映画評 ネタバレ注意

紫喜 圭

VICE

 観終わった第一印象は、半分納得、半分理解不能であった。

クリスチャン・ベイルに連なる各俳優人の演技力に舌を巻きつつ、こういった映画にしては珍しく近代の内容であったゆえに知っていることも多く、話の繋がりに困る場面も無かった。2時間半の長さもすんなり過ぎ去ったという印象である。


問題は私がアメリカ人でない事だ。この映画を観終わった後の感覚は『シャイニング』を初見で観終わったものと似ている。

『シャイニング』はトチ狂った旦那が妻子をホテルで追い回す映画なのだ。

(色々申し訳ない)

そしてこの映画、アメリカでは恐ろしい映画の名作として扱われ、日本では観ても何が怖いのかピンとこないのが常なのである。


 というのも、これ白人がインディアンを迫害した過去を持ち、それを成長や歴史とともに肌身で実感している人間達が観るから、アメリカ人、こと白人には恐怖なのである。

この映画にもそういった”感覚”があって、100%監督の思惑通りに我々は笑えないものと思われる。


 しかしそれ抜きにも面白い。一見の価値アリなのでぜひ映画館で観ることをオススメする。それとこの映画、スタッフロールに入ってもすぐ席を立たないように。

これはくれぐれも忘れないでいただきたい。

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