いいですねぇ…!これ…!
エッセイを読んでから、このお話を読むと、ここでマッチカットを使ってらっしゃるのかなーとか、書き手としても楽しく読ませて頂きました。
以下、個人的によいなぁと思ったところと、「私ならこうしたいかも」をつらつらっと書かせて頂きます。
(あくまで参考程度に…ご覧くださいませ…)
【良い点】
後半で、マッチカットを使ってらっしゃるのかな、という印象を受けました。そして、恐らくはそのおかげで、後半の仕上がりが良いものになっていると思います。
具体的には、
> 画面にアップでエリックの表情が写し出される。彼の双眸が見つめる先にあるのは何か──。
■
──カモシカだ。
という部分以降ですね。
すごくいいです。カモシカで注意を引き、場面転換→さらにカモシカの話から、ランナーの追いかけるウサギの話へ。
動物で統一されていて、しかもどちらも追われる動物(足も早そう)であり、狩猟者とランナーという全く関連のないものを繋ぐ独特の共通点にもなっている…脱帽です…この技術は盗みたい…。
ともすると、場面転換の■もいらないかもしれませんね。上手に場面転換できているので、空行を幾つかいれるだけでも十分かもしれません。
【「私ならこうしたいかも…」という点】
後半がいいだけに、前半をもう少しドラマティックにしてみたい…と思ってしまいます…(苦笑
狙って書かれていたのならば、良いのですが…前半の描写が安定しすぎている気がします。
つまり、きっちり綺麗に風景描写が成されているのですが(ここはひつじ様の鍛錬の賜物かと思います)、それゆえに読者をぐっと惹きつける魅力にやや欠ける…かもしれません。
私は、どちらかというとキャラの心情にフォーカスしがちなので…そうですね。例えば、以下のどれかで、冒頭をスタートさせるでしょうか…。
①「僕」のエリックへの心情(エリックの謎を知りたい、という部分を冒頭に掲示)
②エリック(=ランナーとして生きることを選択)とマーティー(=お金のためにランナーではなく、ペースメーカーとして生きることを選択)の対比
③「僕」と「ブルーム」のやりとりでスタート
①③は、本作独自の部分と思います(ひつじ様のオリジナリティが強く出ている部分)。ここを冒頭に持っていくだけでも、「この小説は、なんだか他の小説と毛色が違うぞ」と、読者に思わせることができるかもしれません。
②に関しては、完全に私の趣味ですね(笑
こういう、非常に類似した境遇にありながら、正反対の選択をとった二人という対比に目がなくて…ここの心情を掘り下げてしまいたいタイプの人間です
…まぁとはいいつつ、ここから残り二話まで読んで感想書けや、という話かもしれません…が…すみません…(滝汗
続きも楽しみにしております…!
作者からの返信
返信遅れて、すみません!
こんなにたくさん、ありがとうございます(´・д・`)!
カクヨムは書き手さんが多いので、「書き手としても面白い」と言ってもらえるのは、とても嬉しいですね。
>場面転換できているので、空行を幾つかいれるだけでも十分
最近まで、空行の入れ方は気分で入れていたので、まだ謎が多い印象です。ウェブ小説特有の空行もあるので、これから、どんどん学びたいところです。
>【「私ならこうしたいかも…」という点】
後半のマッチカットの流れと違っていて、確かに前半の物足りなさがあるかもしれません。
冒頭の描写には、二つの意図がありました。
・数万人のランナーから少しずつエリックに寄ることで、彼が「数万分の一人の特別なランナー」だと、走る前から説得力を持たせたかったこと。
・「フルマラソン」の題材そのものが、カクヨムではニッチなので、「『異世界』よりも『マラソン大会』の方が想像しずらいのでは?」という仮説を立てたこと。
ニッチな題材でも広く読者に読まれるように、冒頭はきっちり想像しやすいイメージを並べたい、という気持ちがありました。
>キャラの心情にフォーカス
めちゃくちゃ苦手ですね。過剰に心情を描いてしまったりして、難しいです(T-T)。
冒頭でも、これだけ選択肢があるとは……。ちょっと考えてもみなかったので、驚きです。深いです。
僕がこの中で、一番気に入ったのは②です。心情や会話よりも、対比をガツンと示す方が、僕も好みです。
>エリック(=ランナーとして生きることを選択)とマーティー(=お金のためにランナーではなく、ペースメーカーとして生きることを選択)の対比
ここで、僕のミスに気づきました。誤解を生む書き方をしました。
「ペースメーカー専門で生きる」ということは本来なくて、大会毎に「選手として出ようか、いや、レース日程的にきついから、今回はペースメーカーの方にしよう」みたいな感じです。
マーティーも、今後の大会ではがっつりトップを狙っているプロランナーです。少し書き直そうと思います。
この題材を選んでから、マラソンを調べたので、専門分野でなくて語り慣れてないという弊害が出てしまいました。ありがとうございます!助かりました!
そして、二人のランナーの対比。これは冒頭でなくても、対比して掘り下げる方が、キャラ立ちに役立ちそうです。
エリックをベテランランナー。
マーティーを若手のホープ。
この点を強調しようと思います。
なので、対比させる文章を、今増やしたり、書き直したりしています。
アドバイスを貰いヤル気が出ました。金曜に更新するときにより良くなっているといいなと、推敲を続けています。
アドバイスありがとうございました! 期待に答えられるよう、がんばります!
ちょうど調べ物をしていて、人間は汗をかくから持久力があって、他の動物には無いってのを読んでいたので、得意満面にブルームの話を聞いていました。あと人間みたいに汗をかけるのはカバくらいでしたっけ?
ペースメーカーの存在は知っていましたが、ちゃんと報酬があるとは知りませんでした。同じ会社に雇われた人かなあとか思ってましたが。数千ドルももらえるんですね。貧しい国の人なら、悪くない金額かも知れません。
小説には、知識欲を満たすことで読んでいる人を満足させる側面があって、私もそう言うのをやりたいなあって思うんですけど、自分でやるとどうも説明臭くていけません。するするーっと流れるように知識欲を満たす、さすがの文章力だと思いました。
作者からの返信
カバも汗かくんですね( 。゚Д゚。)知らなかった。
ペースメーカーの話は、調べてから知ったので、興味深いことが多かったです。
知識欲を満たしたい側面は、絶対ありますよね。
僕も説明臭くなるのだけは、どうにか避けたいです。説明自体よりざっくりとした印象が残ってくれればいいかな、と思いながら書きました。