9話 僕は世界を呪った
僕は以前東京に住んでいた。そこでとある二人の子と仲良くなった。
その内一人の子の名前は
そしてもう一人が男の子で
龍馬は僕が小学校に転校した時に初めて声をかけて初めて友達になった子だった。
休み時間、外で遊びたくなかった僕とずっと一緒にいて話をしてくれた。
時には、喧嘩もした。殴り合いもした。仲直り出来ずに二人して喧嘩しまくった。
それでも最後には「講和条約だー!」なんて龍馬が言って仲良くなった。
それからだろうか、友達という枠から飛び出して僕のかけがえのない親友という枠に上がったのは。
学校帰ってからは、近くの河川敷で二人で遊んだり、ゲームセンターに連れていってもらったり、子供だけでラーメン食いにいったり、勉強したりと色々した。
このままずっと、楽しい日々が遅れるんだ。この時の僕はふつうに思っていた。
ある日。「山手線全部制覇しよう!」という誘いを受けて一緒にお小遣いを持って電車に乗りまくった。
山手線制覇は代々木から初めて新宿で終わるようにする。
それを僕は父親から教わって龍馬にもそう伝えた。
浜松町でお昼を食べる為に駅弁を買った。
僕は海苔弁当だった気がする…
龍馬のははっきりと覚えていて、唐揚げ弁当だった。
「「おおー美味しそう」」
二人して同じ言葉を発した。
食べた後に電車に戻って11駅目のついたところはだった気がする。
そこで、喉乾いたから何か買っていこうと話になって降りた。
「俺コーラ♪はぁ生き返る〜」
「僕は爽健美茶」
そこからも順調に山手線制覇はクリアした。
代々木から、自分たちが住んでる地区の目黒区までまた電車で行って無事帰った。
今の僕はこの別れ際に言っていた龍馬を理解できる。
「柚和。ごめん。今日はホントに楽しかったよ!ありがとまたね」
「え?うん。あ、バイバイ」
そう言って、龍馬と僕は家に帰った。
「あ、そういえばあいつのお土産僕が持ってた!」
午後の8:00くらいに気づいた僕は、急いで走って届けにいった。
今思えば、行かなきゃ良かったと後悔もしている。その決定的瞬間に。
「ピンポーン。ピンポーン。あれ?なんでだろ。いつもはすぐ出てくれるのに」
すると家から、バン!と甲高い音が聞こえて僕は咄嗟に家から少し後ずさった。
そしてまたしても
「バン!バン!」
と音がした後に、玄関に近づく足音を聞いて本能で僕は路上の家の壁に隠れて出でくる人を見た。
それは赤い液体が掛かっていた男一人だった。
黒い服を来ていて、雰囲気がとても怖い感じだったのを今でも覚えてる。
その男は黒い車に乗って何処かに行ってしまった。
「え?な、何?今の音。あの人だれ?…」
少し急ぎ足で、龍馬の家の玄関前まで行く。でチャイムを押す。でも反応がない。
男の人が出てきた今なら、入れると思って僕は玄関をそっと開けた。
中は電気がついていて、「おじゃまします」とだけ言って入った。
廊下は電気がきちんとついていて、左側に居間がある。
で、その居間に入った瞬間僕は見た。
「え?え?え?なにこれ?な、なにこれ。ほんとになにこれ。え?」
はっきりとこの脳が覚えてる。嫌でも覚えてる。そこには龍馬のお母さんと龍馬が赤い血を流して死んでいた。
「え?龍馬?龍馬!」
すぐに、龍馬のもとに近づいた僕は龍馬に話しかけた。
「龍馬!龍馬!」
話しかけても返事は帰ってこない。よく見ると頭と脇腹に穴が開いていてそこから血がドバドバと出でいた。僕は流し続けたらダメだと悟り、必死に両手で穴を抑えた。
「龍馬!龍馬!」
いくら名前を呼んでも起きず、こんな時どう対処すればいいのかわからなかった。
「龍馬!龍馬!」
すると玄関のドアが開く後がして、さっきと似た足音が聞こえてきたけど何故か僕はそれがあの男ではないと直感で思った。
居間に、姿を現した男の人はグレーのスーツを来ていて驚いた表情をしていた。
「こ、これは!一体…」
「おじさん!おじさん!龍馬を助けて!助けてよ!助けて!助けて!助けて!ねぇお願いします!龍馬を助けてください!おじさん!」
「まっててね。すぐに警察に電話しなくちゃ」
スマホをいじって耳に当てた男の人を必死に見て僕はなにやってるんだよって気持ちだったけど龍馬の事で一杯一杯だった。
「はい。今すぐに。はい。現場には一人の男の子が。はい。わかりました。」
おじさんは警察と話終えて、僕にこういった。
「君。これをやった人を見たかい?」
「見てない。中でバンってすごい音がして黒い男の人が玄関から出てきた」
「うーん…ちょっとごめんね」
そう言って、龍馬のお母さんのところに言って首筋を触った。
その後に龍馬の方にいって、また同じ事をした。
「ねぇ、龍馬は!龍馬は!大丈夫なの!?」
「…ごめん。このお母さんとこの子は…」
「え?ぇ、おじさん治してよ!うっ。おぇ。ゲホゲホ!な、治してよ」
泣きすぎて、嗚咽で吐いてしまいそのまま僕は疲れて寝てしまった。
後に知った事だけど、このおじさんは龍馬のお父さんが会社を休みなのを気にして家まで来たらしかった。そしたらこの有様。
警察が来て、事情聴取を受けて寝ていた僕はそのままにされておじさんが僕がいった事をそのまま伝えてくれたけど僕も後日色々と聞かれた。
これが小学2年生の僕が経験した事だ。
それから僕はどんどん壊れていった。一番の友達を失って。
今思えば、この山手線制覇も最後にしたかった事だったんじゃないかと僕は思ってる。
だからかお土産袋の中には、龍馬がよく身につけていたお守りが入っていた。
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