8話 少しの遠出
なんか、へんな色が見えたりする。その事で病院に行って視力検査を受けるだけ受けてきたけど何もなく、「以上なし!」と言われて追ん出された。
目に癌でもできたら笑うわ。と思ってたこともあったけど特に以上はなかった。
でも、僕のなかでは納得できなかったけど仕方ない。ストレスだろうと決めつけて放置することにした。
「でも、それじゃあ視界に映ってた色はなんなんだろう」
今は確認できない。あの時すぐにパッと白い雲に変わり赤い色の夕焼けが目を染めたのを僕は確認した。
その後、僕が家に帰って見たものは妹様が仁王立ちで玄関で待っていた姿。いや迎えられていた姿。
「えっと、な、何やってるの?」
「入学式の日も!金曜日も!今日もずっと私に話しかけてこない!」
「う?うーん?あ、あはは。僕はまた寝るよ、またね。り」
聡い僕は(自分で自分のこと聡いって思ってることはノーコメントで)思い当たる事があり、「またね莉奈」と言おうとしてゆっくりと妹からはれようとしたけど腕を掴まれて阻止された。
はぁ、やっば駄目か…
「要望は?…」
仕方なくそう聞いた。
「三日分の説教と、三日分ので、デート♡」
「デート♡は無理。三日分の説教は月曜日学校行けなくなるから無理」
今は見えないけど、この時の妹の雰囲気は…淡いピンクのような感じがする。
なんでかって?うーん…僕の感かな。
「な、なんで駄目なの?」
心なしか、落ち込んでいるように見える。でも予定が埋まってるからなぁ…
「えっと、マジで予定埋まってて」
「そっか。私もう価値ないんだね。うん。分かった。もう死んでくる。
「お?え?え?ええ、ちょ」
こうなるだろうなぁとは思ったけどマジでなるとは…
「
自殺名所のおすすめ何処って(笑)聞く人間間違えてるし自殺はダメ!め!
「別に必要ないとは言ってないよ。ただ、友達にちょっと呼ばれてるだけ」
嘘をついた。いや呼ばれてるのは嘘じゃないけどメインの目的を言わなかった。
「その友達は男?女?」
「え?男もいるし女もいるけどそれがどうかした?」
「…お兄ちゃんにとって、その人達と私どっちが大事?」
「友達も大事だけど、何かあったら優先して守るのは
てか、今から会いに行く奴はその何かあるってことに一人で対応できるから心配もなにもしてないんだよなー。でも
ここで身内じゃなかったら?なんて質問がきたら即答するけど悩む。
はぁ、仕方ない。和歌山県の三段壁とかに行かれても困るしここは己の身を犠牲にして莉奈に付き合うか…。
「あと自殺したら、僕とデートできないけどいいの?」
「!?デートしてくれるの? !?」
「………………まぁね、その変わりだけど夜になるからね?夜でもいいってんだったらいいけど夜は危ないからほんっとに僕から離れない。夜でもいいって条件付きでもいいならまぁ来ていいよ」
「行く!行く行く!柚和といく!」
こうして、ひとりの女の子の自殺はなんとか僕ひとりの身を犠牲に守る事が出来た。
「こりゃあ、ちょっとだけだけどあいつに言っておかなきゃいけないかも」
こいつ、マジであのままだと自殺しにいくから困ったもんだ。自殺はダメ。命を大事に。
重度のブラコン…困ったもんだ…
「僕だから、ちょっと休んだらまた出かけるけど大丈夫?」
「うん!
「あはははは、うん。そうだね」
僕は、逃げるように一階にあるリビングに行った。
その間も、「どこにいくのかな〜?やっぱりあの聖地かな?うーん…でもまだ早すぎる気がするし…」などと意味わからん事言ってるけど気にしない。
「…行き場所は、まぁ追々と説明するよ。僕は少しだけ仮眠を取るよ」
あの時、目がおかしくなった時途端に疲労が押し寄せてきたからもう今はクタクタでヤバい。
「何分くらい寝るの?起こす?」
「30分くらいだけど、自分で起きるから大丈夫だよ」
本当に30分で起きた僕に妹は少し驚いてたけど、起きた僕はすぐに目的の場所に、向かいに行った。
「少し、目がぼんやりするけど、障害って程でもないし大丈夫だよね」
「ん?大丈夫?
見送る際、唇が尖っていて「はぁ、本当にデートで勘弁してあげるから」って聞こえた気がするけど、き、気のせいだよね?
「大丈夫〜。んじゃ行ってくる。帰り少し遅くなるけど堪忍してな」
自分の達が住んでる所は岐阜の瑞穂市。目的地は東京都。
「まずは、岐阜駅まで行かないと」
東海道本線の線路に沿って、東に進めば岐阜駅にとうちゃ〜く。
でも、徒歩じゃ流石に遠いから、瑞穂駅に乗って岐阜駅までいく。岐阜駅で乗り換えないとそのまま高山本線にいくから東京に行くのはだるくなる。行けなくはない。
だから、乗り換えて東海道本線で名古屋駅まで向かってそこからはすぐに東京だー!
「何時に帰ってこれるだろうな…一応連絡しておくか」
トュルルルルルルル。トュルルルルルルル(笑)
「はい。もしもし
「あーもしもし。
「お兄ちゃん!?どうしたの?何か忘れ物?それとも戻ってくるの?」
「もしかしたら、今日中に帰れないかもしれないからデートは…ガチャ」
え?おい(笑)マジかよ再びコール。
「なんですか?」
「
「それだけ?もういいよ。今から私お兄ちゃんの反対方向にある天ヶ瀬ダムで死んでくる」
「ちょっと、待った!待って待って待って待って!その場所は…それにデートできないとは行ってないからね!あのですね」
「何?」
妹こえー。
「明日の夜じゃダメですか?」
「ふーん…どうせそうやって日に日に送らせて拗らせてくるんでしょ」
「分かった。悪かった。なんでも言う事聞くからそれで許してください」
「なんでも?なんでもでいいんだね?」
「うん」
「じゃあ、今すぐ帰ってデートして」
「無理。明日な。自殺するなよ。俺そしたら
「…うん」
「はぁ、ちょっと心配になってきた。念の為にと」
スマホを弄り、ラインであるやつに送ってすぐに既読がつく。
「お!サンキュー。これでまぁ大丈夫だとは思うけど」
了承のスタンプ連打を貰ったことにより僕は安心して思わずリアルでお礼を言ってしまった。えへ
少しの心配を滲ませながら僕は東京に向かっていった。
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