28話 ウィステリア
僕は
「きっと、何かあるんだろうけど…うーむ。僕の良心が気になっている…」
そういえば、僕の家の電話番号教えたけど僕は
「家に帰って、誰かに聞くしかないか〜」
そう言って僕も図書館から出た。
岐阜駅から瑞穂まで軽ーく移動して、適当に5分くらい歩いてたら家に着く。15分電車も合わせて15分。勿論、約15分だ。
玄関を開けて中に入ると妹の
「ただいま〜
「おかえり。今日はね。それと遅かったね。何やってたの〜?」
「勉強教えてた」
間違ってはいない。うん。
「ふーん…。はい。ホットココアだよ。買っといたから出世払いでね」
「いいよ。出世しないから」
「うわ、クソ人間だ…」
誰がクソだよ。出世なんて紛らわしい!出世しなくも金は稼げるんだぞ?…出世できるならしたいなぁ…。あ、ホットココア美味しい…
「あ、テーブルの上にあるスマホをライン開いて取って」
「あいよ」
ツートンカラーのソファに座ってる
「あぶなっ!おい!投げるな!一応高いんだぞ!?」
「はいはい」
こいつ。スマホの重要性と利便性それに値段をバカにしてる。
ま、それはいいとして。
「うーん…
「
「お兄さんの恋人です。かっこ、お兄さんが自称している恋人。かっことじ」
「馬鹿じゃないの?」
ケラケラと笑いながら罵倒された!嬉しい!心の中、客観的に見たら僕変態じゃん。
「それはそうと…うーん………あ!ふつうに持ってそうなやつなんているじゃん。さーてと早速パシってやろう!」
『はいはーい。何用ですかな?
『ムカつくからそれやめて。一生のお願い」
『はーい。要件はなんだ!?急用か!?デートか!?部活申請か!?それとも別件かな?あ、私も含めていいよ♡』
あざとい言葉は華麗にスルー。これぞ男です。
『要件はその他。
『
なぬ!?事は重大かもしれぬ…と言うわけでもなく。僕は
『家は?知ってる?』
『どゆこと?家の場所?家の電話番号?』
『家の電話番号。知らないならいいさ。今度僕から聞くから』
『でも家は知ってるよ〜。遊びに行ったことあるもん!何か用事でもあるの?』
『ふっ、ちょっと家まで押し掛けてデートの約束をっていうのは冗談で、今日渡した電話番号実は間違ってたから正しい電話番号を伝えたいだけ』
『あっそ。なら今から行く?久しぶりに私も
『あーわかった俺の家の前で。ブチ』
待ち合わせを僕の家の前にした。あいつならすぐに来るだろうと思ったら案の定!ピンポン!と鳴った。早すぎ。
「…お兄さんや。あんた女誑しやん」
「へいへい」
妹の皮肉に適当に相槌を打って玄関まで行く。
そして鍵を開け、扉を開けた先にいたのは!はい。勿論
「お前。もしかして電話しながら来てた?」
「ありゃ。バレちゃった」
ダメだコイツ。病院に連れて行ってやりたいがもう手遅れだな。ごめんな弓月。来世は鶏にでもなるんだぞ。
「はーい。行くぞ〜。そうえば貸し一つ作るハメになったけどこれでチャラね」
「えー!部活入ろうよ。ん?それと今のこの現状もしやデートか!?これが俗に言う放課後デートか!?」
「
「ハーゲンダッツのイチゴ〜」
「あ、柚和。私はキャラメルね」
「俺はバニラ。一応言っておこう。気づいてるからね?一番高いハーゲンダッツをわざと!選んでるのは!まあ、いいや。じゃあ莉奈行ってくる」
「はいよー。行ってらっしゃい」
手を振る可愛い妹を背後にして、僕は戦場に赴くのだった。っていう展開も置いておいて!さっきからほんとに鬱陶しいですよね。
「サザンの涙のキッスなんて歌って楽しいか!?」
「いい歌じゃん。ほら!涙のキッス!もう一度〜誰よりも愛してる♪」
「知らん!」
以外と上手い
「ところで、
「だから!恋人以上!恋人未満だよ!」
ん?自分で言って気づいたけどこれって普通って関係じゃ…
「普通ってこと?」
こういう時こそ馬鹿も仕事しろ!と思う。
「まぁ、本当のこと言うと?」
「勉強を教えて欲しいって
「なるほどね。
「僕は善良で誠実で優しいという言葉で構成された人間だからね」
「虚言癖ですか?悲しい…
「お前…ぶっ飛ばすよ?」
「そしたら私は
あー!そうだ?コイツ実は強いんだった。前蹴りなんて食らったらお陀仏だ。
「あははは。楽しい。うん。で、
「うるせぇ」
こんなウィステリアな雰囲気の会話が自販機まで続いた。
これが
ウィステリア。藤色で藤色と言えば藤の花だ。そして藤の花の花言葉は。
優しさ、歓迎、決して離れない、恋に酔うだ。
うん。似合わんね。
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