おこがましくも「小説家」などと!<高校時代>
※個人史の続きです。
私は、初めて習った時から英語が好きだった。
たまたま学校の科目としての英語と相性も良かったし、外国映画が好きだったので、外国語にも親しみを感じ、わかるようになりたい、しゃべれるようになりたいと思っていた。
好きだった児童文学も、海外のものを読んで、海外の生活に憧れていた。
そんな私が、中学から高校に至る時分に興味を持った職業は、ざっとこんな感じだった。
映画の評論家、通訳、翻訳家、小説家(児童文学を含む)、童話作家、絵本作家など。
ほかにもちらほらジャンル違いの職業に憧れたりもしつつ、基本的には、文学とか芸術とかそういうもののそばにいて、何かを書く仕事。そこに好きだった英語など、外国語が絡んでくるのもいいなぁ、みたいな。海外の児童文学を翻訳する、という分野に思い至ったのもこのころ。
「読む」方の好きが高じて、近所の児童図書館の会員になったのも、高校生の時だった。登録を受け付けた係の人は、最初ちょっと戸惑っていたけど、きっと小さい兄弟がいて、その子のために本を借りるんだろうって思ったのではないか?
相変わらず、今で言うとファンタジー、異世界もの、子供やティーンエイジャーの物語が好きで、そういうものは児童図書館で借りて、たまにふつうの(大人向けの)小説を学校の図書館で借りた。
一方で、いわゆる少女漫画を読みながら絵をまねて、児童文学仕込みの「お話」を添えるというのも相変わらずやっていた。当時の少女漫画自体、ファンタジーの要素を含んだものもけっこうあった。
ただ、それまでとちょっとずつ変わってきたのは、名作と言われる小説を読まなくちゃというプレッシャーを勝手に感じて、本格的な文学に意識だけは向けてみたり、大して読んでないくせに(ふつうの)小説家になりたいと本気で思ってみたり。
このエッセイの『「誰にも言えなかったこと」をカク。』の項でも書いたのだけど、
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889307907/episodes/1177354054889495818
進路相談で「小説家になります」と大マジメに言い放った恥ずかしい過去を作ったのは、まさにこのころ。「地に足」はついてなかった。
当時は、長過ぎる思春期を持て余して、人間嫌い気味になって、親との確執も感じ始め、自分の居場所はどこにもないと感じ、友だちと話していても会話に意味を感じられず、何をやっても自分の無力を感じ、とにかく早く高校から抜け出す=卒業することだけを考えていた。
そして、そんな気持ちを書くことで整理し、その延長上に、ちょっと読み始めた(大人向けの)ふつうの小説を書くということを意識し出した。私もあんなふうに書けば、ちょっとはモヤモヤしたものを突き放せて、外に逃がせるのではないかと考えた。抱えているのが苦しくて、そうすることが必要だった。
でも、結局はそんな実行力も時間もない(言い訳)とダラダラしてるうちに、日記を書いてお茶を濁す形で、高校時代は過ぎていった。
ちゃんとした小説を、1行でも書こうとしたことがあったのか。今ではまったく記憶にない。
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