外から見ている人にはきっとわからないであろう、2人だけの関係性。形や重さを変えてしまった想いの果てが、奈落に繋がる。自分たちがいるのはそんな薄氷の上だと悟っているような主人公の語り口に、胸を締め付けられます。繊細な少女たちの関係を妖しく、なにより美しく描写されたこの作品を、見つけることが出来て幸福でした。
「共依存」、更には「百合小説」と謳われた本作は、その触れ込みに恥じぬほどに甘やかで、そして耽美な物語でした。想い人が抱えるトラウマと、もう埋めることの叶わない空虚。友愛を越えたその先にある、…続きを読む
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