第50話 今度こそ出発。
ー小屋の外ー
桜子「さっきからずっと窓から覗いてるけど、入るタイミングが、、って膝枕してるし!抱きついた時はキスくらいするのかと思ったけど、全くダメね、こんなチャンスに、なにを紳士気取ってんのよ!あのバカ!えぇ!?膝枕されてるロミちゃんが上城君の頭なでてるの!?え!?何でよ!頭なでるのは上城君の役目でしょ!!!もぅ!さっさとキスくらいしろーーー」
犬「あるじぃ、早く小屋に入ろうよ」
桜子「ダメよ!二人の邪魔しちゃ悪いもの!」
犬「あるじー、くぅーん、」
桜子「このまま、上城君がロミちゃんをベッドまで抱きかかえて連れて行くところまで見届けたら帰るわ!」
犬「ふぅわぁぁあ、俺ここで寝る」
上城「前にも言ったけど"もう、弱いとこ見せないように頑張るから"」
ロミ「無理して頑張らなくていいです」
上城「え」
ロミ「無理したって楽しくないですよ。仕事もそうじゃないですか?適度に手を抜かないと、また潰れちゃいますよ???でも、仕事に関してはもう潰れる寸前でしたけどぉ私。あははは、いっ痛ぁーい」
上城「うん、ありがとう、肩が軽くなった気がする」
ロミ「部長、愚痴ならいくらでも聞きますよぉ〜。」
上城「ははは、そうだね。コレからはちゃんと話すよ」
やっと上城さんが笑った。良かった。
安心安心!っと。
桜子「もう!何チンタラやってんのよぉ!!!もう!早く!押し倒しちゃえ!」
上城「ん、外が騒がしい?」
ロミ「誰かいるんですか?」
私達が窓の方を見ると、そこには桜子さんがいた
桜子「あ!バレた。。。」
ロミ「桜子さん!来てくれたんだ!!!何やってんの!入って入って!」
ガチャ、
桜子「うふふ、二人とも無事みたいで良かったわぁ(チッ)」
桜子さんが上城さんを睨んでいる???
桜子「ってロミちゃん!その腕!!!え!?粉砕骨折してるの!?メッセージでお酒の話するから珍しいと思ったけど、こういう事だったのね」
ロミ「骨折までは治療できなくって、ね、桜子さんが来てくれたからこれで、痛みとれるわーよかったぁ!お願いしまーす」
直ぐに治療をしてもらった。
上城「あの、僕、治療の邪魔じゃない?」
ロミ「このまま膝枕になっててください」
桜子「上城君はロミちゃんの頭なでてればいいのよ!」
桜子さんが少し怒ってる?
上城「ってかお前さっき、窓から絶対覗いてたよな!いつからいたんだよ」
桜子「なんの話?」
上城「誤魔化すなよ!」
くすくす、
二人のやりとりについ笑ってしまう。
桜子「それで、ロミちゃん、道中での話聞かせなさいよ」
嬉しそうに桜子さんが待っている。
ロミ「馬車の中はね外見よりも、ものすごーく広くって、私とジャックさんの部屋もあるんだよー天窓まで取り付けてくれて、夜はベッドに寝転んだまま月光浴もできて中々最高なんだけど、連日の悪天候のせいで、ずっと狭い空間に閉じ込められてて、流石に退屈で死ぬかと思ったよー」
上城「大変だったねぇ(よしよし)」
桜子「で、ジャックと同室なんでしょ?」
ロミ「うん。ジャックは二段ベッドの下で寝てるよー、でも1日のほとんど読書してた」
上城「同室、二段ベッド、、」
桜子「ジャックの寝顔どうだった?」
ロミ「あー、一度だけ読書の途中で寝ちゃってたジャックのメガネ外してあげたけど、あれは中々の上物ですぜぇ、お客さん。へへへ」
桜子「あらやだ、いやらしい。うふふ」
上城「。。。」
桜子「上城くんと、どっちがいい?」
上城「お、おい!三日月何言ってんだよ!」
二人の視線が私に向けられ答えを待っている
ロミ「あー、まぁそもそも、イケメンの種類が根本的に違ってるから、どっち、とかは無いね(ニコニコ)」
桜子「(あー、素だ、コレ)どんまい上城君」
「・・・(赤面)」
ロミ「あー!ってか聞いてよ桜子さん!!!」
桜子「はいはい。」
ロミ「リオンにまたキスされた!!!!ムカつくー!」
上城「(キス!?しかも、"また"って事は一度じゃない!?)」
ロミ「最初は壁ドンから逃げられない状態で顎くいされて、ぶっちゅーーーーーーって!ひどくない!?舌まで入れてきてさぁ!」
桜子「あー、あのコテージでね」
上城「あ、あの時!?」
ロミ「しかもね、2回目は、油断した隙に顎くいされて今度はほっぺに!!もう!フィオナはあんなチャラ男伯爵のどこがいいのかなー」
桜子「ハーレムな日々を過ごしているのね、ロミちゃん」
上城「俺、頭痛くなってきた」
プンプンしてると、桜子さんが手を叩いた
桜子「そうだ!ロミちゃん!上城君叱ってやってくれた!?もう!本当に心配したんだからね!全然話聞かないし!」
上城「ご、ごめん」
ロミ「えーだって、強くなるために頑張ってたわけだし」
桜子「もう!ロミちゃん!上城君を甘やかしちゃダメよ!この肩の傷だって、上城君を助ける時におった傷なんでしょ!?」
桜子さんに左肩をギュッとつねられ私は痛みに飛び起きた
ロミ「ぎゃぁぁぁぁあ!!な、何すんの!桜子さん!」
桜子「超鈍感なロミちゃんへの罰よ」
???
なにがーーーー!!!
あー、でも骨、治ったっぽい。
ロミ「腕、動く!もう痛くない!ありがとう!!!」
私は起き上がりぐるぐると左肩を回した
膝枕をしてくれていた上城さんはホッとしている
ロミ「よーし!コレで、キャタルスシティに向かえるぞー!!」
コンコンコン、、ガチャ、
小屋のドアが開き振り返ると、ジャックがいた。
ジャック「キャタルスシティのポータルから飛んできたよ。輝、もう大丈夫みたいだね」
上城「は、はい、ご迷惑おかけしました」
ジャック「ロミーさんも無事で良かったよ(わしゃわしゃなでなで)」
ロミ「うふふーん(ニコニコ)」
メッセージで約束した通りジャックさんがいっぱい頭をなでてくれた。
桜子「まるで犬ね」
上城「うん、ものすごぐ、尻尾がバタバタしている気がするよ」
ジャック「輝、君も(わしゃわしゃなでなで)」
上城「え、わ、俺は大丈夫ですから!(照れ)」
ロミ「キャタルスシティに無事到着したんですね!!」
ジャック「あぁ、リオンが出迎えてくれて、フィオナは今、キャタルスシティの月の神殿にリオンといるよ」
ロミ「そろそろ戻らないと、、、」
私達はポータルでダンジョンの外へ向かった。
でも、帰る方法が特にない事を思い出した。
無計画にとりあえず、こっちにきてしまったから、今更、ちょっと焦りを感じてしまう。
ジャック「一つ、試したい方法があるんだ、先に、キャタルスシティのリオン邸に戻り、そこからここへ私のGATEを繋げる。」
ロミ「はい。わかりました」
ジャック「じゃあ、先に失礼するよ」
ジャックはポータルを使って先に帰っていった。
桜子「ロミちゃんも無事に仕事終わらせて帰ってきてよね」
上城「僕も、一緒に行けないかな、、、」
イケメンの落ち込む姿って、ちょっときゅんとする。
返事をしようとした時、ジャックのGATEが現れた。
向こう側からジャックが、話しかけてくれている
ジャック『おーい、ロミーさーん、こっちのポータル、見える?』
ロミ「はーい!見えます見えます!!」
GATEの向こう側のポータルを見ると、ウインドウが現れた。
ロミ「『キャタルスシティ シルバーズ邸』あ、表示されるって事は、もしかして!?
」
ジャック『やっぱり!?手を伸ばしてみて!』
GATEの中に手を入れ、向こう側のポータルに手を触れた
ロミ「『キャタルスシティ シルバーズ邸』ポータル登録完了だって!コレでそっちにいけます!!!」
上城「じゃあ、また、、、お別れだね」
後ろで寂しそうに笑う上城さんを置いて行くのは流石に可哀想に思えてきた。
あ、でも待って、私がポータル登録できるって事は、もしかして!?
ジャック『輝、桜、二人もポータルを登録しておくといい』
ロミ「うんうん!」
早速二人もジャックの出したGATEからポータルに触れ登録を済ませた。
これで、みんなもキャタルスシティにいける!!!
GATEって便利!バンザーイ!!!
なんかこれで一儲けできないかなぁ?笑
ジャック『ごめん、私は呼ばれたから先に行くよ、着いたらメッセージくれれば良いから。それじゃ、』
GATEは閉じた。
ロミ「わーい、上城さん、一緒に行きます???まだちょっと上城さんの体とか精神状態が心配なので」
上城「う、うん、ちょっと僕自身もまだ不安だから、君のそばに居てもいいかな」
桜子「私は、今はやめておくわ。みんなとこっちで、修行するつもり。」
ロミ「そっか、、、わかった。でも、遊びに来たくなったら教えてね!またGATEを使ってみんなも来れるようにするし!」
桜子「えぇ、その時はよろしくね。でも、今回は仕事でキャタルスシティに行ってるんだし、邪魔はしないわ、上城君の事よろしくね、こっちに残すよりロミちゃんとジャックに任せた方が安心だし」
上城「。。。」
桜子「ロミちゃんにあんまり迷惑かけちゃダメよ?早く、いつもの上城君に戻ってよね!こんな頼りない上城君を会社の人達に見せられないわ!」
上城「えっーと、、、」
ロミ「任せといてー!ピカピカにしてお返しいたします」
桜子「楽しみにしてるわ!いってらっしゃい!」
ロミ「行ってきまーす」
桜子さんとわんわんに手を振り私は上城さんとキャタルスシティに向かった。
Re-start 異世界生活って結構自分に合っている件 ロミにゃん @atelier_rommie
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