第4話「呟怖4」

第一話「穢れた病」



「息子は重度の身体障害で、喋る事も、動く事もできません、何とか私一人でここまで育てる事が…」


どこかのテレビ局のインタビューのようだ

母は目に涙を浮かべているが、僕には分かる、とても嬉しそうだ


僕の喉を潰し、身体の自由を奪ったあの時も、母は嬉しそうな笑みを浮かべていたから…




第二話「その下に埋まる者」



桜の木の下には死体が埋まっている


何てよく言うからさ、確かめたくなってね


庭に丁度いいのがあったから掘ってみたんだ


ま、出てくるわけないよね笑


出てきたのは古い指輪だけ笑


それ親父に見せたらえらい驚いてたな、何でだろ?


そういえば、男と逃げた母ちゃんが、こんな指輪してたな




第三話「何かの足音」



六歳の娘が、何故かベッドで寝なくなった


冗談半分に


「ベッドの下に何かいるんだろ?」


と聞くと、様子が何処かおかしい


慌ててベッドの下を確認しにいくと


娘がいた

凍りついたように微動だにせず、目を見開いた状態で


ドアが開く音


娘だけど娘じゃない足音が、こちらに近づいて来る




第四話「影法師」




夕凪のさなか、錆びた団地の壁に影法師が伸びてゆく


それが面白くて眺めていると、突如影法師の頭上に、何かが生える様に影が伸びた


角だ…二本の角が伸びたかと思うと、影はまるで意思ある生き物かの様に壁から飛び出し、何処かへ去っていった


翌日、団地内で子供の行方不明事件が多発した…




第五話「目撃者」



駅員A「凄かったですよ、いきなり若い女の子が飛び込んでね」


駅員B「凄い音がしたよ、絶対助からないってあんなの」


駅員C「飛び込み自殺何て初めて見ました、もうそこら中悲鳴だらけ」


駅員D「ええ私が通報しました、確かに見たんですけど、おかしいなあ、被害者が消えちゃう何て、ねえ…」




第六話「花咲爺」


「儂の御先祖様は花咲爺さんだったんじゃよ」


祖父の世迷言だ


そんな祖父が朝、眠るように息を引き取っていた


警察だ救急車だと皆で慌てていると、ふと、祖父の部屋に違和感を感じた


違和感の正体は直ぐに分かった……


昨夜まで襖に描かれていた冬の枯れ木絵が、満開の桜を咲かせていたのだ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

#呟怖 コオリノ @koorino

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ