第6話 茹だる暑さ

土日は目覚ましをかけない。それが私の流儀だ。なんて格好つけて口にしてみたが、あまり決まらなかった。11時の朝日がジリジリと顔を照らし、私の瞼をいつもより早くこじ開けた。昨晩、遮光カーテンを閉め忘れていた、とても痛い失敗である。


こんな時は14時に目覚ましをかけて二度を決め込むのだが、汗が滲んで気持ちが悪い。スパッと起き上がりシャワーを浴びた。連続で早起きなんて商店街のくじ引きで3等が当たるくらい珍しいことである。


昨日買った牛乳と卵を使ってフレンチトーストを作った。甘ったるくてたまらなかったがそこそこ美味しくできた。

さて、ここからはすることがない。再びベットに潜り込むのは気が引ける。おもむろにギターを手に取りG→C→D…と適当に弾いていたら、買いたいものを思い出した。


好きなアーティストの新しいアルバムが出たんだった。身支度を済ませて、うろ覚えの歌詞を思い返しながら、耳にイヤホンを携えてトートバッグを手に外へ飛び出した。夏がすぐそこまで来ていた。


続く

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ゆらのっく。 銀音 てす @TeSonGaku

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