四章 BADENDの果て
「一真。やめてくれぇ」
チョコビが冷や汗をかきながらうったえる。
倒れた『奴』に一真がナイフを向ける。
「運命を受け入れろ。ここで死ね。」
その刹那、首が吹っ飛んだ。 [GAME OVER]
「だぁーーー!!負けたぁ!!」
当然のことながらゲームの話だ。 バスケ一筋のチョコビに対しゲーマーである一真には到底かなわないのだ。
休日の昼下がり。一真の部屋でチョコビ、夜空、一真、貞子の四人で晴天の中、部屋でゲームをしている。
「たくよぉ。んで勝てねえんだよ。」
「策略見え見え。単純にやったって俺には勝てねぇよ。てか複雑にやっても俺には勝てねぇよ。」 「んだとぉ!!」
「まぁまぁ落ち着きなさいよ。」一真とチョコビに夜空が割って入った。
「よし一真、もう一度だ!」
「へいへい。」
少し飽きた感じで返事した。
1時間後。0勝12敗でチョコビは負け続けた。
「一真。もうチョコビのライフは0だよ。」
「こりゃ完全に心折れてるわね。」
「やっと休憩かぁ。」
ぶっ倒れてるチョコビに対し一真もお疲れのようだ。
「ねぇ一真。チョコビ死んじゃった?」
微動だにしないチョコビを貞子がポ○キーでつつく。
「こいつが討伐対象者なら俺に給料入ったのになぁ。」
「生きてらぁ。何わけわかめな事言ってんだ。」
ライフゼロの屍がゾンビのように起きた。
「屍ってなんだ!だから生きてらぁ!」
「誰も屍なんて言ってないわよ。」
「いやなんかそう言われた気がしたんだよ。」
「じゃ、俺はこの壊れた『奴』をなおすかなぁ。」
「誰が壊れたってぇ。」
幼なじみなので無謀と分かっているが鬼の目で一真を睨みつける。 「おっと、なおったみたいだな。修理代2500円請求する。」
「リアル過ぎるわ!その値段!!」 「こりゃ今回もタダ働きか。」 「なになにその前回があったって感じの言い方!?ねぇ前回あったの!?」
「さあな。」
やっぱりチョコビをからかうのは面白い。
「よし!俺は回復したし一真、リベンジだ!」
「わりぃ、充電切れた。」
「なにいーーーー!!!!!!!!!!!」
大きな声を出したと思ったらまたぶっ倒れた。
「さあて、この死体は後で火葬するとして本格的に暇だなあ。」 「あたしらあんまゲーム出来なかったけどね。」
転がっているチョコビの死体(自称)の上に足を置きながら夜空が言った。
貞子はというといつの間にやら一真の膝の上に座っていた。
「あ、そうだ一真目つむって。」 いかにも暇そうにしながら夜空の言われるがままにした。
(ん、なんだこの感触。)
恐る恐る目を開けると何故かポ○キーゲームが始まっていた。
「おい夜空。何やってんだ。」 一真に突然話しかけられ棒が折れた。
「なんで目開けんのよ。もうちょいだったのに。」
「わりぃな。俺はキスとか望まない。」
「夜空。一真は私のもの。」
「俺はお前のものになった覚えはない。」
今更気が付いたように貞子を膝から下ろし暇つぶしのパソコンを膝にのせた。
パソコンの日記のようなものを開き「イベント回収」と描いた。 「一真。あんた下心丸出しだよ。」
「うるせぇ夜空。これは大事な記録なのだ。」
「でも人を好きになれないあんたがなんで貞子ならいいのよ。」 「え、どういうこと?」
夜空の少しばかり意味深なセリフに貞子が興味をそそられた。
その刹那、コンマ1秒ほど場が凍りついた。
「別にいいだろ。んな話。」 「え?あ、うん・・・」
「えと一真あたしらもう帰るね。」
「ああ。」
「悪かったね。」
「・・・」
ものすごく、えげつないくらい意味深だ!
「ほらチョコビ起きなさい!もうまったく。」
米を担ぐようにチョコビを担いで部屋を出ていった。 物凄い力だ。
部屋に取り残された一真と貞子。
少し変な空気感が漂っているが・・・
「なぁ貞子。今日仕事大丈夫か?」
すぐに空気感を戻した。
「あ!忘れてた!」
何事もなかったように貞子は急いで準備した。
「行くよ一真!」
「お、おう。」
ゲートを開き一真の手を引いておやっさんの所に向かった。
仕事場に着くとおやっさんが茶を飲んでいた。
「おお、お前ら来たか。」 「よ!」
「おやっさん今日は?」
近くにあった椅子に腰をかけ話を進めた。
「今日は8件じゃ。しっかり頼む。」
「はーい!」
「ところで一真。お前さんは何しに来たんじゃ?」
「知らねえよ」
「んじゃとっとと帰るこったなぁ。生きてる人間が易々と来る場ではない。」
ガチめのトーンで言うおやっさんに『一真ショック!』と言う表情をした。
「でも実は用があったりするんだなぁ。」
「なんじゃ?」
「俺にも仕事っぽいのくれないかなぁ」
一瞬場が凍りついた。人間からすればこの仕事は殺人同然なのだ。「お前さん、どういうことかわかって言ってんのか?」
「うん! 」
なんの迷いもなくすんなり答えた。
「別に我々の業界じゃ当たり前じゃからやめろと無理に言わんが出来るのか?」
「うん!」
これまたすんなり答えた。 それと同時にその場は一気に凍りついた。
「か、一真?」
貞子が恐怖すら覚えた。
「平気平気初めてだけどしっかりやるよ。」
「まだいいと言っとらんが・・・まぁいいじゃろう。」
なんの躊躇もなく話を進める。 「それじゃ一真。今回は貞子の獲物を3件ほど頼む。」
「OK!」
「貞子。コイツがしっかりやるか見といてくれ。」
「う、うん。」
一真のさっきまでの姿を見て宿した恐怖が収まらない。だがやるしかない。
「それじゃ一真。着いてきて。」 「あいよ!」
威勢のいい返事とともに貞子の後をついて行く。
「あのー貞子さん。」
「ん?」
「寒いんですけどぉ!!!!!」
一真と貞子は今井戸の中にいる。 「でもこっから出てきた後にテレビから出て殺らないといけないし。」
(それに一真と二人きりで狭い場所にいるって、興奮がすごい。) 「それじゃ1件目行くから。」
そう言い貞子は井戸を登って行った。
こりゃたまげた。3mくらいある井戸を易々と登って行くもんだ。
「お待たせ。」
1分もしないうちに戻ってきた。 「おう。」
「それじゃ2件目行ってくる。」 そう言うとまた3mくらいある井戸を登って行った。
「お待たせ。」
またすぐ戻ってきた。
「どうなってんだ?」
「この中から出て行く時好きな人の家のテレビに出れるだ。」
「はあ科学もへったくれもあったもんじゃねえ。」
その後も後の3件を制覇しいよいよ一真の番が来た。
一度おやっさんの所に戻りどうやって殺るか考えることにした。「んで一真。お前さんどうやってやるつもりだい?」
「俺実はナイフ術得意でねえそれでやろうと思う。」
ポケットからフルーツナイフを取り出し自慢げに言った。
「よし分かった。それでいこう。貞子、こいつの腕前見といてくれよ。」
「ガッテン承知。」
威勢のいい返事とともにゲートを開き現場に向かった。
夜中、公園を歩く綺麗なお姉さん。今回のターゲットだ。
「一真。何するか分かってる?」 「殺すんだろ。」
易々と答える一真改めて恐怖した。
一真の口から初めて『殺す』と言う言葉が出たのだ。
「何怯えてんだよ。お前だって散々殺してんじゃんか。」
「そうだけどでも・・・」
「とりあえず行ってくらぁ」
そう言い残し茂みから出ていった。
(一真大丈夫かなぁ)
夜中の公園でスマホをいじりながら歩いていると少し寒気がした。 気がつくと目の前に少年が向こうを向いて立っていた。
「お姉さん。あなたは罪を犯しましたね。」
突然その少年は語りかけてきた。 「な、何言ってんのよあんた!」 声が震えていた。当然だ、夜中の公園でいきなり見知らぬ少年が語りかけてきたのだから。
「あなたは、お年寄りから金巻き上げたね。いやあホント嫌だなあ人間ってのは。」
少年は笑顔で続けた。その姿には恐怖しか覚えなかった。
「死んでください☆」
恐怖のあまり声が出ない。
ただ来た道を無我夢中で走る。 だが無駄な抵抗だった。
「逃がしませんよ☆」
にこやかな顔と声でナイフを投げてき見事太ももに命中した。 あまりにもの痛みでコケたお姉さんの上にまたがり太ももに刺さったナイフを抜き・・・
「死んでください☆」
心臓を一突き。
「ふぅ、まずは1件目達成!」 「か、一真」
貞子ゆっくりと近づいてきた。 「だ、大丈夫?」
「おう!大丈夫大丈夫。それより2件目行こうぜ。」
「うん。」
少し不安だったが2件目に出発した。
2件目、3件目も難なくクリアしおやっさんの所に戻った。
「どうよおやっさん!俺の実力!」
なんとも驚きを隠せない表情で話始めた。
「一真。めちゃくちゃ最高じゃ。ただの人間の癖にここまで出来るとは」
「だろ!」
少し自慢げに言った。
「それで貞子。一真はどうじゃった。」
「えっとそれは・・・」
少しどう言おうか迷った。殺しをしている一真は幽霊というカテゴリーから見ても化け物のように恐ろしかった。
とても人間だとは思えない。 「ま、言えないんじゃったらいいが」
「それで一真、明後日も頼めるか?」
「おう任せとけ。」
おやっさんは問題ないかのように話を進めた。
「よし俺も仕事出来たし、貞子帰ろうぜ。」
「え、あ、うん」
彼の顔を見るといつもの笑顔に戻っていた。
あの時の顔がただの見間違いか何かだと祈り一真と帰宅した。
夜中、貞子の目が覚めた。 特にすることも無かったので一真の布団に潜り込んだ。
(やっぱり一真は安心する。あの狂気狂った姿は見間違いかも)
そんなことを考えていると寝ぼけているのか一真抱きついてきた。 (え、ちょっとまって心の準備があ)
そんなことを心の中で叫んでいると今度は耳に舌を入れてきた。 「ひゃう!」
貞子が大変な中実行犯は夢の中。今現在初めて一真をおやっさんに合わせに行った日の夜と同じことをされすごくハァハァしている。 「もうらめぇ。」
あまりにも気持ちよかったのか貞子は全身の力が抜け汗だくだった。
朝。
疲れ切ったご様子の貞子に『何があったんだ?』と疑問を持ちながら朝食を作りに行った。
リビングには両親の姿があり早速朝食を作った。
今朝のメニューはベーコンエッグと味噌汁と白米というなんともシンプルなものだ。
しばらくして貞子もリビングに顔を出し皆で朝食をとった。
学校へ登校するとチョコビと夜空が「おはよう」と元気よく挨拶をした。
挨拶を返し自分の席へ座ると夜空がやって来た。
「ねえ貞子。昨日の、やっぱり気になる?」
昨日の?そういえば夜空が帰宅する時意味深なセリフを言っていた。
だが一真の狂気じみた笑顔と夜の攻撃ですっかり忘れていた。
「何があったのか知りたい。」 純粋な疑問を夜空にぶつけた。 「いいけど一つ言っておく。今から回想シーン入るから。」
なにを言ってるかわけわかめだった。
「一真ね去年の四月、部活を創ったんだ。」
高校に入学してかれこれ二週間。 栗井一真(高校1年)は同じクラスの中学が違う友達を誘い部活を創った。
「今日から俺ら二人だけだけどここに『アニオタ部』を結成する。」
「いえーい!!」
二人だけだったがノリノリだった。 部活と言っても適当に使ってない部屋を使ってそこでパソコンいじったりライトノベルを読んだりしていた。
そんなある日ひとつ上の美人かつ巨乳な先輩が入部したいと言ってきた。
「えっと先輩?ここに入部したいって言ってんのは。」
「うん。何だか楽しそうだし。」 「んじゃ面接を始める。」
「面接」
先輩と同じ部員が同じ疑問を抱いた。 同じ部員と言うのもアレなので山田(仮)としよう。
「先輩がいかにアニメ好きかを知るためだ!」
そういい机から紙を取り出した。 「まずはこれ記入して下さい。」 その紙には『好きなアニメは?』や『好きなゲームは?』など色々書かれていた。
「ええと、立華 海央先輩でいいんですか?」
「はい!」
「それじゃ軽くいくつか質問をします。」
面接は10分ほど続きようやく終わった。
「では先輩、あなたを部員と認めます。」
「ありがとう。」
「いやしかしこんなに美人なのにえげつないアニオタだとは。」 「え、美人!?」
先輩が少し嬉しそうに言った。 「ま、3人で頑張っていこ。」 「「おーー!!」」
後日 部室には3人の姿があり一真はパソコンをいじり先輩がそれを見ていた。
「ねぇ先輩。暇じゃないんすか?」
「ええ。これだけで楽しいわよ。」
納得のいかない様子でパソコンをいじった。
「よし!3人でポーカーしよう。」
急に一真が言い放った。
「どうした急に。」
「ホントよ。また急に。」
二人が同じ疑問を抱いていた。 だがその疑問に答えずポーカーは始まった。
結果は一真がロイアルストレートフラッシュを出して二人が完敗。 「クソ!負けたぁ」
「かーくん、強すぎるわよ。」
一真はただの『お遊び』に勝ち誇っていた。
「どうです先輩。暇紛れました?」
「ふふ、ありがとう。楽しかったわ。」
これまた後日。
この日は部室で動画作成をしていた。無料のフリー素材とフリー音声を使い作成をした。
山田(仮)はライトノベルを読んでいた。 先輩はゲームをしていたが動画制作を手伝わせた。
「かーくん。これどうすんの?」 「ああ、これはっすねぇ・・・」
初めてということもあり3時間かけて2分の動画が出来た。
それでも達成感はあったので楽しかった。
帰り道。
忘れ物を思い出し部室に戻る途中の2年生の教室の前。
一真はある物を目撃した。
「お前最近ヘラヘラして調子こいてんじゃねーぞゴラァ」
「はい。」
どう見ても先輩がイジメに会っていたあっていた。
「先輩。こんな所にいたんですか?早く帰りましょうよ。」
「かーくん。」
「あんたなに?」
「あー、先輩の彼氏です。」 「は?」
明らかにいじめてた方の表情が変わった。
「ちょっとかーくん。」
「いいから帰りましょう。」 「うん。」 そして教室から出ていった。 先輩と一緒に帰宅することになり少し緊張した帰り道。 「かーくん。さっきはありがとう。かっこ悪い所見せたわね。」 「いえいえ、先輩を助けるのも後輩の務めですから。」
「ふふ。生意気な後輩ね。」
「なにおー!」
「あのそれでさっき言ってた事なんだけど。」
「あーすいません。俺こっちなんで。」
「・・・分かったわ。また明日ね。」
「はい!また明日。」
後日。
午後6時頃体育館に先輩から呼び出しがあった。 この日はちょうど体育館で部活動している所がなかったのだ。
中に入るとそこには先輩・・・と先輩をいじめてた奴そしてその彼氏っぽい奴がいた。
「お前かぁ。俺の女泣かせたのは!?」
「何の話だよ。てかいつの時代だよ。」
ポーカーフェイスで反論する。 「うるせぇ。お前だけは許さへんで!!」
急な関西弁と共に取り出したのはフルーツ用ナイフだった。
「わっ、ちょ、何すんの!?」
関西彼氏がいきなり切りかかってきたのだ。
何とか全て交わしたが、今度はいじめっ子女子が先輩を人質にした。
「コイツがどうなってもいいの?とっとと刺されな。」
その刹那。一真の肩、腕から大量の血が溢れ出した。 その光景に満足した二人を火事場の馬鹿力でぶん殴った。
「かーくん。早く手当しないと!」
「あっ、はい!」
一真はその場に倒れた。
この事件は大きくならなかったものの一真がズタズタに切られたがこっちが殴った事実もあるという事で相手の停学3日というなんとも納得いかない終わりかたで幕を閉じた。
それから数ヶ月後。
傷もだいぶ回復し、夏のシーズンだった。
部室にはいつもの3人が集まっていた。
「夏祭りですか?」
「うん。ねぇかーくん、一緒に回らない?」
「いいですよ。」
「ちょいちょい俺は?」
「お前かき氷の出店でバイトだろ」
しょぼんとした山田(仮)をほっておいて祭りのことについて話し合った。
「んじゃここ集合って事で」
「分かったわ。」
祭り当日。
一真は少し気合いの入れた服を着て待ち合わせ場所に向かった。
そこには浴衣姿の先輩が立っていた。
「先輩お待たせ。」
「あ、かーくん。これどう?」 「天使よりも美しい!」
先輩がすごく赤くなった。
「恥ずかしいじゃない。」
「だって事実ですし。」
「もう!とにかく行くわよ!」 先輩に手を引っ張られ祭囃子へ向かった。
祭りで賑わっている神社。 流石は祭りだけあって出店も多かった。
「先輩はい!」
「あらりんご飴。ありがとう。」 二人はりんご飴を食べながら金魚すくいをしたり輪投げをしたりした。
「ねぇかーくん。」
「はい?」
「楽しいわね。」
「はい!」
先輩のとびきりいい笑顔を見れて心地よく終わった・・・ と思っていた。
突如、神社が炎上した。原因は隣のフランクフルト屋の火が燃え移った。
「先輩早く逃げよ!」
「ええ!」
一真が帰ろうとしているととあるものを目にした。 人ではあるが人ではない『なにか』が神社を爆発させていた。 その異様な光景に恐怖すら覚えた。
「かーくん!」
気がついた時には俺と先輩の間に炎が舞っていた。
そして目の前にあったものが全て爆発し木っ端微塵になった。
■■■
「それでその後その先輩の遺体は見つからなかった。」
貞子はその話の衝撃が大きく何も言えなかった。
「その後一真は先輩の両親のことへ頭下げに行ったんだけど。骨数本骨折するまで殴られて1月は引き思った。私とチョコビの努力で今の状態まで回復させたけどもう人を愛し無くなった見たいになってる。」
一真が平気で殺人を犯したのも納得のいく話かもしれない。
「でもなんで貞子はいいんだろう?」
「夜空ありがとう。」
貞子はすぐさま一真の元へ向かった。
「一真、二人だけで話がしたいんだけど。」
その言葉を聞き貞子に無言でついて行く。
二人は屋上に続く階段まで来た。 屋上は解放されてないのでここで話すことにしたのだ。
「んでどうだ。俺の過去を知って。」
「一真、あなたが私に殺すまでいていいって言った時、どういう気持ちで言ったの?罪の意識とかから言ったの?」
ポーカーフェイスが少し険しい顔になり、その瞬間、貞子の胸ぐらを掴み壁ドンして少しビビらせた。
「俺には確かに罪の意識はある。だがな、俺が死んだ所でどうにもならねぇ。なら生きてるうちに犯人を見つけて殺す。この前お前の仕事をしたのは小遣い稼ぎともう一つ。リストに犯人がいるか確かめるためだ。顔は覚えているからすぐ分かる。あと俺を殺すまでいていいって言ったのはなぁお前が殺されるのを黙って見るなんて出来ねえからだ。」
一瞬かたまった。
「なんで処刑のことを・・・」
「おやっさんから聞いたよ。それに・・・」
(もう愛する者を失いたくねえ) 「一真。」
「お前だけは誰にも殺させねぇ。俺を殺すまでずっとそばに居続けろ。以上!」
そう言い残し教室へ帰って行った。
貞子はあの話の悲惨な事に同様しているが少しの嬉しさもある。
一真はいつもどうりの顔をしていたこと。
一真にすごく思われていること。 「私だって離れるもんですか。」 そう言い残し一真のいる教室へ帰って行った。
貞恋 @kazumin7110
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