#8
首を振りながら嗚咽を漏らすリエは、もはや羞恥の声でなく、快楽の甘い声をだしていた。
『――もっと感じてごらん』
そう言いながら、男優は電動のマッサージ機を持ち出してきた。ショーツの中の割れ目にピッタリはめ込まれたローターの上、リエのボタンの位置にその器具の先端を当てると、彼は手元のスイッチを入れる。
くぐもった音とともに、AC電源による強振動が、リエのそこを襲う。ショーツの薄布越しに、敏感過ぎる突起が激しく刺激され、はみ出した器具の先端部分は同時に、割れ目に押し込められたローターも強く揺らしてゆく。
谷間をかき分けて押し込まれた小さな振動体は、それ自体の揺れとともに、マッサージ機のバイブレーションを受けて、リエのなかでありえないほど激しく震える。
!!!!!!
リエの声が甲高くなり、無意識に身をよじる。
身体中が硬直し、あまりの快楽にその表情が泣き顔の寸前までに歪む。
黒ビキニの男優のゴツゴツした手が、画面の中でマッサージ機を激しく押し付けているのが見える。
(その彼の表情を見せて)と、エリは強く願う。
けれどカメラはオーガズムにいたるリエの表情や股間を写すばかりだ。
(意地悪く歪んだ顔をするその彼の表情がみたい)その思いとは裏腹に、彼の声だけが聞こえる。
『スゴい…スゴいよ』
『いやぁぁ…で、出ちゃう、出ちゃうよ』
腰から腹にかけての筋肉を波打つように収縮させて、リエの興奮が高みに駆け上ってゆく。
その頂点が極まる一歩手前で、ジュワっとショーツに液体の染みが広がる。
そのまま、
『やぁぁぁぁぁ! ダメぇぇぇ!!!』
の声とともに、ショーツの中から液体があふれ出てくる。
『おおっ、スゲぇ』
彼の声。そしてより強く押し付けられる、マッサージ機。
液体はリエの股間の素肌を濡らしながら、チョロチョロチョロ…と、とめどなくあふれ、そのままソファーを濡らしてゆく。
『あぁっ、逝っちゃう、も、逝っちゃうよぉぉ』
叫ぶようにリエは言うと、身体をのけぞらせる。
拘束され、身の自由を奪われているから、ひきつることができる場所だけが、激しく、淫らに痙攣する。
ビクン、ビクンと、大きなうねりがリエの身体を襲う。
そして、一拍の後、糸が切れたように脱力する。
力の抜けたリエのそばに、黒ビキニの男優が寄り添い、その髪に手を触れる。
『スゴい逝きッぷりだね』
意地悪そうな笑顔。そして髪に触れる彼の手。
そこに、映像を見ているエリの官能が高まる。
髪に触れる手の感触を想像し、そのいやらしい声色を耳にし。股間をいじる刺激がそこに分かち難く絡みつく。
その手には、モンステラの刺青がエリのまぶたの裏側でフラッシュする。
あぁっ!
目の前がスパークして、視界が一瞬白く飛ぶ。
思考力が停止し、全身を強く、そして途方もない快感がしびれながら広がってゆく。
逝くっ!
エリもまた、身体をのけぞらせ、小さく痙攣しながら果てた。
深く、どこまでも堕ちてゆくような感覚。身体の重みが消えるような、深い絶頂だった。
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