その女アレックス / ピエール・ルメートル (著), 橘明美 (翻訳)

 木箱に監禁された状態で目を覚ました主人公。


 常軌を逸した狂人に乱暴され、生きる気力さえ失いかける。

 まったく身に覚えのない仕打ちに、狂人は憤っている。

 が、奇跡的に脱出する。


 とある目的に向かって、主人公はヒッチハイクをする。

 が、直後ハイクした車の運転手を殺害する。


 彼女の目的は? 

 そして、彼女の過去とは?


 序盤はフィルム・ノワール。

 中盤はクライム・サスペンス。

 終盤はサイコスリラー。


 そのごった煮のような作品。

 膨大な長さだが、彼女の人生を物語るにはこれくらいが必要なのかも。


 終始危険な目に合う主人公を追うのに必死で、脳が追いつかない。

 

 読後の脱力感が凄まじい。


「うわああ、こんな話やったんか!」


 と、コロッと騙されてしまった。


「えらんもんを読んでしまったな」という感覚に襲われる。



 ちなみに、『その女諜報員 アレックス』という映画がある。

 が、それは原題は『Momentum』というまったく縁もゆかりもない映画なので、要注意。


 ただし、ピエール・ルメートル 原作小説である『天国でまた会おう』は、映画化される模様。

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読むことについて 椎名富比路@ツクールゲーム原案コン大賞 @meshitero2

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