ようこそ異世界図書館へ

@jiyujin0120

第1話 そこは不思議な図書館

ーーーーーーどうしてこうなった?


自らの眼下に広がる広大な緑に、俺ーー宮原祐也は途方に暮れていた。

確か......と俺は過去を思いだす。


ーーーーーー二時間前

「祐也! これから飯行こうぜ!」

「うん、そうだな」


あの時俺は、大学の友達に誘われ、外へ出た。今日は何を食べよう..........とか、そんな事を考えていた。それで、たまたま通りかかった先に、中古の古本屋があった。


「あ............何か安いのあるかな?」


「お前......本当本が好きだな」


「ハハ......」


小さい頃からずっと本が好きだった。近所の図書館に寄ってはそこでずっと本を読んでいた。というか、図書館に住みたいとすら思ったくらいだし。

それで............


「......何だ......コレ?」


不思議な本を見つけた。不思議な模様があるだけで、表紙には何のタイトルも書かれていない。少し古びてるし、年代物だろうな、と考えていた。

今思えば、そこで止めておけば良かったんだ。まあ、好奇心には勝てないけど......。

俺は、その本を開いた。内容は............なかった。白紙って訳じゃない。ただ、魔方陣的なものが描かれていた。


「? どんなやつ?」


「いや......何か魔方陣の様なものが書かれてるだけーーーーーー」


そう言って見せようとした時、突如としてその本から光が迸った。


「なっ!?」


「祐也!」


俺はなすすべも無くその光に呑まれーーーー

再び目を開けた時、ここにいた。


で、現在。

こうして絶賛後悔しています。


「どこだよここ............こんな所知らないぞ?」


だって俺さっき古本屋にいたし......仕方ない。スマホで調べて............。


「............圏外?」


電波飛んでない............クソ、八方塞がりか。


「とりあえず、歩くか......何かあるかも」


森を散策するため、歩いてみる。そして数分後。


「迷ったナ⭐」


ヤバい! ヤバいぞ! 全然わからん!

マジでふざけてる!


何で昼食べようとしただけなのにこんな森で迷ってるんだ、俺は!

と、ガサッと音が聞こえた。もしかして人か!? と思ったら......


「............グルウ?」


くまさんに、であった。


「ーーーーーーッ!?」


ちょっと待って、あの熊何かおかしい。何で......何で真っ赤なの? 何かすごい筋肉盛り上がってんだけど。

落ち着け、下がれ、刺激するな。ゆっくり、ゆっくりと............


「グアアアアァァァァァァァァァッ!!」


「ヒイィィィィィィィィィッ!?」


無理無理無理無理無理無理!!

逃げろ! 地の果てまで!!


バキッ!!

後ろを振り返ると、熊が腕で木を薙ぎ倒していた。ウソだろ!?

あんなの喰らったら人生終了だって!


「クソッ!」


とりあえず、そこにあった洞穴に隠れた。熊はそこでウロウロしている。


気付くな............頼む......気付くな......。

熊は興味を失ったように、向こうへ行った。


「ハア............」


危ねえ............人生終わったかと思った。

いや............これからどうしよう? こんな危険にまみれてるんじゃ、無事に過ごせない。


「............ん?」


何だ......道? とにかく行くか。

歩くこと数分、たどり着いた場所にあったものは。


「何だ............この建物?」


ーーーーーーやけに年期の入ったような、大きい建物だった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ようこそ異世界図書館へ @jiyujin0120

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ