エピローグ


 不思議な不思議な村がありました。



 この村の辺りには、大昔たいへん栄えた豊かな国の城があったそうです。


 その国の王さまは国民に慕われていた人で、とてもよい政治まつりごとを行っていましたが、なぜかある日 突然に退位し、墓守になったとのことです。



 誰のお墓の守人か。

 王さまとどんな関係の人かは、もうすっかりわからなくなっていますが、国民も王族も誰も反対しなかったとか……



 不思議なことは もうひとつ。


 王さまが王位を投げうってまで守ったお墓の辺りに、今は小さな祠があります。


 この村の人たちは 晴れを願うときには小さな紙人形を作り この祠の軒下に吊るし、紙人形に こう歌いかけるのです。



『てるてる坊主、法師さま


 明日 天気にしておくれ


 いつかの朝の虹の橋


 見れたら


 金の鈴 あげよ』



  (完)

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おやぢ的 伝奇『てるてる伝説』 OKKUN @okkun1227

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