と共謀できるだろうか」くらいのことを書き足すのは簡単でしょうが、それが必要かどうか。

    >それを逆手に取り、敢えて容疑が深まらない程度の共犯の可能性を彼が話していたなら、もう少し迷ったと存じます。

     この感想を参考にして「手直しするべきかどうか、するとしたら、どう書きなおすか」を、じっくり考えてみたいと思います。

     以上、長くなりましたが、嬉しいだけでなく色々と考えさせられる感想でした。本当にありがとうございました!

  • 全て拝読致しました。
    拙いですが、感想を述べさせていただきます。

    率直に言うと、すごく読み応えがありました。

    クローズドサークルで起こる連続殺人事件という古典的な推理舞台と、探偵役の体に魂だけ転生したという現代的な設定。
    まさにその設定の組み合わせの妙が活きた本格ミステリで、とても面白かったです。

    特に、俺の魂が肉体に定着し、記憶が引き継がれるという設定は、事件が現在進行形ではないので真相の裏付けとして効果的で、これを考えた作者様はすごいなぁと思いました。

    また、手記を辿るという形式が、読者に推理がさせやすく、私自身も様々な推理が頭の中を行き交って、登場人物皆が怪しく思えて犯人がつかめず、答え合わせがしたくて先へ先へと読み進められずにはいられなかったです。

    ラストも、事実である「転生」と人として精神的に「生まれ変わる」という掛けが活きていて、うまいなぁと思いました。読んでいる時には日尾木一郎が色んな人に探偵役を任された意味がわからず、なんで皆この人を指名するんだろうと思っていたのですが、このラストに繋がっていたのかと納得しました。

    少し気になる点としては、2点。
    まず1つ目、人物紹介のところで村長の息子の清が 消息不明という何かを匂わせている雰囲気の言い回しなのに、最後まで出てこずに終わってしまったので、拍子抜けというか、彼に関して記述する必要はあったのかなと思ってしまいました。

    そして2つ目は、ほとんど私の個人的な意見なので、参考程度に流して読んでもらって構わないです。
    後半伏線を明かす場面で作者様の伏線を全て説明したい気持ちが伝わってきてしまって、正直どうなのかなと思いました。読み返したときに「あ、これが伏線だったのか!これも!」と自分で探して楽しめるのもミステリーの醍醐味の一つなのではと思っているので、全部説明してしまうと興醒めというか、もう少し読者が自分で推理する余白を持たせてもよかったのではないかなと思いました。でも、説明があって気付いたことも多々あったので、戯言と思って聞き流して下さい。

    長々と失礼しました。
    読んでいて楽しかったです。読み応えのある作品をありがとうございました。

    作者からの返信

     森山 満穂様、コメントありがとうございます。
     まずは『すごく読み応えがありました』という嬉しいお言葉。ありがとうございます! 自分では「小説にしては肉付けが甘い。むしろプロットに近い、スカスカな作品なのではないか」という危惧もあったので『純文学を書いているつもりです』という方からこのようなお言葉をいただけて、少しホッとしました。
     他の方々への返信でも書かせていただいたのですが、この作品の転生設定は、基本プロットやトリックを考えた『昔』のものではなく『今』のアイデアなので、その点を褒めていただけたのも大変嬉しいです。
     また『登場人物皆が怪しく思えて犯人がつかめず、答え合わせがしたくて』というコメントから「自分が考えていたほど犯人やトリックはバレバレではなかったのかな?」とも思えました(バレバレな犯人を少しでもカバーしようと、作中で「ああでもない、こうでもない」と推理を二転三転させたのが功を奏したのであれば、本当に嬉しいです)。

    >読み返したときに「あ、これが伏線だったのか!これも!」と自分で探して楽しめるのもミステリーの醍醐味の一つなのではと思っているので

     これは本当におっしゃる通りで、子供の頃に読んだ本(おそらく横溝正史、もしかしたら江戸川乱歩)の中で「本格推理小説は二度楽しめる」と書かれていたのを、今でも覚えています。
     ただしWEB小説なので「はたして読者がどれほど読み返してくれるだろうか?」という心配がありました。それでも『真相を知る前と知った後で、意味がガラリと変わってくる文章も多い』に関しては「全部列挙するのは野暮ってもんだろう」と思って『こうやって、まだ緋蒼屋敷に到着する以前の段階で、かなりの例がある。これ以上は列挙してもキリがないので止めておくが、まだまだあるに違いない』と書き記すに留めたのですが……。
     直接的な伏線に関しては「犯人がわかった読者でも、全ての伏線に気づく人は少ないだろう。だから『あれもこれも伏線だったのか!』の方で驚いてもらおう」という意図で、なるべく全て記すようにしていました。でも上述のように「自分が考えていたほど犯人やトリックはバレバレではなかった」というのであれば、素直に『犯人の意外性』で楽しんでもらえるから、その必要もないのですよね。ですから「どこまで伏線を指摘するか」に関しては、もう少し感想が集まってから(「どれくらい犯人がわかりやすいのか・わかりにくいのか」を見極めてから)、再度検討してみようと思います。

    >人物紹介のところで村長の息子の清が 消息不明という何かを匂わせている雰囲気の言い回しなのに、最後まで出てこずに終わってしまったので、拍子抜けというか、彼に関して記述する必要はあったのかなと思ってしまいました。

     こちらは、単純に私の失敗というか技量不足というか……。ミスリード(レッドへリング)の難しさを痛感しました。上手くやらないと「これ意味あった?」になってしまうのですね。

     以上、長々と失礼いたしました。
     色々と有意義な感想、本当にありがとうございました。

  • チャート企画自体は終了してしまったのですが、
    期間内に読破しきれなかったので、今更ですがチャート診断させて
    いただきたいと思います。

    なお、かなり一方的な感想で申し訳ありません。

     ・ライトノベル ☆☆★☆☆ 一般文芸
     ・文学的要素 あり ☆★☆☆☆ なし
     ・エンタメ性 あり ☆☆★☆☆ なし
     ・男性向け ☆☆★☆☆ 女性向け
     ・キャラクター ☆☆☆★☆ ストーリー

    まず、ライトノベルと一般文芸ですと一応、異世界(と言うか過去と言うか)転生系の要素もあり…でも、内容は推理小説…と言うどちらにも寄っていない感じを受けたで真ん中に★をつけさせていただきました。

    登場人物がガンガン死んで行きますし…文学要素はあると思います。

    エンタメ性については少々微妙…と、言いますか…

    正直、昭和のいつ時代なのか全く推察できない世界観がもったいないかな…と。

    昭和と申しましても、1桁~10代はまだ「大正」の雰囲気(女性の私服は和服がメインで、そもそも洋装はモダンガァル…等)があると思うのですが、そんな印象もあまり無く…

    かと言って20年は戦争の様相が色濃いはずなのにこのストーリーから「戦争」の匂いが殆ど全くと言って良い程感じられません。

    30年代~40年代ですと、戦後の傷跡…と言うか、戦後の混乱期を感じさせるエピソードが薄い気がします。(金田一耕助シリーズみたいな)

    50~60年代に入って来ると、もう家電製品が各家庭に完全配備されてきて…昭和とはいえ、平成の香り…と言うか、今のお父さんお母さん世代が生まれた時代に入って来ると思います(ちびまる子ちゃんの世界観みたいな?)

    その、いずれの時代としてもイマイチしっくりこない感じなので…
    何かちょっと違和感があって、映像化させにくい印象があります。

    男性向けか女性向けかと言いますと、どちらに向けても大丈夫な感じなので
    真ん中に★を入れさせていただきました。

    キャラクターか、ストーリーかと言う部分ですと、やはり「推理小説」と言う性格上、どうしてもストーリーに寄って来るかと思います。

    トータルの感想ですが…
    最初の「きいちろうさん」の記録からスタートして読み進めますと、
    最初、これ、異世界転生設定にする意味があるのか?とかなり疑問でした。

    普通に殺人事件がぽんぽん起きるので(笑)
    後半の「俺」のターンでその意味は十分理解するのですが…
    個人的な一読者の感覚で申し訳ありません。

    単に、自分は基本「推理小説は推理しない」派なので、あまり
    犯人はコイツかな?と思って読まないのですが…それでも、このオチは
    「えー…(困惑)」となりました。(笑)

    もちろん、それが狙いなのかもしれないのですが…

    それはズルい!と感じてしまったと言うか…
    ある意味、主人公=きいちろう=俺、だと思っていたので
    主人公=犯人、でも読者はそれが分からない、と言う描き方に対し
    「おもしろい」というよりも「それは卑怯だ!」と感じてしまいました。

    後半「俺」さんが、前半のきいちろうさんの動きに対して不自然だった、と
    言うシーンも、
    「確かに、コイツ、探偵のくせにへっぽこだよなー」…とは思っていたのですが、
    それは転生後の「俺」がある程度「探偵」らしく物語を動かして行くから仕方ないのか、と思って読み進めていたのですが
    「俺」が探偵らしく動き出す前にほとんどの登場人物が死んでしまい、
    あれ?「俺」の出番は…??
    と思いました。

    結局、読者って生き物は、ある程度勝手に想像し、
    自分の予想を大きく外されると「なにこれ、つまらん」と
    思ってしまうものなのかな?と思いました。

    「読者」としての自分は、正直「推理小説」としては「面白くない」と感じてしまったのですが、
    「小説を書くことのある自分」として読むと、逆に
    主人公=犯人と言うある意味「推理小説」の「おやくそく」を切り崩そうとした
    意欲作、としてこういう切り口もあるのか!
    そう言う意味では「面白い」と感じる、と言うなんとも不思議な感覚の作品でした。

    推理小説は普通の娯楽小説の中ではダントツ
    作者様の力量と知識量が必要なジャンルだと思っており、
    ちょっとでも「違和感」を読者に抱かせてしまうと一気に「ご都合主義」とか
    「おもしろくない」とか言われかねないジャンルだと思います。

    それに、推理小説好きの読者の中にはトリックに滅茶苦茶詳しい人も
    大勢いらっしゃいますし…

    「ひぐらしのなく頃に」と言う作品が一時期賛否真っ二つに割れていたのが
    最初「推理小説」だったはずなのに「実はファンタジー」という流れだった為
    …と伺ったことがあります。
    (自分は頭っから「ファンタジーと割り切って読んだ方が楽しい」と言われたので楽しく読めましたが、推理小説として読み始めたら、楽しいという感想になったか疑問です。)

    そう言った意味でも「推理小説」と「ファンタジー」はある意味
    水と油で、読者側もたいがい、「推理小説」として読んでいる時は「ファンタジー」は排除して読みます。
    (でないと、密室殺人は魔法で解決~☆彡、となりかねないからです)

    それを上手く融合させるのは、本当に難しいと実感しました。

    ありがとうございました!

    作者からの返信

     伊坂 枕様、コメントとチャートありがとうございます。
     時代設定に関しては、もう片方のミステリとは違って「本編に時代要素が深く絡んでこない」と思ったので、あえて曖昧に『昭和』と表現してしまいました。この点は失敗だったようなので、曖昧とはいえ『戦後』『テレビは白黒ではなくカラーだが、まだ家庭用ビデオデッキもない時代』くらいの記述は、どこかに書き加えようと思います。

     この作品は「三十年くらい前に短編として考えた」「それを元に加筆して十数年前に長編化して個人サイトで掲載していた」「さらに大幅に修正して固有名詞もタイトルも変えて『小説家になろう』に投稿した」という変遷で現在に至るのですが、転生設定を加えたのは『なろう』版からでした。それ以前は「駐在さんが主人公の手記を借りようとした時点で主人公は快く貸す。駐在さんが村外の人間に手記を送ることで、探偵役が登場する」という形でした。
     変更したのは「『なろう』に掲載するから転生要素を加えた」という意味もありましたが、それだけでなく「犯人が罰を受けない形では良くない」という意図もありました。ちなみに第二段階の個人サイト掲載版では「プロローグ・インタミーション・エピローグにだけ出てくる大学生『俺』が、『友人』が実家で見つけ出した父親の古い手記を読む」という二段構造だったので、想定していた時代設定は70年代くらいだったのだろうと思います。
     探偵役が転生者だったり、最後の段階で突然出てきたりするのは「いわゆる安楽椅子探偵タイプの小説にしたい」という理由もありました。私の中での『安楽椅子探偵』のイメージはバロネス・オルツィの『隅の老人』シリーズですが、推理小説に馴染みの薄い方々にはわからないと思いますので……。ウィキペディアから引用すると、安楽椅子探偵は、
    『部屋から出ることなく、あるいは現場に赴くことなく事件を推理する探偵、あるいはそのような趣旨の作品を指す』
     と書かれています。
     だから「探偵が独自の調査で謎を解く」タイプの、探偵の活躍をメインにした『探偵小説』のつもりではありませんでした。探偵役が行動を開始した時点で即事件解決、というつもりで書いていました。
     でも一般に『推理小説』というと、読者の方々からは、私の思う『探偵小説』的な、探偵のアクティブな活躍を期待されてしまうのですね。

    >「俺」が探偵らしく動き出す前にほとんどの登場人物が死んでしまい、
    >あれ?「俺」の出番は…??
    >と思いました。

     という感想をいただいて、痛感しました。

    >単に、自分は基本「推理小説は推理しない」派なので、あまり
    >犯人はコイツかな?と思って読まないのですが…それでも、このオチは
    >「えー…(困惑)」となりました。(笑)

     これに関しては「アンフェアと思われるかもしれない」と覚悟して書いていました。
     昔から「語り手が犯人」というパターンの推理小説は結構あります。語り手が犯行時の行動を記述しないことに関して「それはアンフェアだ」という意見もよく目にしてきました。どこぞの白いマスコットの「聞かれなかったから答えなかった」を「ずるい!」と思うのと同じ感覚ですね。
     私はQB擁護派ではありませんが、でも推理小説に限っては「三人称作品でも記されていない部分は当然出てくるのだから、一人称作品でも、意図的に書かないことがあってもいいじゃないか」という立場です。ただし、かつて好きな推理作家の作品を読み漁っていたら、その中の一つで語り手=犯人が終盤「正直に言おう。私は少し嘘を書いてきた」みたいなことを言い出した時は「さすがに、それはずるい!」と思いましたが。
     ですので、自分でも「かなり難しいところに足を踏み入れている」と思いながら書いていました。こういう部分こそ「作者と読者の捉え方が違うだけでなく、読者それぞれでも意見が違うはず」と思うので、なるべく多くの方々の感想をいただきたいのですが……。魅力的な作品でないと、読者の方々も「感想を書こう!」という気持ちにはなりませんから、これが現状です。
     そんな中、こうした感想が一つでもいただけたのは僥倖でした。貴重なコメント、本当にありがとうございました!