おまじない
石上あさ
第1話
靴ヒモを結びなおすとき
変なものが目についた
思わず笑って
遠い灯火を胸に描いた
ずっと
友だちみたいに大事にしてた
ぬいぐるみのように
見守ってくれる思い出がある
※
年をとるほど
立ち上がるのにかかる時間は
長くなるけど
「もう終わりだ」なんて
焦りすぎてただけさ
落書きに笑いかけた
道筋を見失ったなら
心に尋ねればいい
たぶん正解は
思うよりもっと 多くあるから
むかし
おばあちゃんが手渡してくれた
あのお守りみたいな
優しい言葉が支えてくれる
※
知れば知るほど
一番いい答えなんてもの
分からないけど
「ぜんぶ無駄だ」なんて
どうってことないだろ
今さらな話だろう?
‘ねえ おまじない
ただの気休めだけど
つま先にかけといたから
うつむいたときは
思い出して
一人じゃないこと’
※
年をとるほど
立ち上がるのにかかる時間は
長くなるけど
下手な歌を唄い
少しだけ力抜けば
それだけで歩いてゆける
知れば知るほど
一番いい答えなんてもの
分からないけど
何事でも たぶん
なるようになるだけさ
これからも 続いてく
物語 続いてく
この旅は 続いてゆく
おまじない 石上あさ @1273795
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