第4話 運命とは、
一難去ってまた一難。
迷いながらも1年3組の教室までたどり着いた。
教室に入ると僕は、黒板に貼られている席順を見て自分の席に向かった。
(とりあえず、あと10分はゆっくりしてられる……入学式なんかしたくないな)
僕は、綺麗に咲く桜を眺めながらゆっくり息を吐いた。
(あぁ、帰りたい…それに、さっきから少し暑い気が…)
そう思いながら憂鬱そうに下を向いていると突然、
「ようっ!?」
少しチャラめの格好をした男子に絡まれた。
「お前もオメガだったんだな~。これからよろしく!?俺の名前は、大垣眞悟。お前の後ろの席な」
「よ、よろしく…しん、ごくん。僕は、安西天…です」
「くんなんかつけんなよ!おう♪よろしく~」
差し出された手を取り、握手を交わした。
────それから約10分が経ち、みんなが教室を出て廊下に並び体育館へ向かった。
「なぁ、さっきから気になってたんだが…」
後ろにいた眞悟が話しかけてきた。
「お前、顔赤くないか?大丈夫か??」
「えっ?」
(確かに体が少し熱い。どうして…発情期まで、まだ2週間はあるのに……こんな所で発情なんてしたら………)
そう思った瞬間、一気に気分が悪くなり吐き気が襲ってきた。
「うっぷ…おぇ、、、」
「おい。ほんとに大丈夫か?」
「悪い…今日は、、、もう、寮に戻……る…」
「おい!?」
僕は、そう言い残しフラフラと体育館をあとにした──────
(あっ、、、ほんとにやばいかも…)
体が一気に熱くなり、汗が止まらない。
棟の向こうにいるアルファの先生や生徒からの強い目線を感じる…。
(死にたい、死にたい…どうして、、、目線が痛い。苦しい……)
一応持ってきておいた薬を飲んだものの、発情期は簡単に収まらず、体育館から別棟に繋がる通路を渡りきったところで物陰に隠れ休憩をとることにした。
「はぁ、はぁ、、、うぅ…帰りたい」
「おや♪君はたし…っ!?」
隠れていると、突然足音と共に誰かが話しかけてきた。
(誰!?……はっ、この人ア………ルファ)
好きだと言いたくて… 柊 柃夢 @ikasu36
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