青銅丸

安良巻祐介

 

 闇の中、錆の浮いた、青緑の金属製の鎧武者が、床の間の上にましまして、家を守っている。

 憤怒の顔のまま凍てついた彼は、抜き放てない霊刀を腰に差し、立ち上がれない足をあぐらにして、正面に何かを凝集するように、強強ごわごわと見つめている。

 家霊にすら埃の積もった、もはや客の訪れぬ家の奥で、彼は、無音と闇とを座に、得体の知れぬ、恐るべき何ものかと、永劫を戦い続けている。

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青銅丸 安良巻祐介 @aramaki88

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