第4話 自販機に見る世相
This Message From NIRASAKI N-TOKYO JAPAN
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ヤッホー、平成くらいの人たち。こちらは国際情勢が不安定だけど日本は蚊帳の外です。助かった。
今日は自販機についてお伝えしよう。あまり欲しくない情報かもしれないけど、ビニ本の自販機は、もう存在しない。というか、ビニ本自体が存在しない。この点はまたいずれ、お話ししよう。どこかの田舎に、古い自販機を集めた場所(観光地? それとも個人の倉庫?)があった、という情報は、たまたま知っている。ネット上のよくわからないデータベースを漁った時にね。このデータベースで、僕は平成のことを勉強した。もっとも、教科書や資料集としては、欠陥だらけだったけど。とにかく、個人の主観が強すぎて、いくつかの情報を比較すると、すぐに真逆の視点に出会う。まぁ、別に平成のことを知らなくても、生きていける。平成生まれの人、そうじゃない? 昭和のことを知らなくて、何か不自由を感じた?
いきなり脱線するけど、僕が令和を生きていて、平成を知らなくて苦労したことは、平成の最初くらいから中期にかけて青春を送った人と雑談した時だ。男性は、とにかく、SPEED、MAX、モーニング娘。、そしてAKBグループ、その辺りが懐かしいらしい。彼らの話は興味深いし、僕も話していた楽しいが、彼らの熱量には、さすがに敵わない。僕が知っていることは、AKBを嫌いにならないでください! くらいで、それを誰が口にしたかも、知らない。調べたけど、忘れてしまった。えっと、なんとかちゃん。思い出せそうだけど、無理かも。
脱線はこれくらいにして、自販機の話。今でも街角に飲み物の自販機はある。ただ、平成の頃の自販機の画像と比べると、大きく違う点がある。
それは自販機のすぐ横に大きな装置が設置されていることで、これは俗にリサイクルボックスと呼ばれている。
令和の飲み物の自販機は、ペットボトルを利用しない。アルミ缶もスチール缶もない。全て、特殊なガラス製の容器に入っている。つまり、瓶に回帰したわけだ。
温度の変化に強く、頑丈なのでちょっとやそっとの衝撃で割れたりもしない。何より、リサイクルが楽だ。全ての飲料メーカーが規格を統一し、その規格は細部まで徹底されている。瓶に貼られた小さなシールで商品名があるだけで、それ以外の全ての要素が、低コストで再利用することを前提にしている。
支払いは電子マネーのみ。硬貨がほぼ絶滅したこともあるけど、令和になって少し経ってから、どういうわけか自販機泥棒が多発した。平成の時代にあったと聞く、ATMを重機をぶち壊す、というやり口に近い。路上の自販機を破壊して、硬貨や、その時はまだ有効だった紙幣を頂戴する、というやり口。もちろん、ほんの数十件ほどで、これが自販機の支払い方法の限定につながった、というのは都市伝説に近い。しかしなんにせよ、日本も治安が悪くなったし、電子マネーならそのリスクを避けられる。そして今は大半の人が、もう硬貨なんて信じていなかった。
というわけで、自販機は平成の頃からほとんど飲み物だけだったけど、その自販機は改造やらを施されつつ、残っているわけ。
リサイクルボックスに瓶を返すと、電子マネーで返金が発生する。これもまた、大衆に受け入れられた理由かもな。
紙コップの自販機もあったと聞くけど、僕は見たことがない。紙コップは再利用できそうなものだが、再利用にかかるコストが地味に大きい。令和になっても、紙コップの再利用の手法は、平成と変化しなかった。特別なガラスの登場により、結局は紙コップも競争に負けた。そもそも、紙というものが贅沢品になってしまったのだけど。
自販機といえば、平成の時代には駅に切符の自販機があった。あれも絶滅した自販機だ。電子マネーのせいで、誰も切符を買わない。平成には特別な割引の切符があったらしいが、そもそも鉄道も衰退したけど、まだある程度、残っている頃でも、エンドフォンやその前のオールフォン(オールインフォンの略称)での、ネット上での切符の購入が当たり前になった。Suicaだの何だののカード類は、電子マネーのカードに取り込まれたし、あるいは、エンドフォンなどの電子支払い機能に飲み込まれて、消えた。でも僕はSuicaとICOCAを三枚ずつ、所有している。今ではサービスは終了していて、コレクターズアイテムになった。一枚が、そうだな、平成の頃の貨幣価値を推測すると、たぶん、三万円くらいだろうな。それが六枚も手元にあるということで、僕がどれだけ平成を愛しているか、平成オタクなのか、その辺りを推測してほしい。
重宝する自販機は何か、考えてみるけど、もはやコンビニが巨大な自販機なので、どこか外で喉が渇いた時に使うくらいしか思い浮かばない。どんなものでもコンビニに駆け込むか、もしくはネット通販で超高速配達サービスを使えば、事足りる。そうか、面白い自販機かもしれないけど、バッテリーを売る自販機がある。この自販機は充電サービスのような要素もあるが、それは平成の初期にあったらしい、携帯電話を充電しておく機械と大差ない。バッテリーを売る自販機は、そのまま、外付けのバッテリーをゴロッと売ってくれる。これも瓶の自販機同様に、リサイクルボックスが付属していて、空になったり、使い古したバッテリーをここに入れると、電子マネーで八割ほどが返金される。電気は相当安いのが、令和の特徴ではある。
そう、思い出した、自販機とは少し違うけど、公衆電話というものが平成にもあったと思うけど、びっくりすることに、令和になっても、何気なく公衆電話が街中にある。すでに電話機能のある端末の普及率が百パーセントなので、公衆電話が使われる場面は少ない。どうやら緊急時のために設置されているらしい。犯罪の通報か、災害時だろうか。エンドフォンの通信機能は、かれこれ十年以上、少しも停滞しない。電波障害は想定されても、もう起きないだろう。完璧な通信網が日本中、そして世界中を網羅しているのである。いい時代なぁ。
今日の通信はこれくらいにしよう。みんな、Suicaを何枚も手元でストックしておくと、三十年後にはちょっとした財産になるぜ!
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