昔、水木しげる先生の妖怪図鑑でこんな話があった。
「皆さん、ここらで人間に千年生きる方法を教えてやろうじゃありませんか」
と、鬼太郎が妖怪たちに言った。
「止めておけ! 人間どもは戦争ばかりして死にたがってるじゃない か!」
と妖怪達は口々に反対した。
「人間が戦争をやめたら教えてやることにしよう」
ある妖怪がそう言うと満場の拍手で賛同され締めくくりとなった。
タヌキはまだしも、様々な生き物が人間の手で絶滅に追いやられた。その一方で、少なくともこの国では山あいの村や町は次々と人が抜け崩壊しかかっている。
本作におけるタヌキとクマの会話はただのおとぎ話とはゆめゆめ思えず、滅びゆく人間への挽歌とも考えられる。
詳細本作。