#3




 エリはほとばしる快感を、理性で押さえつけることができなくなる自分を自覚した。

 もう、ダメだ、耐えられないと思った。

 そして怒涛のように流れ込んでくる男の欲情を受け入れることしかできない自分に気づいた。


 エリは男にしがみつき、その腰を男のゴツゴツした身体に押し付けてしまう。

 男の中指が芯を掻き上げ、人差し指が谷間を前後にスライドする。


 違う。

 ソレは自分の中で眠っていた獣が目覚めたのだ、と、硬くすぼまった突起をなぶられながら、エリは気づく。


 くぅぅ…くぅぅぅぅ……


 荒い息をつきながら、エリにはもう、男のモノを受け入れることしか考えられない。腰に回した手で探り、男のスラックスのジッパーを捉える。それを下ろすのももどかしく、そこにそそり立っている男の幹に触れ、それをこすりあげる。


 スゴい。あぁ…。


 男はエリを壁に向かせる。

 そして何も言わず、肩を押して壁に両手をつかせる。

 エリにも分かった。

 ふたりは、同じ目的を完全に共有していた。

 エリは男に尻を突き出す。

 男がエリのスカートをめくり上げる。

 男にはグリーンのレースのTバックが見えているはずだ。

 背後でベルトのバックルの金属がカチャカチャいう音がする。

 そしてエリのショーツがズラされる。

 きっとショーツからは蜜の糸がひいてる。


 あぁっっ!!!

 熱っ!!!


 男の硬さが、エリの秘密を押しひらくのが分かる。エリが待ち望んだものが、いま、エリの狭い入り口をかき分けて、めり込むように侵入してくる。

 そしてそのまま、ためらいもなく、男の腰がエリの尻に押し付けられる。

 鋭く硬いつるぎが、エリの最深部を深々と貫いた。あらゆる蜜が、その奥の壁に押し込まれる。

 腰の奥から奔流怒涛の波が押し寄せて、何もかもを流し去る。身体を震わせ、意識を消し去るような暴力的なまでの快感。

 たった一度のその挿入だけで、エリは絶頂に達してしまった。


 そして、そのエリのエクスタシーが男をキツく締め付けると、男も苦しげな喘ぎ声を漏らし…。


 エリの中に男の精が咳き込むように放たれる。そのエキスは、エリの奥の奥にまっすぐぶつかるように勢いよく撃ち込まれた。

 その精の熱さに、エリの絶頂はさらに高みへ進み、エリはゆるゆると意識を失った。





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