1-1
1992年、5月。私はこの世に生を受けてしまった。
…受けてしまったと言う表現が正しいのかは定かではないが、私からすれば一番正しい表現なのである。
名前は優里。意味は特にないらしい。
ただ ‘‘ゆうり’’ と書いて ‘‘ゆり’’ と読ませる。
読み方にはこだわりがあるらしい。それについての意味も特にはないらしいが。
私は大工の父と保育士の母の間に長女として生まれた。
生まれてから数ヶ月後のある日、私が突然全くミルクを飲まなくなったらしい。
まあそのうち飲むようになるだろうと気に留めていなかったが、
徐々に衰弱し始め焦って病院に連れて行ったところ、重度の栄養失調と診断された事があったらしい。
母は医師から『どうしてもっと早く連れてこなかったのか』と怒られたことがあるのよね〜。と大笑いしながら私にまるで良い思い出話かのように話した。
いくつぐらいの時にその話を聞いたかは定かではないが、それでも本当に保育士なのかと不信感と違和感を覚えたことは明確に覚えている。
そしてこの感じた違和感が年々強くなっていくのである。
アイノカタチ YURI @rskjump10
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。アイノカタチの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
精神障がい者の日記最新/羽弦トリス
★54 エッセイ・ノンフィクション 連載中 506話
心の癌/主道 学
★20 エッセイ・ノンフィクション 連載中 108話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます