田中教授について

水谷一志

第1話 田中教授について

  一 

 A「…ちょっと話変わるんだけど、日本史学の教授の田中先生って知ってる?」

B「あ、知ってる知ってる~!」

A「…田中先生って、特徴ありすぎじゃない?」

B「あ、それ分かる~!」

A「何か人呼ぶ時とかさ、いちいちタメ作らない?」

B「そうそう!

 『~え~、○○君。』

みたいな~!」

A「何かちょっと変わってるよね~!」

B「そうだね~!

あと田中先生と接した時に感じたんだけど、田中先生は私のこと苦手なのかな?」

A「あ、それ私も関わって思った~!」

B「何かさ、田中先生って日本史とか日本のことには詳しいけど、外国関係に弱いよね~!」

A「それ分かる~!

 ってか私たちって外国っぽいのかな?」

B「まあ田中先生から見たらそうなんじゃない?」


 二

 A「でも私、何か田中先生のこと、いいな、って思ってるんだ。」

B「えっ、本当!?」

A「うん。何か田中先生、優しいっていうか…。」

B「実は、私も…。

 最近ちょっといいなって思ってるかも…。」

A「ちょっと、それ私とかぶってない!?」


 三

 B「かぶっちゃった、かな…。」

A「そうだよかぶってるよ!

 ってかフツーに嫌なんだけど!

 一応、私の方が成績いいんだからね!」

B「それは認める、けど…。

 でも私の方が田中先生と接する機会多いと思うよ!」

A「それは…、あんたがバカだからじゃない?バカだと接する機会が多いんじゃない?」

B「ちょっと、私はそんなにバカじゃないよっ!

 普通の成績だからね!

 自分が優秀だからって鼻にかけないでよね!」

A「別に鼻になんてかけてないよ!」


 四

 B「…あっ、ってか思い出した!」

A「…何を!?」

B「前にCから聞いたんだけど、田中先生、今年度で別の大学に行っちゃうんだって…。」

A「えっ、それ本当!?」

B「うん、本当らしいよ…。」

A「でも大学が別になっても、田中先生には会える、よね?」

B「それが…。

 『新しい大学の成績表は、【A、B、C、D】じゃなくて、【優、良、可、不可】らしいよ…。」

A「えっ、私たちじゃないの!?

 そんな…。」


 ※ ※ ※ ※

 成績表につける成績、【A】と【B】の話は、この後も続いた。(終)

 

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