第12話
銃弾がそのまま吸い込まれていくと、車が動き出す。急発進のせいで俺の身体は揺れた。
「……コイツらは一体なんなんだ?」
俺は前の座席に戻って一息付いた。いくらアイツらが速いといえど、車には追いつけまい。旧型の車でも速度は出るはずだ。
「OWL」
「
「対テロリスト用戦闘部隊。
「対……テロリスト用……」
まあそんな気はしていたが、ここまで来たらもう後戻り出来ないだろう。俺もテロリストと認定されたわけだ。運転する女がテロリストであろうとなかろうと、あの場所に立っていた時点で狙いは俺だった。
なんだか、いつかこうなる予感はしていた。テロリストを捕まえる仕事をしていたはずなのにテロリストになる予感をしていたとは自分でもよく分からない。だが、現状が不思議としっくりくる。こうなる運命だった。と言えば聞こえはいい。
「……あ……きこ…え」
その声が漏れ出したのはカーステレオ。壊れかけのカーステレオのようだったが、それは次第にしっかりした男の声へと変わっていった。
「あー、聞こえてるか」
「ええ、聞こえてるわ。ネス」
「ネスだと!?」
「ああ、アンタに捕まったテロリストだよ。……半分ワザとだったけれど」
ドこデもドアがこの世界で完成しました 悠希希 @yukis777
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