第8話 KAC7 最高の目覚め
正直な話、今回このエッセイを書き始めたのは、この作品をスコップして紹介したかったからです。と言い切っても過言じゃない。
覚 伏見七尾さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054888965354
今回はまた、微妙なというか、なんか面倒くさそうな説明の付いたお題でした。
夢落ち。だけど夢落ちじゃない。
どっちだよ?
そして目覚めにカタルシスがある。
どうすんだ?
そこで、宗教的な悟り、をカタルシスのある目覚めとする、という展開は、まあ思いつく人なら誰でも思いつきうると思うんですよ。
私も一瞬思いついた。
でもそれを4000字以内で表現できる?
私は無理だと思ったので、さっさと他の可能性を探りに行った。
本作品は、梵天との緊張感のあるやりとりから、悟りのカタルシスまで、きっちり描ききっていてスゲーとしか言いようがない。
全然関係ないけど、梵天というと、耳かきの後ろに付いている白いふわふわの毛がどうしても頭を過ぎります。あの白い毛のかわいらしさと作中に登場するおどろおどろしい梵天のギャップが、また印象的でした。
続いてこちら。
永遠の島より 兵藤晴佳さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054888960856
また観測範囲の狭さを発揮して、知り合いの作品だよ。
だけど、知り合いではあっても忖度とかそんなんじゃなく、本当に内容が良い。
コメントにも書いたけど、私は井上靖氏の短編小説を読んでいるかのような印象を受けたのでした。とても読み応えがあって心地よかった。
ギルガメシュ伝説とマクベスが元ネタらしい。その元ネタを上手く料理して自家薬籠中のものにしている。そうそう、こういうのをやってみたいんですよね。
自作はこちら。
ハロウィンだウエエエエエエエイ! kanegon
https://kakuyomu.jp/works/1177354054888963988/episodes/1177354054888963997
ジャンルは現代ドラマ。
ネタバレ込みなので本編閲覧後に以下へどうぞ。
恋愛でも良かったけど、恋愛色は薄めだし。ゾンビや吸血鬼は登場するけどファンタジー要素は無いので、現代ファンタジーではなく現代ドラマで、丁度具合良くジャンルが残っていたと思います。
どうでもいい内情を言うと、この作品が全10作の中で一番難産でした。
まず、ぼちぼちシャトルランに疲れてきてモチベーションが上がらない。
本来ならモチベーションになるはずの皆勤賞は、盛大な出オチで沈没してしまっていますし。
ネタも思いつかないし。
第7回なので編集部賞もある回なので、なんとか作品出展までにはこぎ着けたいところなのですが、まあここまで来た人には大抵分かっていると思いますが、編集部賞は狭き門すぎて自分に可能性があるとは到底思えない。
このお題で書くとしたら、3月23日土曜日がまるまる一日使える日なので、この日に頑張るという見込みを立てるところなのですが、この日の午後から札幌で民放ラジオ (伏線です。覚えておいてください)のイベントがあり、それに行きたいと思っていたので、モチベーションが執筆よりも遠征の方に傾いてしまった。遠征なので、当然時間も大幅にロスする。
結局、イベントには行った上で、作品もなんとか完成にこぎ着けましたけどね。
ただ、書き上げるだけでライフポイントを使い切ってしまった感があり、タイトルもあらすじもキャッチコピーも全部同じウエエエイだけにしてしまったのは仕方ないというか。本来ならもう少し工夫すべきでした。もう直しませんけど。
なお、マグネット!の方で開催されていた会話文短編コンテストは、3月24日いっぱいが締め切りなので、本作品が最後の参加作となりました。つまり、7作品出したことになります。なので、これ以降の作品は別に会話劇で書く必要性は全く無くなったのですが、まあここまでやってきたからには、最後まで会話劇を貫いてやろうじゃないか、というのを新たな目標に掲げます。
あっと、作品の内容については、これも女性がいい男とくっつくハッピーエンド話。
出来としては難産の割には、現代ドラマとして社会の様子を短い中で描けたんじゃないかな。ただし物語としての面白さはどうかな。
夢落ちだけど夢落ちじゃない、目覚めが必要、という部分については、若干アレンジした形ではあるけど、ちゃんと描けていると思うのです。
ただ、カタルシス、という部分は難しかったかも。
言うまでもなくアニメゾンビランドサガを念頭に置いた佐賀ネタです。
毎年良くも悪くも話題になる渋谷のハロウィンということで、いわゆるリア充にとっては、渋谷で楽しく騒いで、次の日にはゴミ拾いボランティアの様子をインスタにアップしてついでにそこで仲良くなった相手と付き合う流れになる、と美味しいイベントであるというのを描きました。
ふざけたタイトルの割には、やらない善よりやる偽善、といった割と真面目な内容を描いていて、なんというか、座右の銘である、チョットアンタ真面目にふざけなさいよ! という赤塚不二夫さんの言葉を実践できたんじゃないかと思っています。
なお、この作品では、意図せずに何気なく設定したことが、後から伏線として繋がった、という、小説を書いている人なら一度くらいは経験したことがあるであろう事象が、小さいレベルではあるけど発生しました。
元々吸血鬼は佐賀県出身という設定でした。だけどそれだと、二人きりになった時には佐賀弁でしゃべらないと不自然になってしまう、ということに気付き、急遽、全国転勤族という設定に変更しました。それによって、全国各地を渡り歩いているので、どの地域で災害が起きても他人事とは思えないので積極的に義援金募金をする、という流れに繋がりました。
まあ小さいレベルではありますが、これって小説を書いている中で稀に発生する醍醐味の一つだと思います。
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